『CHINMO-YA』 第五話~ここが噂のPティPティ~ | シケた世の中に毒を盛る底辺の住民たち

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リレー小説したり、らりぴーの自己満足だったり、シラケムードの生活に喝を入れるか泥沼に陥るかは、あなた次第。


スペシャルメニュー


一口に言っても容易ではない。


なんせこの数年間、僕は「ちんもーはん」しか作っていない。


スペシャルメニューというからには、今までと違う何かを出さなければ


ならなかった。


そこで僕は、ここにきてからずっと考案していた「てんてんめん」を


完成させるべく、本気で研究することにいた。


そうは言いつつもなかなか新たな閃きが生まれない。


どうしたものか・・・思い悩んでいるうちに大変なことに気づいてしまった。


そう!!


あまり気にしていなかったが、ここに来てから一度も外出していない!!


それどころか、外がどうなっているのかすらほとんど知らない!!


テレビはあるが、リモコンがなく、GAORAしか映らないのでかろうじて、


スポーツ情報だけは把握できると言う状況だった。



ことの重大さに徐々に危機感を感じ、新メニュー「てんてんめん」の完成


の為にも、久々に街に繰り出すことにした。


亀に事情を説明。説得に1週間以上費やしたが、ついに納得し、ルーラで


街まで送ってくれることになった。


・・・



久々に東京に帰ってきた。


すぐに六本木に向かいたい気持ちをぐっと抑え、まずはCHINMO-YAの状況


が気になり、急ぎ確認に向かった。


みんな元気だろうか。


店長の俺が急にいなくなって困っただろうな。


中性的な顔立ちの片言店員:アンはよく河童と間違えられていたし、


コック長と言う名のつまみ食い専門店員:TOMIYOSHIは鯖江と間違えられていたし・・・


特にプアカー男が心配だ。


ほんと女にだらしないし、目を離すとすぐ店の割り箸を王様ゲーム風に配っていて


客からのアンケートに「生理的に受け付けられない」とまで書かれていたからな。


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そんなことを考えながら、内心では皆に会えることを楽しみに、スキップスキップ


ランランら・・・ん?


ん?


んん!?



店がない



どういうことだ!?


数年ぶりだから場所を間違えたのかと思い、辺りを確認したがやはり間違いない。


僕のCHINMO-YAがなくなっている。


その代わりにOffice街に全く似つかわしくない、きらびやかなピンクゴールドに


彩られた店が立っていた。



店の名前は「PティPティ」。



ふと、店の前でボーイ風の男が、目の前を通過するサラリーマンを見つけては、


仕切りに50分3,000円を謳い文句に店に連れ込もうとしている。



いや待て!!


そのボーイ風の男、よ~く見ると・・・間違いない!!プアカーだ!!!!


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あんのクソ野郎!!・・・