☆ハーレム日記リバイバル☆ 第164号 ガラスとプラスティクのリサイクルを一時やめたNY | NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

☆ハーレム日記リバイバル☆ 第164号 ガラスとプラスティクのリサイクルを一時やめたNY

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          第百六十四号07/13/2002        

 

             Harlem日記

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*****ガラスとプラスティクのリサイクルをやめたニューヨーク市*****

6月の終わりからニューヨーク市はガラスやプラスティックの分別収集をやめた。つまりペットボトルやガラスビンを分けて捨てていたのを突然以前のように生ゴミに混ぜて捨ててOKになったのだ。

鼻をかんだティッシュを捨てようとゴミ箱を開けるとペットボトルがのぞくから「アレッ?ゴミ箱間違ったかな」と一瞬とまどう。チキンの骨に紛れてアップルジュースのビンやパスタソースのガラス容器も生ゴミと化しているから不気味。

まだ分別しないってことに身体が馴染んでないのだ。

日本では、ガラスビンやペットボトルまで細かく分別してるってのに、ブルーンバーグ市長は何を血迷ったのか?というのはニューヨークでは違った種類のボトルをリサイクル工場で更に分別するのには5000万ドルが1年間に必要なのだとか。

だったら節約のために、いっそのことやめてしまえ!と分別収集を廃止した。
 

しかし、これで困るのは夜中にカンやビンを集めて生計をたてていたホームレスのおじさんたち。

どうしてるんだろう?と心配してたら、出会ったのは相変わらずスーパーのカートみたいなものをガラガラと押しながらゴミ箱をあさってるホームレスのおじさん。野良犬のように頭をゴミ箱に突っ込み、手にしていたのは古新聞だった。


今でもメタルの缶や紙類はリサイクルしてるからかな。

ブルーンバーグ市長は自分が下した判断が、街の片隅でなんとか生き延びている貧しい人々に影響してることを知ってるんだろうか?ソロモン・ブラザーズのトップディーラーとしてウォールストリートで活躍してきた彼だから、目先の金だけにとらわれてないかと不安がよぎる。

少しぐらい金がかかったとしても分別収集をやめてしまうんじゃなく、市民にもっと細かな分別収集を呼びかけることもできたはず。(なぁーんてニューヨークのズサンな市民には無理かな・・・)それでも少しは環境保護について考るべきじゃないのか。

ビジネスと政治は違う。市民は会社組織の中に組み込まれた労働者じゃないし、ニューヨークの街はオフィスビル内じゃない。彼は経済的にはニューヨークを救うかもしれない。だが、こうした環境を考えない行動というのは、きっとどこかに歪みが生じる。

次に起こってくる問題は、ゴミをどこに捨てるかだろう。ニューヨークに住んでる人は見たことあるかもしれないが、たまに大量のゴミを積んだ船みたいなのがイーストリバーを横断する。岸壁にいると悪臭で鼻が曲がりそうなほどだ。

きっと生ゴミが増えれば、そのゴミの船が行き交う回数がもっと増える。
もちろんゴミを積んだトラックやトレーラーも増える。

今までだってニューヨーク市から出たゴミは1日に1万1000トン。埋立地まで運ぶのに20トントレーラーで1日550台。トレーラーはおよそ14.5キロメートルに達するほどの長い列をなして交通を渋滞させ、排気ガスを放出してるという。

それらのゴミはどこに捨てられてるのかといえば、遠くニュー・ジャージー州
やペンシルヴェニア州、ヴァージニア州の複数の埋立地で処分されている。

ニューヨーク市の人口は約800万人、東京都の人口の約1,190万人までは満たないけど、都民全員が今になって分別収集をやめた状況を日本にいる皆さんは想像できるだろうか?

これだけ多くのニューヨーク市民のゴミが運搬され焼却され埋立地で処分される。ブルーンバーグ市長、ニューヨークのゴミが環境破壊や大気汚染を招いて、しっぺ返しに、もっともっと金がかかるかもしれないぞ!


<PETボトルリサイクル推進協議会のサイト>
ペットボトルのリサイクルによってどんなものができるのか、日本のリサイクル率が昨今では世界でも群を抜いてることがわかる。

<※2024年の最近はNYもリサイクルにうるさいのか、オフィスビルディングの中にも、いくつもゴミ箱があって、分別して捨てるように厳しくなった。>

 

 


作者より
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さてさて先週からはじまった妹ナディーンのポエムシリーズ
読者の方から翻訳をいただき感謝しております。
今回は、いただいた翻訳の中から2点を掲載いたします。

■先週のポエム

*****Clutter*****

Washed dishes and pots and glasses and cups
Even cleaned the fridge but it wasn't enough
Washed clothes; hand washed and line dried
'Cause I couldn't read the labels while I cried
I vacuumed and swept and moped and dusted
Rearranged my life from what I had grown accustomed
Cleaned toilets and bathtubs and faucets and windows
Cleaned linens and ironed and still I continue
I clean and I scrub as if it could all come undone
And I knew it would happen like a movie re-run
But I sat and I watched with my popcorn and butter
Loving you cost me time and left me with clutter


Nadeen

■ニュージーランドに留学しコンピューター専攻している
 「ももさん」の翻訳。

*****雑然的混乱*****

食器を洗ったの
お皿もコップもおなべもみんな
冷蔵庫だって洗ったわ
それでもまだ足りなくて

服を洗ったの
すべて手洗いをして干したの
だって
泣いてて服の洗濯表示なんて見えなかったから

ありったけの掃除をしたわ
慣れ親しんだ今までの生活をすべて変えるように

トイレもお風呂も洗面も窓も・・・
シーツもアイロンをかけて
それでもまだとまらない
まるで何も起こる前のようにするために

それでも知ってるの
再放映の映画のように
また同じことが起こるって

それを座って見るわ
ポップコーンをつまんで

あなたを愛することで
私はいっぱい時間をつかった
最後に残ったのは雑然的混乱・・・、

■NJ在住でオフィスワークしてるケイコさんの翻訳

*****混乱*****

お皿に、お鍋に、コップに、マグカップを洗った
ついでに冷蔵庫も掃除してみたけど、それでもなんだか物足りない
洗濯もしてみた;手でごしごし洗って、物干しロープに干して
目に涙があふれていてラベルの字が読めなかったから
掃除機をかけて、埃をふいて、モップをかけて、塵をはらって
慣れ親しんだ生活から人生を配置換えしてみた
トイレに、お風呂に、水道の蛇口に、窓も磨いた
リネン製品も洗ってアイロンをかけてみたけど、まだまだ止まらない
やってもやっても全然きれいにならないかのようにごしごし洗ってみるうちに
まるで何度も繰り返し流れてる映画みたいだってことに気付く
でもわたしは、それを腰を下ろして、バター・ポップコーンを抱えながら見ていた
あなたを愛するって、時間を費やして、混乱に陥ることなのね

■今週のポエム

*****A Dream Realized*****

Suffered wounds from stones unturned
Coddled habits now unlearned
Answered simple riddles with a swollen tongue
Birthed a fire then smothered one

‘Cause each night I couldn’t sleep
I had a thousand words to say
But my writer’s block got in the way

Had bills on my back and love on my mind
And slept 9 to 5 by the devil’s design
Missed sunrises and sunsets
Fucked away some nights with no regrets
Had a few chances to dance away my peace
As if it were a constructive release
Compromised myself for a man or two
Had friendships evaporate like dew

Cause each night I couldn’t sleep
I had ten thousand words to say
But writer’s block got in the way

Let conch tell me right from wrong
While searching for the wisdom song
Slowly marched forward and swiftly ran back
Cause fear told me to take a nap
Blamed my troubles on some colors and a cop
Then kept the door locked when opportunity finally knocked
Hibernated for an endless winter
Woke up today and removed the splinter

Cause each night I couldn’t sleep
I had so much to say
But I realized my dream today


By Nadeen Bailey


Written with the intent to copyright, March 17, 2001

AIが描いたリサイクル業者のイメージ