7月23日付けの筆者のブログのテーマである「意見交換の場」については、現時点では名称及び話し合いの対象を含め詳細は公表されていない。いずれにせよ、この新しい「枠組み」が在日米軍関係者による事件・事故の再発防止に実際的な効果を発揮することを願いたい。

 

一方、那覇に設置されている既存の意見交換の枠組み(三者連絡協議会とワーキングチーム)が、長い間開催されていない理由は何なのか? 恐らく関係者はその辺りの事情を承知しているのだろう。その関係者の中に、沖縄県の最高責任者である玉城デニー知事が含まれていることに疑いはない。

 

玉城知事は沖縄県知事就任に際し、SACWO(日米両政府及び沖縄県三者間の常設協議機関)の設置構想を打ち上げたが、就任後その具体案は明らかにしていない。もしも玉城知事がこの構想に真剣に対処する気持ちであるならば、先ずは既存の「枠組み」の実績について「評価」を加えるべきだろう。そのために必要と考えるならば、県知事の下に「第三者評価委員会」のような機関を設けて調査して貰うことも可能であろう。しかし、第一期の玉城県政期間中、そのような動きは出てこなかった。

 

今回の米軍側提案がメディアに取り上げられるまで、果たして玉城知事は「既存の枠組み」の活用を試みたことはあったのだろうか? 筆者の承知する限り、玉城知事のしてきたことは、事件・事故が生じるたびに「遺憾の意」、「再発防止」等を口にするにとどまっていた。沖縄県民の受けた心理的、肉体的負担を考えるならば、せめて「既存の枠組み」の活用について、政府に大きな政治的プレッシャーを与えるべきだったと考える。

 

米兵関係事件・事故の発生は遺憾である。再発防止のためには、政府にとどまらず沖縄県知事も汗をかく必要がある。(20240724)