小椋正清・滋賀県東近江市長が2023年10月17日(火)不登校対策を議論する滋賀県首丁会議の場で言った意見が物議をかもしている.翌日18日(水)市役所で報道陣の取材に応じたが発言撤回しないと述べた.

以下が小椋市長の発言の抜粋

 

「僕は文科省がフリースクールの存在を認めてしまったということに、がく然としているんですよ。」

「大半の善良な市民は、本当に嫌がる子どもを無理して学校という枠組みの中に押し込んででも、学校教育に基づく、義務教育を受けさそうとしているんです。」

無理して無理して学校に行っている子に対してですね、『じゃあフリースクールがあるならそっちの方に僕も行きたい』という雪崩現象が起こるんじゃないか。」 

「フリースクールって、よかれと思ってやることが、本当にこの国家の根幹を崩してしまうことになりかねないと私は危機感を持っているんです。」

不登校になる大半の責任は親にある

「子供の気分、感情で、『学校行く気になったから行くわ』、それで環境を整えないといけない、という解釈しかできない。(中略)。国がフリースクールの支援をしてくださいということになると、国がフリースクールに全部ゆだねる動きが出てきたときに、そもそも教育を受けさせる親としての責任や義務、教育基本法、学校教育法の枠組みが崩れるのではという危機感を持っている。」

常識のある普通の人は無理しても『学校に行け』と言っている、努力しているわけですよ。ボーダーラインにいる子がフリースクールで楽しんでいる子供を見たら、雪崩現象を起こすかもしれないと。私はあえて問題提起をした」

「先生の問題もあるが(自身の)感覚的なもの、経験則に基づくと、やっぱりが多い。」 

 

うーん.保守派の悪いところが出たという感じがした.

保守自体は良いし,私も結構保守的な方だとは思う.この人も他の分野では良いことも言っているとは思うんだが.

 

 ちょっとこの人の経歴とか気になってきた.この人は子供や孫が何人いるのだろうか?子育てしてきたことがあるのだろうか?学校時代は虐めとかなかったんだろうか?

1951年4月生まれ

地元の公立小中学校を出て,県内トップクラスの県立高校から同志社大学法学部をでて,滋賀県警察から滋賀県理事員,2013年東近江市長選挙で立候補者2名のところ当選,2017年,2021年は無投票当選.

 

結婚や子や孫の情報はネットには無かった.

 

この市長は教育行政は市教育委員会まかせにして細かなところは興味が無いのだろうな.

 

「大半の善良な市民は、本当に嫌がる子どもを無理して学校という枠組みの中に押し込んででも、学校教育に基づく、義務教育を受けさそうとしているんです。」

無理して無理して学校に行っている子に対してですね、『じゃあフリースクールがあるならそっちの方に僕も行きたい』という雪崩現象が起こるんじゃないか。」

常識のある普通の人は無理しても『学校に行け』と言っている

 

いや,そんなに嫌がっている子供を無理して学校へ行かせたら,それは虐待でしょう.学校がどういう状態になっているかなんて,親は知らないんだから.教員だって知らない.虐めは隠れて見つからないようにやるものだからね.

 

不登校になる大半の責任は親にある

 

この発言には突っ込みどころは2か所ある.

一か所目は,もちろん,親,というところ.理由は様々だし,個々の場合でも子は本当のことはなかなか話さないし,分からない.裁判やっても長期間かかるんだから,他人がはたから見てて決めつけられることではない.

 

二か所目は,不登校になる,ってところ.”になる”って,不登校が問題行動だと思っていることですよね.文科省はすでに

不登校は問題行動ではない

と正式に通知しています.

 登校することは手段で会って目的ではない.

 目的は教育.

教育は,学校の場だけではない.今は昔より勉強できる場所は増えている.

 

 目的が達成できているかどうかの議論をすべきで会って,手段はあくまで手段.

 

 中学へ行っている,高校へ行っている,ということは問題ではない.

 漢字はいくつ読めるか?

 割り算はできるか?分数の足し算はできるか?

 高校なら,関数の導関数を求めて増減表から最大値最小値問題を解けるか?日本史世界史の概略は分かっているか?

 こういうことを問題にすべき.

ただ単に通っていればよい,という話ではないでしょう.

 

 実際には,義務教育9年通っても

同一平面上に無い3点を通る平面がちょうどひとつだけ存在する

ということが7割の中3生は理解できていない.

 

だったら,これを理解できている9年間不登校の15歳は,7割がたの中3生より上とみなしてよいですよね?

 

 

 この人に子供や孫が何人いるのか知りたい.たぶん少ないんじゃないかな?たくさんいれば子供は親の言う通りになんかならないことは学習できるはずだ.

 

 地元の進学高校から大学出て県の公務員やって市長になるような人って,ある意味幸せな成功者なのかもしれない.

 

いろんな困難ははねのけて今の地位を得たのだろう.ただ,そのためには多くの人を踏み台にしてきたという自覚が無いのかもしれない.

 

 

 あと,思うのは,市長が会議で言ったから,問題発言としてたたかれているのであって,こういう72歳のじいさんは今でも普通に沢山いるし,今の子供の親世代でも沢山いると思う.そういう偏見や差別と闘わなければならない.表立っていう人は少なくても陰では言われるし思われる.

 障害福祉の現場にも,この手の古い人って結構いると思うんですよ.

今年6,7月にもニュースになったけど,府中市障害福祉課課長までやった人が障害者支援施設副理事長が10年にもわたって障害者に虐待をしていた例もあるし.