夜空を見上げたまま
口を開いた
「いつ見ても綺麗な、あの星になりたい」
と。
僕が見てた君はいつだって笑ってて
立ち止まったことなんかないくらい全力疾走で
どんなことだって難なくこなして
できない事なんてないと褒められてた。
何度見たって
いつ見たって
君はすごいと皆が言うから
悔しさと嫉妬で張り合って
いつも
君に負けて
いつも
君に慰められて
いつも
悔し涙で君に叫ぶ
「最初からなんでもできるやつになんて言われたくない」
と。
何度も怒った
何度も怒鳴った
何度も何度も
僕はできないといい続けた
それでも
君はいつも
何度も笑った
何度も慰めた
誰だって出来るといい続けた
挫けても
砕けても
いつだって君は僕を救い上げて
いつだって君は高いところから僕を支えて
僕はずっと泣いていた
出来ないと下を向いたまま
きれいな星空
きれいな満月
君を見つけて手をあげる
声をかけようと走り出す
上を見上げたままの君の顔に
ふわふわと舞い落ちる雪
溶けて
涙のように見えた雪
手を下ろして
声をかけるのをやめた
君を見つめたまま
足も止まった
あんなに遠かった君が
すぐそばにいるのに
今は手も届きそうな気がするのに
君を救い出すのは嫌だった
僕の理想
いつでも完璧な君は僕の遥か先にいたはずなのに
君の場所は
こんなに近かった
夜空を見上げたまま
口を開いた
君は
やっぱり泣いていた
「いつ見てもきれいな、あの星になりたい」
まるで君を見上げていた僕のように
夜空を見上げて涙を流す君は
まるであの時の僕のように
何もできない僕のように
ひたすらに星を見上げて
ひたすらに手を伸ばす
いつか届きたいと
いつか追い抜かしたいと
かなわない現実と
かなえたい夢に
雁字搦めになりながら
一緒なのに
全然違うのは
きっと君はもっともっと
上を目指したくて泣いてるから
あそこに行きたくて泣いてるから
星になりたくて泣いてるから
僕もなりたい
いつか君を慰めれるくらい
強く
今はまだ
僕は君の涙を止めれるくらい
偉くはないから
そっと後ろを向いて
歩き出した
いつかきっと
君より高いところから
君の手をとって。