☆ハーレム日記リバイバル☆ 第125号 ジャーナリストの魂って? | NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

☆ハーレム日記リバイバル☆ 第125号 ジャーナリストの魂って?

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          第百ニ十五号10/13/2001
               Harlem日記
            
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とうとう空爆が始まり数日が経過。金曜日はNBC本社で炭疽(たんそ)菌に感染した女性が出たので、ロックフェラーセンター付近は騒然としていたらしい。

ミッドタウンから離れるべく寄り道せずに真っ直ぐ帰宅。

こんな不安な生活はたくさんだ〜!

今回のハーレム日記は、空爆が始まる前に書いたものです。

 

*****ジャーナリストの魂って?*****

前回のつづき、テレビ関係の仕事で独立した前ルームメートのJちゃんと、その友人でロイターのカメラマンと共にお姉ちゃんがいる店に行った。

な、なんとお姉ちゃんがいる店というのは、居酒屋メリーのすぐそばだった。店内は水色の照明がほんのりとエッチな雰囲気というか、熱帯魚を入れてる水槽に入った気分。

白っぽいレザーのソファーに腰掛けると、お兄さんがひざまずき、

「お飲み物は?」と聞いた。おぉーシンデレラになった気分じゃ〜。兄さんが、ひざまずくという様は、いつでも気分をハイにさせるなぁ。

そういえば、愛犬ポチにエサをあげるときだって兄さんはひざまずくわけで、私の場合はポチと同じムジナかもしれん。などと頭をひねっていると、
 

Jちゃんたちが早速酒をオーダーしていた。

「ボトルを一本入れようか。じゃ〜デュワーズで」と一本オーダー。
「しばらくお待ちください」と兄さんが引っ込む。と、交代でお姉ちゃんたちがやって来た。

Jちゃんとカメラマンの横に座る。なんだか五反田にある安いクラブみたい。
「xxですよろしくお願いします」揃って月並みな挨拶。
「えぇ〜私用のお姉ちゃんはいないの?」と怒り狂う私。

「そりゃー女性だからって入場料30ドルは取らなかったけどさ。あんまりじゃん性差別じゃん。姉ちゃんよこせ〜」
 

「このお姉さん怒らせたらマジで怖いよ」Jちゃんが合いの手を入れる。

 

が、姉ちゃん二人に笑ってごまかされた。

周りにはハゲチョビンなリーマンオヤジがスケベ面でお姉ちゃんとウヘウヘ顔で会話中。こっちにもオヤジのあつ〜い脂汗が飛び散ってきそうな勢いだ。この不景気の最中に、オヤジたちで満席の店内。信じられん! 

 

しかも姉ちゃんたちも凄い数で、うごめいてる。

「お客様は、どういったご関係のお仕事ですか?」お姉ちゃん一号が問う。
 

「自衛隊に勤めてます」カメラマンが答える。Jちゃんに目くばせ、


「あぁ〜こんなことになったんで日本から研修に派遣されてるんですよ。今日も匍匐前進の訓練やなんか終えて来たんですよ・・・」

「どちらの基地から?」
「アツギって知ってる?」とカメラマンは言いながら、
「Jやっぱり無理があるなぁ〜続けられないよぉー」
 

「最初から、無理だって思ったぜ。強引すぎるもの。どこからどう見ても自衛官には見えないでしょう俺たち。」とJちゃん。

私は、お姉ちゃん一号に、
「どうしてニューヨークにいるの?」と唐突に質問。
「学生です」
「学生ってったって、色々な学校があるじゃん」
「XX大学に行ってます。こっちで就職したいんです」

「ふ〜ん。でも、こっちに居たって日系企業で普通のOLみたいなことやるんだったら、日本の企業で働くのと何も変わんないよ。周りは駐在員ばっかだし、給料は現地採用って安いしさ。

 

日本のOLよりヒドイ環境だよ。ビザの関係とかで雇ってくれるところは日系企業しかないしね。

 

そういう私も日系企業で働いてるけどさ。まぁ〜働いてるだけラッキーだけどね。」

(※2024年現在は、日系企業で働かせていただいてることにいつも感謝している。当時は生意気だったんだなぁ〜。

 

日系企業でNYへ来ている人たちは優秀な人たちばかりなので、実力はもちろん、人付き合いにも優秀な人ばかり。むしろ、働きやすい環境なのだ。現地採用の私のほうが、彼らにとっては不思議ちゃんなのだろうけど。。。

もしNYでも、ローカルな企業へ入ったりしたら、アメリカ人のほうがもっと日本人より要求が多いため、ITの対応をする自分のほうが苦労するのだってことが、もっとたくさんアメリカ人が働いている企業さんで働いてみてわかった。)

「それでも、こっちで働きたいんです」


「日本ではやらないような水商売をしてまで(※表現力がとぼしいのですが、水商売を見下げているわけではありません。肉体的にも精神的にも大変なお仕事なので。)ニューヨークに居たいと思うのは何故? 

 

なんか特別なこととかやってるの?」


「学校と勉強と店で、毎日が終ります」

なんだか説教オヤジになってしまった。学校に行きながら水商売をするということがニューヨークでは、まかり通っている。なのでホステスとしては中途半端な女性ばかりが働いてることに落胆する。

ホステスならホステスでプロとして誇りをもってやってる女性がいる店というものがニューヨークには少ない。
 

(私の大好きな福岡出身ドラッグクィーンのママさんの居場所を御存知な方は 
aluchu@gmail.comへメールください。エグいジョークが最高な彼女)

お姉ちゃん二号はJちゃんと楽しく会話中だった。
 

お姉ちゃん一号との会話も尽きたので、カメラマンと社会情勢の話になった。

「やっぱ〜戦争になるとカメラマンとかって現場に行かなきゃなんないから、これが大変だね」

「大変っていうより、逸早く行って撮影したいよ。今回はJなんてワールドトレードセンターの事件の時にフロリダに居たから、イライラしてたらしい。なぁーJ。」とJちゃんにふる。

「あぁ。もうさぁーフロリダから帰る日だったんだけど、事件が起こったせいで飛行機がストップして、他のクルーが行ってるって聞いて、俺も行きたくて悔しかったよ」

「でも、戦争になったら戦地に行かなくちゃなんなくなったりしても平気なの?」
 

「戦地に行きたいに決まってるジャン!」二人声を揃えて言う。どちらからともなく、
 

「それがこういう仕事をしてる僕等の本望でしょう」という言葉。

「なるほどねぇ〜しかし、命がけだよ?」と私。


「僕等の仕事ってのは、事実を見て、事実を伝えることにあるんだ。だから自分の目で見て確かな情報を入手するため、逸早く情報を入手するためには現地に行くしかないんだ」Jちゃんが続けた。

そういえば、Jちゃんがメディアの仕事についたのは、
「自分の蓄積してきた知識を吐き出すため」という話を過去にしたことがある。

彼は、音楽にしろ映画にしろファッションにしろ政治に経済に、元々博識だった。

更にメディアにいる人たちというのは、取材で最先端のことを調査することもあれば、歴史を探訪することもあり、大学教授や医療専門家やIT関連エンジニアそして芸能人を取材することによって最先端の知識を集積させていくのであった。

「もちろん取材にむけて自分でも勉強するよ」と、Jちゃんは言っていた。

そういう私もライターをやってると、次第に色々なことを学んでいっている。

 

というのも間違った情報を伝えないために下調べをするからだ。『ハーレム日記』でさえ、数時間のリサーチが必要な時もあると書いたことがある。

「ところでヒロエさんは、何のライターをやってるの?」とカメラマン。


「お笑いも書くし、ニュースも書くよ。でもニュースっていっても、そんな戦場にまで行こうとは思えない。流れ弾に当たって死にたくないもん。」

「戦争ってったって、取材陣がいるところは、皆が思ってるほどヤバくないよ。


行ってみたら、『なんだこんなもんか』って思うぜ」Jちゃんが軽く交わす。

「どっちにしても、私のやってる事って、なんだか自分でもよくわかってないというのが正直な話。ただ、大手新聞社のニュースなんかでは扱われないような話題を自分なりに取材して書いてることが多いね。今回のワールドトレードセンターの事件でも庶民の目から見た部分を書いたりしてて。」

「テーマとかは持ってないの?」カメラマンが問う。

「ジャーナリストには、なれないんだよね私。追ってみたいこととかないしさ。ブラックの立場にたってブラックの人種差別とか追ってる人なんて羨ましいと思う。私は、そういうことできそうに無いもの。

 

問題意識としては持ってるけど、日本人だという国民意識が強いから、考えてしまうんだよね。

自分たちは何を先に問題にしなくちゃならないのかって。もっと身近な問題を解決しなくちゃーって思ってしまう。朝鮮や中国に対して申し訳ないことをした日本人っていう本を高校生ぐらいの時に読みまくったからさ。書くなら、そこからだと思う。

 

(※2024年現在は、真逆な考えかもです。。。日本に対する圧がスゴすぎるからなのかなぁ〜。)

でも母が、『そういうテーマを書くのやめてね。世間には色々な人がいて色々
な考えがあるわけだし、突かれるから』って言うし、母の言うことはいつも正しいから書かないって決めたの。

 

本当はジャーナリストに尊敬してる人が、たくさんいるし憧れてんだけどさ。」

そして、この後店を出た。
 

やっぱり、この店は話題も提供できない素人なホステスでバツ!という結論。Jちゃん宅にて飲みなおすことになった。

ここから先は、本当に読者から突かれそうな話題なので書きません。

※2024年の今も、日系のクラブで日本人のお姉ちゃんが働いている場所があります。銀座の高級クラブみたいな場所もあれば、ちょっぴりHな場所もまだ残っているようです。

今の時代は、学費が異常なまでに高すぎるので、NYへ留学中の日本人女性がたくさん働いています。




以下は読者のFumiさんが「ハーレム日記」の掲示板に書き込んでくださったものです。とても考えさせられる、中学教師が書いたという手紙の内容です。

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テロにはじまり、アメリカの報復。
これは、ある中学校の担任の先生が、
毎日自分が今まで教えた生徒に、
学級通信と言う形でメールを流したものです。
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もし、現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで、
全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう。
その村には・・・

57人のアジア人
21人のヨーロッパ人
14人の南北アメリカ人
8人のアフリカ人がいます

52人が女性です
48人が男性です 

70人が有色人種で
30人が白人

70人がキリスト教以外の人で
30人がキリスト教

89人が異性愛者で
11人が同性愛者

6人が全世界の富の59%を所有し、
その6人ともがアメリカ国籍

80人は標準以下の居住環境に住み
70人は文字が読めません
50人は栄養失調に苦しみ
1人が瀕死の状態にあり
1人はいま、生まれようとしています
1人は(そうたった1人)は大学の教育を受け
そしてたった1人だけがコンピューターを所有しています

もしこのように、
縮小された全体図から私達の世界を見るなら、
相手をあるがままに受け入れること、
自分と違う人を理解すること、そして、
そういう事実を知るための教育がいかに必要かは
火をみるよりあきらかです。

また、次のような視点からもじっくり考えてみましょう。

もし、あなたが今朝、目が覚めた時、
病気でなく健康だなと感じることができたなら・・・
あなたは今生き残ることのできないであろう
100万人の人たちより恵まれています。

もしあなたが戦いの危険や、
投獄される孤独や苦悩、
あるいは飢えの悲痛を
一度も体験したことがないのなら・・・
あなたは世界の5億人の人たちより恵まれています。

もしあなたがしつこく苦しめられることや、
逮捕、拷問または死の恐怖を感じることなしに
教会のミサに行くことができるなら・・・
あなたは世界の30億人のひとたちより恵まれています。

もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、
頭の上に屋根があり、寝る場所があるのなら・・・
あなたは世界の75%の人たちより裕福で恵まれています。

もし銀行に預金があり、お財布にお金があり、
家のどこかに小銭が入った入れ物があるなら・・・
あなたはこの世界の中で
もっとも裕福な上位8%のうちのひとりです。

もしあなたの両親がともに健在で、
そして二人がまだ一緒なら・・・
それはとても稀なことです。

もしこのメッセージを読むことができるなら、
あなたはこの瞬間2倍の祝福をうけるでしょう。
なぜならあなたの事を思ってこれを伝えている誰かがいて,
その上あなたはまったく文字の読めない
世界中の20億の人々よりずっと恵まれているからです。

昔の人がこう言いました。 
我が身から出るものはいずれ我が身に戻り来る、と。

お金に執着することなく喜んで働きましょう。
かつて一度も傷ついたことがないかのごとく
人を愛しましょう。
誰も見ていないかのごとく自由に踊りましょう。
誰も聞いていないかのごとくのびやかに歌いましょう。
あたかもここが地上の天国であるかのように
生きていきましょう。