☆ハーレム日記リバイバル☆ 第77-2号 ニューヨーカーを気取る日本人 | NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

☆ハーレム日記リバイバル☆ 第77-2号 ニューヨーカーを気取る日本人

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          第七十七号 12/08/2000
              Harlem日記
     
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〜☆〜☆〜☆〜辛口コラムシリーズ 第一弾〜☆〜☆〜☆〜

*****ニューヨーカーを気取る日本人*****

日本人はアメリカにいると、殊にニューヨーク在住者はクールなニューヨーカーを気取ってしまうのが常だ。

さらに日本人だとわかると、なぜだか互いに敬遠しがちである。

某、日系ビデオショップに勤める姉ちゃんは「えーこの子知ってるー最近売れてるのよねー。」などと仲良く同僚と、おしゃべりしながら日本の歌手が出ているビデオを見ていた。

そして私がレンタルしようとビデオをカウンターに持っていった瞬間、般若の面を被ったように表情を変え、

「返却はいつになさいますか?」まるで、オーボンパン(ニューヨークあちこちにあるファーストフードの店)の無愛想な店員状態だった。

「明日で、お願いします。」と私は丁重に答える。

「サービス・カードは、お持ちですか?」姉ちゃんはクールに続ける。

「持ってないです。」

「このスタンプが貯まったら、そちらの壁に貼ってあるポスターに掲載されている商品が貰えます。」マシーンに録音された声のように色気なく淡々と言い放った。

「そんなもん要らんワイ!」とカードを突き返したくなりそうな衝動にかられながら、

「ありがとう。」と静かに受け取った。

「日本人なんだから笑顔でサービスできんのかー!」と喝を一発食らわしたいくらいだが、ニューヨーカーを気取る心の狭い日本人になってしまったことを改めて考えてみることにした。

彼女だけでなく、ニューヨーク在住の日本人が日本人に対してフレンドリーになれないのだから。

きっと「自分は普通の日本人ではないからニューヨークなんかに居て、ニューヨークに居るから、そこいらの日本人とは違ってる。」というナルシスト的な部分を秘めているのだろう。

「あの人たち、日本人かな?日本人ばっかりだね。日本人いないんだよ。」という言葉は、ついつい使いがちだ。

明らかに自分以外の日本人の存在を煙たく思ったり意識しすぎたりしてしまうのであった。

スパニッシュやブラックの人は逆に同じ人種が居ると安心するようで、同じ国の出身だとわかると、すぐに各々の国の言葉を使って話を始める。

中国人も同様だから、日本人である私たちに中国語で質問してくることなどは日常茶飯事である。

では、どうして日本人同士は敬遠するのか?それは、きっと日本で、良い意味でも悪い意味でも、はみ出し者だった人がニューヨークに生活の場を求めて、やって来ているからにすぎない。

もしくは、海外駐在ということで、お高くとまっている人々の絶対数が、多いせいだろう。

もっと仲良くしようぜ〜ニューヨーク在住の日本の皆さん!
 

※今回の辛口コラムは、まだ私が若かりし頃に書いたものなので、今はそんな風には思ってません。今は、自分が高齢者に近づいてるからか、ついつい若い日本人の子に声をかけてしまいます。