☆ハーレム日記リバイバル☆ 第71号 Part2 オペラ | NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

☆ハーレム日記リバイバル☆ 第71号 Part2 オペラ

*****オペラ?*****

芸術の秋、ふとアートな気分に浸りたくなった私はクラシックでも聴きに行こうかと週末にネットサーフィン。クラシックとオペラのページでハタ?

「The Men in the Black Suits」

に矢印が止まった。私の皺の少ないツルンとした脳細胞が小刻みに作動開始。動物的イマジネーションは「NHKで昔やっていた『連想ゲーム』大和田サンと壇サンで大和田さん。」のように連想ゲーム。

「The Men in the Black Suits」=ウィルスミス主演のSFアクション映画「Men in Black」=ハンサムなブラックの兄ちゃんが黒いスーツでオペラを演じる、しかも無料。

場所はお洒落なエリアSOHOと来たもんだ。よっしゃーもらったぜ!と、友人と共に、いざ出陣!

さて現地に到着すると、何やら普通のアパートみたい?私等の前にヨボヨボ歩いていた老人のカップル。年とっても仲良しなアメリカンの夫婦はいいなー。

この年から既に一緒に出歩かないジャマイカンと日本人カップルのワシ等の将来はどうなるのだろう?と頭を抱える私。そういえば日本の夫婦もカップルで出かけるなんて滅多に無いか。

爺さんが入場を確認する太めな女性に、

「私たち、ずいぶん遅れたね。」と言葉をかけ常連の雰囲気。私たちも入ろうとすると名前を聞かれた。
「予約は入れてないけど大丈夫?」と聞くと、

「OK」と私の名前をネーミングリストにボールペンで書き込む。
「右へ曲がって地下に下りてください。」地下の入口には、お姉さんが口元に人差し指をあて「し〜っ」と、静かにしろ!のポーズ。

私たちは60脚程度のイスに50人くらいの客が静かに座っている中へ入っていった。

そこに私等が見たものは、マイクの前に出演者。白髪の太った老人、そして神経質そうな白人女性に、映画の子役にしてもよさそうな金髪のかわいい坊や、その他男女2,3人は背後に座っている。

右手には木の枠を振り回したりして風の音や虫の声を演じる効果音の男性。舞台にセットなんか無いし、演じる人々
もカジュアルウェアである。

「いつ歌い始めるのかなー?」と物語の途中まできたが歌う気配がない。彼等はマイクに向かって代わる代わる朗読を続ける。さっき手にしてきたプログラムを見ると「スティーブンキング原作」と書いてある。

そう、スティーブンキングの本を朗読する朗読会だったのである。

途中でようやく話の筋が見えてきた。男の子が釣りに行ってるシーンでは黒いスーツを身につけた魔物がやってきて魚を丸呑みする。男の子の脅える様はプロ並でこっちまで怖くなってくる。

そして魔物の役の男性は、マングースと闘うコブラのようにネットリとヨダレを垂らした。これも演技なのかしら?とにかく迫真の演技で引き込まれていった。

男の子が自宅に戻ると飼っている犬が吠える。効果音の兄さんが「バゥーワゥーバゥーワゥー」と自ら犬を演じるので、私は静寂の中で笑いをこらえ腹筋を震わせた。

「江戸屋猫八・子猫の親子が、ここにいれば虫の声では重宝されるに違いないはずだ。」と思いつづけていたせいだ。決して彼の演技が下手だったのではない。

その後しばしウトウトしてしまった。英語の朗読を追うのに疲れたのかもしれない。朗読会に来ている人は舞台に立つ人の親類縁者といった雰囲気。連れて行った友人にオペラでもオペラ違いだったので申し訳なく途中で外へ出た。

どちらにしても「The Men in the Black Suits」続きが気になるのでスティーブンキングの原作を読んでみたい。

SOHO Loftからのレポートでした。
463 Broome St (Bet Greene and Mercer St.)
AOP:American Opera Projectsという今後の活躍に期待!