☆ハーレム日記リバイバル☆ 第115-2号 スワンプ・ツアー<SWAMP(沼地)TOUR> | NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

☆ハーレム日記リバイバル☆ 第115-2号 スワンプ・ツアー<SWAMP(沼地)TOUR>

■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■
 

           第百十五号 08/25/2001
                                            Harlem日記
            
■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■

*****スワンプ・ツアー<SWAMP(沼地)TOUR>*****

ワニッ、ワニッ、ワニの皮〜は財布にベルト。ニューオリンズに到着して数時間後、

「昼飯食ってからワニ見に行こう!」と、半ば強引にAちゃんとMちゃんをスワンプ・ツアーに誘った。フレンチ・クォーターのストリートで太ったやり手ババアっぽいオバちゃんとオヤジそして兄ちゃん3人がツアー広告しているカウンターでチラシをもらう。

「ここで申し込めば5ドルはディスカウントするわよ」というオバちゃんは、パタパタと右手に持ったウチワで巨体をあおぎながら、ニヤリと笑った。

「このツアーならトイレもついてるし、女性にも快適よ」
「じゃーこれにしよっかな」と安易に決めかけていると、
「でもエアー・ボートの方が奥地まで行くし、いいわよ」別のチラシをピラリと見せた。

「料金は?」
「モーターなら38ドル、エアーなら50ドル」ムムッさすが、やりてババア!高いほうを勧めようったって、私の懐は真夏のニューオリンズにいても南極なんだ。

「こっちの安いほうで、お願い。今から1時間後の2時出発のスワンプツアーに参加したいんだけど、乗れるかな?」と、聞くと兄さんが携帯で早速電話。

「名前は?」と聞くので、
「ヒロエー」と言っているとスペルを伝えるのが面倒だったらしく、
「スミスってことにしておこう」とMs.スミスで予約。

「ここで10ドル払ってもらって、現地にて20ドル払う。このディスカウントチ
ケットを持っていけば2ドルまけてもらえるからね」ってなわけで31ドルのス
ワンプ・ツアー。

ホテル前からバスは走り出した。早起き疲れとジェットラグ(ニューヨークと1時間時差がある)で、どんなにバスが揺れようとも私たち3人はバク睡。ミシシッピー河の上を渡る時に、ちょっぴり目がさめて大きな河を見た。

Bayou Baratariaへ到着。(Bayouとは沼のような入り江ということ)。

本物のアメリカの田舎って雰囲気で映画に出てきそうな、のどかな風景。緑の木々が黄色い砂埃で汚れた道路を覆っている。数件だけ、白い家がポツポツと見える。

やっぱりアメリカも日本の田舎同様、時間がゆっくり経過してる気がする。犬もヨタヨタとスローモーションで歩いているぜ。

はて、それにしても? 小さな土産物を売っている小屋にはワニの頭がぶら下げてある。

「えっ! もしかして、これって本物? まさかねぇー」と、私が触っていると

「本物だよ〜絶対!」とAちゃん。
「これって本物のワニなの?」と、店の者に聞くと
「本物よ」と、あっさり答えられてしまった。

それにしても・・・捕鯨問題でワラワラ日本に文句言ってきた国が、ワニの頭こんなにぶら下げてていいの?

スワンプは緑というか茶色というかに濁った水。あまり気持ちよい色ではないが、パラパラとエンジンをかけて船が出ると、生ぬるい空気も動いて爽やかな気分。

なんだか雰囲気はすっかりディスカバリーチャンネル(アメリカのサイエンス系TV)のアニマル・プラネットを見ているよう。

大きな木にスパニッシュ・モスと呼ばれる植物が垂れ下がっているのも、とても日本では見ることのできない光景。「うぁーさすがアメリカだぁー」と感激。

そして、2000年前の原住民の古墳、白い墓石を見るためにスローダウン。

船は向きを変えてワニのいる場所へ向かう。Mちゃんによると
「冬に来た時には、ワニが出てこなかったの」と嘆いていた。しばらく奥地まで船を走らせる。

「ワニの姿を見たら皆さん知らせてください。船を近づけます」とガイドが言う。

しばらくすると、小さなワニを見つけたガイドが「Here!Here ! Here ! Here !」と何度も叫ぶ。指し示す先に、小ちゃーなワニのゴム人形程度のヤツがチャプチャプ泳いできた。

「Here!Here ! Here ! Here !」再びガイドが叫ぶ。オヤジーそんなに何度も叫ばなくても、みんな知ってるよ。と、思っていたら、これはワニを呼ぶ掛け声なのだという。なんとワニはガイドの声を覚えているそうだ。

ガイドがマシュマロを投げるとチビワニが船の近くまできてパクリと口を開けて飲み込んだ。

「ここにはアリゲーターしかいない。アリゲーターは小柄でスキッ歯だ。クロコダイルはもっと大きくて歯がびっしり生えている。」とガイドが説明。船中ではワニの頭の剥製が、客の手から手へ回された。

チビワニを後に、月桂樹があったので船が近づく、野生のローリエを皆、ちぎって取っていった。私も、どうせ料理しないくせに、ちゃっかりいただいた。

そうこうしてるとチビワニより、かなり大きいワニが登場。ガイドはHereを叫んだ後、生のチキンレッグを与えた。ザザザーッと泳いで近づいてくると水面から身体の4分の3ほどジャンプしてパクリとチキンを丸呑みする。まるで水族館のイルカちゃん状態じゃないか。

野生のワニをここまでどうやって餌づけしたのかガイドに聞くと、
「10歳の頃からワニにエサをやってるんだ。もう40年になるよ。俺の息子も今10歳だけど、エサをあげてる」とは言っても、ワニの歯は鋭いし指なんて簡単に食いちぎられそう。ガイドの指を確認すると10本すべて揃っている。

「たまにアクシデントで歯が当たって怪我をしたりするけどね。ほら、ここに傷があるだろう」と、ガイドは、いくつか手に残る小さな歯形を見せてくれた。

私もエサをあげてみたい。と試みたが、

当然ながら、「素人さんには危険すぎる」ということだった。

大きなワニの近くに、もう一匹が向こう側からチャプチャプ凄い速さで泳いできた。エサが欲しくてたまらない様子なワニ。チキンにジャンプしてかぶりついた後、マシュマロも数個もらっていた。

歯を磨かないと、虫歯になるぞ!

野生のワニ見物を満喫した後、船は再び走り出すと、
小さな生きているワニをガイドが取り出した。

「こいつは、エルビスっていうんだ。首のここを片手でもって、もう一方の手で尻尾の付け根のここを支える」と持ち方を教わって、皆がワニを手にしてみる。

ベイビーワニはピクリとも動かない。触ると小さなハツカネズミのようにフワッとやわらかい。匂いはまったくなし。いやぁー本当に可愛い!飼ってみたくなる気持ちがわかる。

スワンプ・ツアーは間もなく終わった。再びバスでホテルまで戻る。帰りは運転の荒いドライバーでスタントマンのカーアクションのごとくバスがジャンプした。

それでも、眠っていた私たち・・・。

このツアーは大自然にふれることのできる楽しいツアーだった。再び来るチャンスがあったら魚釣りのツアーに是非参加したい。

 



ルイジアナ・スワンプツアーのオフィシャルサイト