亀にルーラを唱えられた僕は、亀の背中に乗ったまま、8回ほどバウンドしてようやく目的地に到着した。
1アップしていた…
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- 大きなホテルのような建物の入り口には、日の丸の国旗が掲げられていた。
入り口の看板には、『第三寮宮城』と書かれていた。
中に入ると、妙に薄暗かった。
坊主頭で、顔色の悪いひょろりとした男がパンツ一丁で、僕を出迎えてくれた。
妙にタバコ臭い、前髪が巻き髪の男がカップラーメンにお湯を入れて、階段を上っていくところが見えた。
さらに、くちびるが妙に厚い男もいた。
ここの住民は、みんな健康状態が悪化しているようだ…
「もーやさんは、自分の店を開きたいのよね。
ここにいる人達の為に、毎日、料理を作って欲しいの。あなたの住めるお部屋もあるし、大浴場もあるのよ。
お願い…」
僕は、毎日、そこで暮らすリョーセイと呼ばれる人々の為に、亀と二人で料理を作ることになった。
朝と晩に、自慢の「ちんもーはん」を作りまくった。
坊主頭で、顔色の悪いひょろりとした男がパンツ一丁でいつも「ちんもーはん」を食べにきたが、ピンクのタバコの男も、くちびるのぶ厚い男も、何故かいつも、カップラーメンを食べていた。
何とかして、あいつらに俺の「ちんもーはん」を食べさせ、健康な生活にしてやる。
そう思いながら、数年が経過しようとしていた…
亀も、出会った頃のぷりっとした面影はどこかにいき、やせこけた頬で、新人のリョーセイに僕の作った「ちんもーはん」を大盛りによそっていた。
僕は、そこで「ちんもーはん」を作り続ける間に妙に寡黙になり、新人のリョーセイの「ごちそうさまでした~!」という声がしても、聞こえないフリをするようになっていた。
「このままではいけない。何かが違っていた。」
僕は、亀のため、ピンクタバコのため、くちびるのために、シェフのスペシャルメニューの日を作ることにした…