このブログを始めて2年と少々、その間にブログに登場させた方々が何人も亡くなった。
とりあえず、勝手に彼らを偲んで古いブログを掘り起こしてみる。(順不同)
■伊藤桂一 2016年10月29日没
伊藤さんの名前を初めて知ったのは90年代の始め、俺がイギリスに住んでいたときだった。たまたま目にした日本の新聞に、伊藤さんの‘静かなノモンハン’の書評が掲載されていて、帰国したら読むと決めた。中国戦線で下級兵士として7年も軍務に就いていたからこそ、日本陸軍、そして祖国日本を見る目はリアルで冷徹だ。伊藤さん亡き今、元兵士の著名な文人は絶えたのではないか。
■金子兜太 2018年2月20日没
上記の‘悲しき戦記(全)’に‘海軍出身の文壇最長老’として名前を出した。中曽根と海軍経理学校同期の将校だった。近年では世に広まっている‘アベ政治を許さない’の揮毫で反骨ぶりを世に示した。最後まで文筆活動、講演に忙しかったようだ。
■CHRISTINE KEELER 2017年12月4日没
(★)2017年1月14日 PETER SELLERS+ 『FOOL BRITANIA』
イギリスを恐慌に陥れたといっても過言ではない大事件、‘プロヒューモ事件’での女性側の主役だった女優であり高級売春婦。文中で‘MISS X名義の某女優’と取り上げた。
■西城秀樹 2018年5月16日没
(★)2018年1月13日 『秀樹!エキサイティング・ポップス』
このブログの中でもビューが多いページだ。秀樹のことを悪く言うやつはいない。
■山崎朋子 2018年10月31日没
未だにこの本を読んでいた時分の真夏の暑い空気を思い出す。読みながら自分の中の日本国のイメージがガラリと変貌してゆくのがわかったくらいの衝撃の書だった。この年代の日本の女流作家にはすごい人が本当に多いと思う。
■星由里子 2018年5月16日没
(★)2018年5月18日 主婦の友65年7月号付録簡単服と外出着
これは厳密に言えばブログ登場の前に亡くなっているのだが、この本をブログで取り上げる日程まで決めてその前日に訃報が届いたのでびっくりした。まさか相方?の若大将より先に逝くなんて…。
■芦田淳 2018年10月20日没
上記の‘主婦の友’のかわいい子供服のデザイナー。
■佐々淳行 2018年10月10日没
(★)2018年2月5日 日本赤軍とのわが「七年戦争」 ザ・ハイジャック
(★)2018年4月7日 謎の独裁者 金正日・テポドン・諜報・テロ・拉致
この人の文章は本当に面白い。文春文庫に入っている作品で読んでいないのはあと数冊。日本からさっささんが消えてしまったということが信じられない。3年くらい前にラジオに出演していた声を聴いたのが最後だった。
以上、寡聞な俺の耳に届いた訃報をもとに抜き出してみた。きっとまだまだ俺が知らないだけで亡くなっている方は多いだろう(とくに音楽関係)。
最後にひとつ
■SAM LEACH 2016年12月21日没
(★)2017年9月18日 VARIOUS 『MERSEY SURVIVORS』
リバプールの伝説的プロモーター、マネージャー。これは亡くなっていたのを知らずに彼の名を出した。文中に‘先日’と書いたくらい、本当に会ったばかりだった。あるイベントに顔を出して腰を降ろしたら、SAMが隣の椅子に座ってきた。それなりのお年だったからシャキッとはしていなかったが、目も耳も口も達者で60年代初めのリバプールのことなら何でも知っている風だった。明るくフレンドリーでサービス精神に溢れたいいオヤジだったが、訛りはかなりのものだったね。
以上すべての方に感謝しつつ、冥福を祈ります。あなたたちのおかげで、今年もつつがなく暮れようとしています。ありがとう。(*-ω人)