この時代では珍しいアイドル系男性ソロ・シンガーの1st。立ち位置からいうと、クリフ・リチャードは別にして、ちょっとだけ前のP. J. PROBYが思い浮かぶくらい(アメリカ人だけど)。なぜ珍しいかというと、ビートルズの登場によるビートブーム以降、みなバンドを引き連れていたから。ソロというだけで不利だった(アイドル系、では)。
明るくかわいいルックスに反して、楽曲は必ずしもPOPなものばかりではない。アイドルらしいといえばそのとおりだが、歌唱力はいまいち。初期のGARRICKにはTHE IVEYSがバックバンドについていた時期もあったようだが、どうもその歌にはサイド・ビジネスっぽさが漂う。じつは本業はオペラ歌手。イタリア留学まで経ているとのことだが、どうもPOPS路線ではオペラの才覚は活かされていないようだ。
もともとがKINKSのマネージャーだったROBERT WACEに見出されたということもあり、PYE(系列のPICCADILLY)からデビュー。レーベル側としても男性ソロ・シンガーの地位は空白だったこともあり順調にデビューが進んだのだろう。けっきょく中ヒットのシングルは何曲かあれど、音楽界に大きな足跡を残すことは無かった。
1967
UK
PICCADILLY
NPL 38035 (MONO)
購入価格 : \825