☆ハーレム日記リバイバル☆ 第77-1号 義理弟のオススメクラブだったCafe Remy | NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

☆ハーレム日記リバイバル☆ 第77-1号 義理弟のオススメクラブだったCafe Remy

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          第七十七号 12/08/2000
              Harlem日記
     
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*****義理弟のオススメクラブだったCAFE REMY*****

レイ(夫)の弟、デービッドに「どこのクラブで遊んでるの?」と聞くと、

「ウォールストリートにCAF REMYってあるんだけどさ、人気のクラブなんだ。音楽は普通のブラックからレゲエって感じかな。そこに月に一度は行くよ。

ナイスなシャツとパンツで決めて、ブランデーを飲みながら葉巻をくわえて朝まで踊るんだ。」

「へぇー。ってことは、ビジネスマンとか多いの?」「そうだねー大人のクラブって感じかな。」ってなわけで行ってきましたCAFE REMY。

友人Aちゃんも一緒。

AちゃんによるとCAFE REMYのホームページはヒット数も多いとのこと。これは楽しいノリノリクラブだって期待できる!

夜の11時半ミッドタウンにあるホテルのバーで待ち合わせていると、白人男性が声をかけてきた。

よっしゃー今日はいけてるぜ!と気合も十分。しかしID(身分証明書)を不覚にも忘れてしまっていた私。

 

「Aちゃん、ごめーん。私とした事が・・・IDを忘れるなんて、クラブ初心者じゃあるまいし。」

「もーヒロちゃん。なんとかしてよー。」と、

Aちゃんに咎められる。「まぁークラブの前までタクシーで行って、もし入れてもらえなかったら別のクラブに行こうよ。」

というAちゃんの提案によりタクシーに乗る。

ウォールストリートは週末の夜ともなると閑散としている。「まったく変な場所にあるのに、よく流行ってるよね〜。」とAちゃん。

寒空で、革のコートを来た男女が列をなすクラブ前。久々にヒザが隠れるくらいのロングブーツなんかにミニスカートだった私に、

「ひゃー。こんなに寒いのにヒロちゃんナマ足じゃない。」と、気合の入れように驚くAちゃん。

入り口のラテン系の、ごっついバウンサー(用心棒)に「手袋落としたぞ!。」

とタクシーを降りる時に注意される。気付かない私。「手袋落としてるってー。」

と再びバウンサー。私は手袋を拾うとバウンサーのそばに近づく。

「ちょっと話があるんだけど、いいかなー。」と問う。

「そっちで待ってろ。」忙しそうにバウンサーは入り口を出たり入ったり、客のIDをチェックしたりしている。

「すぐ終わるからさー。」と私。

「だから、そっちで待ってろって。」とバウンサーは数秒で出てきた。

「何?」「ID忘れたんだけど、入れてもらえるかなー?」

「問題ないよ。そこに並べ。」と列の後ろを指差した。

タクシーで待つAちゃんに「AちゃんOKだって。」

とAちゃんも寒空の下、しばらく並ぶ。10分ほど待つと、ようやく中に入れた。

アドミッション(入場料)は15ドル。たいしたデコレーションもなく、アメリカンバーのような薄暗い照明の中、男女がヒップホップの音楽に合わせてクネクネ踊っている。

コートチェックも同じフロアの片隅にあるから、出入りする人でグチャグチャな状態だ。

しかもコートチェックには長蛇の列ができている。「きゃーっ!また並ぶの?」並んでる間にフロアを観察しているとラテン系の兄さんにラテン系&ブラックの姉さんがフロアのほとんどを占めている。

アジア系の男性が3,4人。アジア系女性はAちゃんと私のみ。

それにしてもブラックの兄さんは少ないぞ。ちなみに白人はいない。そしてコートチェックの列は進まなかった。

「帰りにも、こんなに並ぶのってシャレにならないから、私はジャケット持って入るよ。別々に帰ることになっても構わないよね?」とAちゃんに告げる。

待つこと40分。ようやくAちゃんはコートチェックを済ませた。

「きっと2階には素敵なダンスフロアが控えているのよ。スーツで決めた大人がさぁーレゲエとかオールドスクールとかで、しっとりと踊ってるに決まってる!一階はバーと会話の場所だからDJもいけてないのね。

ラテン系多いけど、まさか私たちの苦手なラテン音楽じゃないわよね。」と期待に胸をふくらませるAちゃんと私。

ところが、ブラックのバウンサーが階段の踊り場に立っていて「コートチェックしてないと入れないんだぜ。」と私の茶色い革のブルゾンを指摘した。

「えーっ?!そんなー。」肩を落とす私。でも、今更40分かけて列に並んでコートチェックなんて、やってられない。

「じゃぁAちゃん。私ここに居るからさー、上の様子見てきてよ。」

「OK」と勇み足のAちゃん。私が、瞬きするかしないかの間にAちゃんは降りてきた。

「ラテンよぉ。サルサーよぉ!サルサなんだからぁ〜。もう笑っちゃった。」と男女が絡み合いながら踊る、その様に落胆の限度を超えて笑うしかなかったAちゃん。

「待ってて、私も確認してくる。」とジャケットをAちゃんに手渡すと二階へ上がる。

サルサ〜サルゥ〜サ〜タンタッラ・ランラン〜タンタッラ・ランラ〜ン。ラテン系の男女が回る、絡む、離れる、右にステップ、左にステップ、前に後ろにワンツーワンツー、再び抱き合う、ラテンやねー。サルサやねー。

しばらく彼らの踊る様を観ていたが、頬の筋肉が笑いで引きつっていくのを感じた。笑うしかなかった。

「どこで踊れっちゅーねん?ワシ等15ドルも払って、1階はシケタDJ、2階は熱いラテンかい?」足早に、1階に駆け下りるとAちゃんに首を左右に振って見せた。

「しょうがない。飲むか。」私は、つぶやく。

「マルガリータ頂戴!」ラテンのバーテンダー兄さんにオーダーする。

「あっまーい。このマルガリータ。」頭痛がしそうなほど甘いマルガリータ。

「私、ちょっと一周してくる。」とAちゃんが希望を捨てず、フロアを回る。

そして私はマルガリータをグビリッと音を立てながら飲み干す。

「ヒロちゃん。ここ最悪。ラテンの兄ちゃんとかさぁーセンスの悪いシャツ着て立ってるの。それに引き換え、お姉ちゃんの可愛いこと。ブラックもラテン系も可愛い子が揃ってる。だからデービッドは、お気に入りなのよ。」

「そっかー。デービッドに文句言ってやる。」私はハズした怒りをデービッドに向けるしかなかった。

「ヒロちゃん、しょうがないから別のクラブに行かない?」というわけで、別のクラブに行くことにした。

が、食べることの好きなAちゃんは途中で寄り道してしまい、メグライアン主演の「恋人たちの予感」が撮影されたレストラン

(そう、彼女がYes!Yes!と叫んでいた場所)として有名なKATZ‘Sデリにて私たちの夜遊びはピリオドとなる。

KATZ‘Sデリの模様は、また来週。

本日ハーレム日記に登場した
CAFE REMYだが、今はブルックリンでやってる感じ?