東京都府中市の社会福祉法人清陽会で10年間虐待繰り返したが,約7年間府中市は認定しなかった.

 

 

記事の概略は以下.

 

清陽会は,知的障碍者の親の会が母体で,知的障碍者の作業所2か所(定員各30名)やグループホームなどを運営している.

 

元副理事長H(現在約80歳.元・府中市障害福祉課課長)が虐待をしていた.

(社会福祉法人の役員名簿は公表されています.)

 

時系列ーーーー

2013年:府中市に清陽会で虐待があるとの最初の通報.

2017年:知的障害と自閉症のある男性K(26)が作業所に通い始めた.そののち,異変を感じた両親が清陽会と話をして虐待を疑う.(Kは後にPTSDと診断)

2020年7月:府中市がHによる虐待を認定.

2020年12月末:Hは清陽会を退職(約78歳か).処分なし

2021年6月30日:府中市が第三者委員会を設けて調査開始.(Hは第三者委員会の面談依頼を拒否.)

2022年3月10日:第三者委員会が報告書をまとめた.しかし清陽会は報告書開示を拒否.

2022年5月:K両親へ清陽会理事長(千田恵司)は,心理的虐待のみで身体的虐待は無かった,と説明

2023年1月:府中市は,通常の指導・監査から特別監査に切り替え.

2023年3月:千田理事長はK両親へ謝罪したが,報告書の開示は拒否.

2023年4月:K両親や府中市からの指導を受け,清陽会は報告書をK両親へ開示.(清陽会は今も報告書を公開はしていない.職員にも概要しか知らせていない.)

2023年6月28日:報道機関で(2013-2020.12における)H氏の報道

2023年7月:清陽会グループホーム利用者への心理的虐待が新たに発生

2023年7月6日:清陽会HPで”Hに関する一部報道について”

2023年7月7日:東京都が清陽会を立ち入り検査.

2023年7月14日:府中市は監査結果を発表.再発防止策など改善を勧告.

ーーー

 

23年4月に開示した報告書には

ーーー

・2012年ごろ,Hがいう事を聞かない利用者をビンタ

・Hが利用者の腕をねじるように暴行を加え,押し倒し,頬を手で押さえつけた.”どうせ家で話せるわけはないから大丈夫”と発言

・HがHを慕っている利用者の頭を拳でたたいたり,往復ビンタをしたりしながら叱る行為を何度も行った

・Hが利用者の顔をビンタし,”お前の顔なんてみたくもねぇ”

・Hは職員も暴行・暴言・パワーハラスメントした.”脳なし”,”頭がおかしいから病院に行って診てもらえ”.書類を投げつけた上,顔を殴った.ハラスメントに耐えかねて退職した職員もいた.

・以前は親の一人Bが理事長を務めていたが,Bの子供が”トイレが遅い”とHに殴られた.

・ある保護者が”会計について法人に説明を求めては”と親の会に提案したが,”そんなことをしてはHにぶん殴られる”と言われた.

・Hの指示でタイムカードの改ざんをした.(行政の監査で残業がバレないよう.監査は抜き打ちではない)

・できていない書類を監査までにすべてできていたかのように作成した

・Hは規定外の給与を受け取っていた

・Hの妻と娘も職員として在籍

・清陽会では過去10年間で利用者への工賃不払いが合計1億円以上.

・不透明な会計処理

・組織として隠ぺい体質が根強い.

・H以外の職員も利用者に心理的虐待や不適切な支援をした.

・ある職員は利用者に怒鳴りつけるような指示を出し,従わないと”Hに報告するよ”

・Hへの恐怖感で職員は反論できない環境

・理事や評議員の多くがHの依頼で就任しており,実質的な審議がなかった.

・理事会や評議員会が機能していなかった.

ーーー

報告書以外の情報として,

・K両親はHを刑事告発するよう清陽会へ求めたが,清陽会は,裏付け資料が無く告発は難しい,と回答.

・ある職員は市や労働基準局に通報したが,注意程度で終わり,精神的に参って退職.

・ある職員は府中市に相談に行ったが,府中市から確認は無かった.

・知人が心配して都庁に連絡したが,にぎりつぶされた.

 

以上は記事のまとめ.

私の感想は,次回へ.