エンゲージメントの歴史的遷移 | つねにコーチであるために

つねにコーチであるために

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エンゲージメントは時代とともに進化してきたと推測されるため、未来を創造する上で参考になるかもしれないので、その遷移を大雑把に追ってみる。

学術的論文を書く訳ではないので、特徴的な時代的キーワードと働き方の変遷を重ねると、だいたいこんな感じだろう(ボクの感覚では(^^;;)。

 

◯産業革命

 

産業革命により、大規模な工場が生まれ、労働者は単純作業を繰り返すことが多く、エンゲージメントよりも生産効率が重視されていた。

 

労働条件の悪化や単調な仕事に対する不満が広がり、労働組合運動や労働条件の改善要求が高まって行く時代であった。

 

◯20世紀(初頭から中盤?)

 

職場の人間関係が生産性に与える影響が注目され始め、エンゲージメントの重要性が認識されるようになってきた。

 

マズローの欲求階層説やハーズバーグの動機付け・衛生理論などが登場し、エンゲージメントを高めるためには内的な満足感や成長の機会が重要であることが示され始めた。

 

◯バブル期以降

 

企業が競争力を高めるため、生産性に加えて独自の文化や価値観を重視するようになり、エンゲージメントが企業の成功要因として注目され始めてきた。

 

とはいうものの、企業力を測るものさし(価値観?)としては、なによりも資金力(特に、投資によって資金を産み出す力)に注目が集まっていた時代であり、無限に資金は供給されるものだと思われていた。

 

◯情報革命

 

IT技術の進化により組織のフラット化が進み、個人ベース・チームベースの働き方が広がる中で、メンバー同士のエンゲージメントが重要視されるようになった。

 

デジタルツールを活用した働き方が普及し、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)など仕事場も分散型が普及し、エンゲージメントの新しい形が模索されるようになってきた。

 

人事評価制度としても、目標管理が普及し、結果や成果で評価するより、立てた目標に対してどのぐらい達成したのか、チャレンジしているのかなどで人事評価されるようにもなった。

 

この潮流により、1つの組織で一生働くというより、能力に応じたスキルアップ・キャリアアップを目指して、複数の組織を次々に変えて行く働き方が一般的になってきた。

 

また、労働時間の短縮や副業など柔軟な働き方が広がり、エンゲージメントは職場だけでなく、個人の生活全体を考慮したものとして捉えられるようになってきた。

 

◯現在

 

現代では、個人の多様性を尊重し、すべての従業員が参加しやすい環境を作ることがエンゲージメント向上に重要とされている。

 

持続可能な社会が提唱され、サステナビリティが注目される中、企業の社会的責任(CSR)やESG(環境・社会・ガバナンス)活動がエンゲージメントに影響を与える要因として考慮されている。

 

これらの遷移を見て感じるのは、時代と共にライフスタイルが変化し、それに応じて価値観も変わってくるので、エンゲージメントも変化しているようだ。

 

反面、ライフスタイルや価値観が変わっても、普遍的に変わらないものも存在しているような気がするので、できれば、その普遍的に変わらないものを今後の展開の中で発見したい。