ムギ巡査がお疲れモードで夜はぐっすり寝ている
我が家にいる柴犬のムギは、お昼はいつも娘たちが学校へいってる間、アヤの部屋のベッドに横たわり、ぐうたら寝ていた。
お昼くらいになってバックヤードへ放してやろうと起こしにいっても、スースーと寝息をたてていて、スナックを見せつけるまで、なかなか起きない。
ところが、つい先週末ごろ、お隣に猫がやってきたらしい。そして、その日からムギが活発になったのだ。
きっとお隣から、猫のニオイがするのだろう、隣との間にある白い壁の下の隙間を、何度も何度ものぞいている。見たくてしょうがなくて、穴までほる始末。
まるで思春期の高校生が女風呂や女子更衣室を、壁をよじ登ったりして、のぞこうとするくらい猛烈な勢いなのである。
そして夜になって、家に入ってアヤの部屋でベッドに横たわっていてでさえ、いたたまれぬようで、キュンキュンと数日間は声をあげ、「外へ出せ」とムギが訴えた。
バックヤード側のドアを開けると同時に、一目散に駆けだし、お隣の壁の下へ鼻をやってクンクン嗅ぎ、右側のほうの壁の下の隙間からクンクン嗅ぎ、左側、中央、クンクン嗅ぎ。
クルクルとあっちへいったりこっちへ行ったり、アイロボットの掃除機よりもまんべんなく移動しているではないか。
ようやく4日目が過ぎた頃には、まずは隙間をあちこち嗅いだ後、刑事のように、穴の近くの雑草(我が家は芝生ではなく、雑草である)の上で、じ〜っと昼間から座りこんで、張り込みをやるようになった。
「猫が来るわけないのに、ムギは刑事みたいに張り込みしてるんだけど。笑えるよね。もはやムギ巡査やね。ドーナツでも差し入れしてあげようか。」とアヤに言う私。
「クレイジーすぎるよね。毎日、この調子で張り込みしてるからか、夜はぐったりしてるんだもん。」
「今朝も、いつもなら、ご飯ちょうだいって感じで、私がキッチンにいると、立ってこっちを見てるのに、ぐったりしてリビングのベッドにいたんだよね。」と私。二人で大笑いしていた。
先日は、お隣に誰もいないときに、レイが隣の猫を見たという。猫は、勝手に外へ出てきてたのだろう、家のフロントヤードのほうへいたらしい。
「家のフロントヤードの玄関のほうから、家に猫が入ろうとしたから、さっと入ってドアを閉めたよ。その後は、猫がどうしたのか知らない。外猫なのかな?」
「どんな猫だったの?」
「グレイヘアの猫。」
「どんな種類?」
「知らないよ。猫に詳しくないから。毛足は長かったって思う。」
「家猫じゃなくて、外にも出してるんだったらちょっと困るよね。それでも、家のバックヤードに来たんじゃなくてよかったね。バックヤードだったら、ムギに噛み殺されてるかもしれない。。。
怖すぎる。お隣の人にも、猫は家のバックヤードへ入れないように注意しておいたほうがいいかもだよ。」
「そうだね。」とはいえ、注意したからといって、猫が言うことをきくわけもないが。。。
「そうだねって簡単に言ってるけど、マジでムギは、バックヤードへ入ってきた仔ウサギを庭で殺したじゃないの。お隣に注意しておいたほうがいいよね。」
いつもお隣は仕事で忙しいようで、朝は5時に出ていって、夜はおそくまで誰もいない。
ムギ巡査の張り込みはいいけど、お隣の猫ちゃんがムギ巡査に捕まらないことを願うばかりである。
しょっぴかれて、取り調べのカツ丼のご馳走もないまま、有無を言わさず処刑台行きになるぜ。
夜になって、お疲れモードのムギ巡査