☆ハーレム日記リバイバル☆ 第114-1号 ハーレムにあるコメディークラブ | NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

☆ハーレム日記リバイバル☆ 第114-1号 ハーレムにあるコメディークラブ

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                                    第百十四号 08/18/2001
             Harlem日記
          
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*****ハーレムにあるコメディークラブ*****

ハーレム125丁目のウエストエンドにあるアップタウン・コメディークラブ、司会の兄ちゃんは「ブラックだけのコメディークラブは世界を探しても、ここハーレムだけだ」と、言った。

そんなはずがない。と、思いながらも、周りを見渡すと私たち以外の客は全てブラックだった。そういう意味だったの?

この日は40度を超える猛暑、しかも冷房がきいていない。ばっきゃろ〜暑いぜ〜クラブに来てなんで暑さに耐えなきゃならんのだ。ここは我慢大会の会場か?と、再度周りを見渡すと皆、涼しい顔。ブラックの人たちは平気なのか?

それは勘違いで、エアコンが壊れていたらしい。客は年齢層も高く、大人なので静かに暑さに耐えていたのだった。それに絡めて司会の兄ちゃんがギャグを飛ばす。


「エアコンが壊れてて、修理屋に何度も連絡とって、ようやく来てくれたと思ったら、奴の携帯が鳴ったんだ。『OK、20分で行くよ!』おい! 今、うちに修理に来たばっかりなのに20分で行けるものか。って思ってたら、結局、うちは放ったらかし」

シャレにならんとはこのこと。金返せ〜。ってフリーチケットで入ってるから文句も言えない。

最初は、会場の客の一発ギャグから。皆、学生のように手をあげてステージに上がる。素人とは思えないほど、それぞれがエンターテイナー。ペラペラ喋るわぁーステージを我がもの顔に歩き回るわぁー。表情もジェスチャーも大きく動く。

その割にギャグはつまんなかった。ただ一人、女の子が「太った女性によるゴスペル」ってのを演じたのが楽しかった。「ハレルヤー! 朝、冷蔵庫を開けるとハム。

 

神様ありがとう! 卵よ、神様ありがとう! ブレックファーストに、神様ありがとう!」とにかく食べ物のすべて、神に感謝してるのだった。

歌もうまかったし、思ったとおり彼女が優勝。

いよいよコメディアン登場。一人目は、人の見ていないところで嫌いな子供をボカスカ殴って知らん顔したり、バス停でバスの番号を聞かれて、確認して、これでOKだと答えてるのに、「本当にこれでいいの?!」と言い張るババアをボカスカ殴ったりというギャグ。


まぁーまぁーだった。

次の女の子のコメディアンは、イギリスのブラック。つまんなかった。
 

さてさて再び司会者が戻ってきた、
 

「ブルックリン・イン・ザ・ハウス」とかって彼が客席に言葉をかけると、ブルックリン出身の奴らが「オォー」と歓声をあげる。
 

「アウト・オブ・タウン・イン・ザ・ハウス」って私たちに向かって言ったので、私が「イェーイ!」と言ってると、

「あんたに聞いてるんじゃないの。あんたはプエルトリカンでしょ。ここの東洋人に聞いてんのっ」と言われた。どうやら、ジモティーなプエルトリカンの私が、ハーレムを東洋人に案内してると勘違いされたようだ。日焼けのせいかな? 

 

太ってるから日本人に見えないのかな? 

次の小柄で目の色がヘーゼルっぽいコメディアンは、Hot97<地元ブラック系ラジオ>にも出演してるらしい地元で人気のジェラルド。文章では面白さが伝わらないけど、本当に面白かった。

ジェラルドは、ステージを歩き回りながら喋りまくる。


「教会に来る奴はろくでなしばかりなんだ」と言った後、教会でゴスペル歌ってる人々を真似て歌う。
 

「『私は盗みをやった。アル中だった。ドラッグアディクトだった。ジェイルにいた。おお神よ〜お許しください!』ってね。もし、真面目な奴ばかりいてみな、し〜んとするから」


これでウクレレがあれば、牧 伸二だ(ちょっと古かった?)。会場に、大きな笑い声がこだまする。私も手をたたいて大笑いしていた。

男2人、女2人の日本人ばかり4人で行ったので、絶対ネタにされると踏んでいたが、案の定。お辞儀をしながら、私たちの方へ話しかけてきた。
 

「チャイニーズなの、日本人なの?」と、聞くから
「日本人」だと答える。

突然ギャォーとゴジラの真似。この声帯模写が江戸屋猫八・子猫の親子のようにうまい。


挙句にキング・コングとの対戦を演じる、ゴジラが放射能火炎を吹いてゴジラの胸毛が燃えるっていう芸。なんだ、こんなんで笑いがとれるなんて、やっぱり猫八の方がレベル高いかも。

次に出てきた若手コメディアンはラッパーみたいな兄ちゃん。シモネタばかりでつまんなかった。プッシーを逆さまから言ってみたり。引っこめ〜!

時間も12時を過ぎたので、暑さにうだりながら外へ出た。


みんなと別れて125STでバスを待っていると、ブラックの若い男の子2人が私の後ろに立って、お喋りを始めた。

「一発ギャグで優勝した女さぁー、あのネタってラジオで聞いたことあるよ。パクリじゃん。ずるいよなー」
「あぁーそうなのか」と、一人が相槌をうつ。
 

「そういえばよ〜、今日、チャイニーズ来てたろう?」
「あぁー」(チャイニーズじゃなくてジャパニーズだってば)
「あいつらにジョークわかるわけないよな。笑ってなかったもん」(確かに笑ってない友人もいた)

ちょっと待ったー。チャイニーズがいたって話題をしてるってことは、またしても彼らは、私のことを東洋人だと思っていないわけだ。

 

なんだか、彼らの会話が聞こえてくると、東洋人の批判を聞かされて、胸くそ悪くなるので次のバス停まで歩いた。

日本から観光で来てもブラックの英語は聞き慣れていないと、まず聞き取れない。

 

しかも教会の様子や彼らの日常を知らないとギャグについていけないので、お勧めできないスポット。

<閉業>THE UPTOWN COMEDY CLUB
2290 12AVE-NYC OFF WEST 125ST
Phone : 646-245-4802