帝国海軍下士官兵入門 | 健全なVINYL中毒者ここにあり

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これから海軍に入って兵、下士官として過ごそうというヤングへの手引書。なわけあるわけないやないか~い。ひと言で言えば、兵として入隊してから下士官、そしてあわよくば准士官、士官へと進級、任官してゆくにつれての制度、様式の変わりようを順を追って解説した本。様々な海軍本を読む上で押さえておきたい要点満載の重要な本。

 

何年か前の文芸春秋で阿川さんが‘近頃の日本人は軍の階級もロクに知らない。それでいいのか。’と怒ってらっしゃったが、簡単に言うと召集された一般人はいちばん下っ端の兵から始まり、何年もかかって下士官になり、勉強が出来て勤務評定が良好ならば准士官、士官への道も開けているという長き道。それに対してプロの軍人や大学出なら入って早々少尉任官の士官で、ハタチそこそこの若いのが40過ぎの叩き上げを部下に持つということもよくある話。

 

官職階表やら官職区別章、特技章、月俸一覧、軍艦の在籍鎮守府一覧などが表になって示されているのはありがたい。なかなか1冊にハンディにまとまっているものはない。海軍に入るという夢を現代に見るなら、ぜひ読んでおきたい書。高等商船学校機関科在学中に終戦を迎えて海軍入隊を果たせなかった著者が見た夢でもあろうか。

 

平成20年(原著は平成9年)

光人社NF文庫

雨倉孝之 著

 

購入価格 : \105