教会襲撃の一報は、クラウディアの父の領内に比較的
早い段階で入っていた。
そして次の標的が、自分の館であることも--
しかしその暴動を主導したのが、ロブレヒト達だと知って
いたのは、襲われた司教ぐらいで、まさか未来の娘婿が
関わっているなどとは思ってもいなかった・・
父は、自前の守備隊を配備、戦闘に備えた。
守備隊は訓練を積んだ剣士達--楽に撃退できると
考えた。
--ところが、敵の数も少ない初めのうちは、予想どおり
優勢だったが、教会の襲撃を終えた戦闘員達が時間を
経る毎増えてくると、形勢は逆転した。
これはただ事ではない・・そう感じた父は、自身も武装し
戦う準備をする娘に対し、親戚の許へ逃れるよう指示する。
--母を連れて行くのだ・・!
戦闘を甘く見ていた娘は反抗するが、父は頑として聞かない。
鬼の形相で娘と母を厩に追い立てる父には、鬼気迫るものが
あった。
父の剣幕に渋々乗馬し、馬を走らせる二人--
が--振り返ると、館から火の手が上がっている。
今戻れば、館と道づれにされるだけ、そうでなくとも敵の軍勢の
規模からして彼女達が生き延びる道は無い。
父は自分の命と引き替えに、母と娘の命を救おうとしたのか・・
憎くてたまらなかった父の決断に、クラウディアは愕然とし、同時に
涙が溢れ出た--そしてそれは次から次へと頬に流れ落ちていった
が、それは止めようとすればするほど返ってひどくなっていくのだった・・


