まだ気づいてないけど
すぐに気づくことになるよ
もうアナタは私のこと好きになってるんだから
絶対離してあげないからね
「 恋ノ的中率 」
高校生になりました。
「僕」は めでたいと喜ぶ親の歓喜とは裏腹に新しい学校ということにだるさを感じる
一から作らなきゃいけない友達、覚えなきゃいけない名前
授業も難しくなるという何も楽しくなさそうな学校生活
無事に卒業できるのかも不安なごくごく普通のやる気のない学生だ
そして今から辛いだろうと思われる学校行事の一つ始業式だ
校長の長い話、学年一優等生の発表など眠らずに耐えれるか不安だ
始業式に向かう途中の廊下
めんどくさい気持ちを全面に出して不機嫌になりながら歩く
突然、衝撃と共に胸に何かがあたった感覚
前を注意して見ていなかったから一瞬何が起きたのかわからなかったが
目の前で座り込む女の子を見てすぐにぶつかったんだと理解した
「あ、あのごめ・・・」
謝ろうと口を開くとすぐに彼女がすごい形相で僕に向かって睨んだ
びっくりする間もなく彼女は
「私、アナタ好きじゃない、っていうかむしろ嫌い・・かな」
と言うとすくっと立ち上がりスカートの埃を叩くと
ニコっと笑った
一瞬の出来事に理解が出来ずに固まる
「っは」
しばらくして気がついた時にはもう彼女の姿はなかった
今更になって(なんでそんなこと言われなきゃいけないんだ!!)と心の中で反論した
腹が立つような傷ついたような微妙な感覚に襲われて
「なんだったんだ・・」
と呟き、こんな理不尽なことがあるかと思いながらトボトボと始業式へ向かった
でもこのお陰で始業式は眠らずにすんだのは少し感謝なのだろうか・・
それからと言うもの
なんとクラスが一緒だったと言う偶然もあり僕の視線は彼女を追いかけるようになった
クラスで一番かわいい子に話しかけられても生返事だったり
初めての授業は内容を全く覚えてなかったり
僕はなにしてるんだろう・・と思ったりでついに1周間がたった
でも1週間ずっと彼女を見てきたけど、そんなに悪い子じゃなさそうだ
よく笑うし、友人もすぐにできてるし
他の男子とも仲良さそうで、あんなことを言う子には見えない
何故僕にだけ突然?という疑問が浮かぶばかり
でも嫌いと言われている以上話しかけても嫌がられるだけじゃないだろうか
なんて考えてしまって行動には移せずひたすら見ているしかできなかった
「はー・・・」
今日も何も出来なかったと溜息をつきながら初めての日直を終わらせ荷物をまとめる
もう誰もいない教室を見ていてもやっぱり彼女の席ばかりに目がいってしまう
ガラガラ・・ガン! という音と共にさっきまで閉まっていた教室の扉が勢い良く開いた
とっさに扉の方に目を向けると彼女が仁王立ちしていた
「あ・・!」
「ぁー」
思わず声を上げてしまった僕を見つけて同じように返す彼女
僕はすぐに目を逸らして何もなかったように帰り支度を進める
するとペタペタという音と共に彼女の姿が近づいてくる気がした
僕のすぐ後ろでとまった彼女は僕の肩に手を置いて
僕の耳に触れそうなくらい近い距離で彼女の唇が動く
「最近ずぅっと、私のこと見てたでしょ」
生暖かい空気が僕の耳に襲いかかったことにびっくりして思わず立ち上がり大声を上げた
「み、見てません!」
また罵声を浴びせられるんじゃないかという恐怖と
ふたりきりという状況に極度の緊張を覚える
ずっと見てたって僕は変態じゃないかという後悔と
実際彼女ばかりを見ていたことがバレバレだったと知って(やってしまった・・)と頭を抑えた
すると彼女は僕の目の前に立ち直し話しかけた
「どう?」
「・・・・・・?
どう?ってなんですか」
僕はすぐに答えを返す
意味がわからなかったからだ
彼女はすごく満足そうに笑ったまま僕の制服のネクタイを引っ張った
「く・・っ」
首が絞められて苦しいのと同時に触れた柔らかい感覚
彼女の唇についていた薄い色のキラキラしたルージュが
僕の口にも少しだけ付いた
「え・・・!?」
世にいう接吻というものをされたことで混乱の中に置き去りにされる
何が起きているのか理解が出来ずにただただ立ち尽くす
「やっぱり私、アナタ嫌いだなぁー」
目の前で笑うその顔を見た瞬間に気づいた
なんだかずっと手の上で転がされていたかのように
もう敷かれているレールの上を歩いているように
僕は君に惹かれていく運命なんだ・・・と。