ヒール=悪役
語源はプロレス興行のギミックとしての役割--凶器の使用等
卑劣な反則を多用したラフファイトをする悪役、憎まれ役のこと・・
『MOZU』でも当然ヒールは登場する。
長谷川博己演ずる
東(ひがし) 和夫(アテナセキュリティ役員)
公安部捜査官OBでありながら、新谷宏美を使って殺人を依頼する等
裏の世界に属し、真実を暴こうとする倉木の行く手を阻もうと、
何度か対峙することになる。
もうひとりが、池松壮亮演ずる殺し屋
新谷(しんがい)宏美/新谷和彦 (一卵性双生児)
アイスピックを使い、ジェイソン(彼はチェーンソー)さながらの殺戮
を実行する。
ヒールでありながら、長谷川博己は人気があったようだ。
池松壮亮も同じくだった、と西島自身が語っている。
長谷川の怪演は、自由すぎる演技の結果生まれたものではないか、
それほど、羽住監督はのびのびさせていたのか?と--
西島も、撮影が楽しくて仕方がなかったような事を香川照之が暴いて
いたが・・
ダークな側の人気を二分した長谷川と池松。
しかし、奇抜な感じが否めない長谷川に対し、池松壮亮の演技は
彼の年齢--撮影時若干23歳?(現在25歳)とは思えない基本に忠実?
というか老獪な役者のごとき落ち着きや実力を感じ、舌を巻いた・・!
実は同時期に撮影されていたであろう、宮沢りえ主演の『紙の月』
を偶然にもMOZUより先に観てしまっていた。宮沢りえの愛人となる
大学生の役で準主役級だったが、その時はごく普通の青年役を演じて
いたせいもあって、特段何も感じなかった。MOZUで彼を再び見た時は
あ、あの子だ--と思うと同時に、あまりに『普通でない』役柄に驚いた。
殺人鬼でありながら、悲しい過去と自制不能の狂気を抱えた複雑な人物像--
心情を、抑えた表情の奥にしまい込み、冷酷なだけではない物悲しささえ
漂わせるキャラクターをこの若さでよく演じられるものだ--と終始感心せざる
を得なかった。この老獪さ?は、12、3才頃から子役として10年余鍛えて
きた賜物なのだろうか?
ヒールなのに、同情し応援したくなり、ストーリーの中でも本当に憎らしい
輩ばかりを倒す度、喝采を送った・・!
なので、倒されたと思っても蘇る設定は嬉しかった。
MOZUシリーズは劇場版で完結するということらしいが、もし再び作られるとすれば
その時も必ず蘇っていてほしいものだ・・・
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