オリンピック前の記事ですが・・(2014年1月31日付)女子シングルでソトニコワが優勝した
結果を受けて読んでみると、なるほど、と思う部分ありです。
訳すにあたり、内容的に重複すると思われる類の文章、その他一部省いています。
(中略の部分)
長いので、少しづつアップさせていただきます。
In Russia, Skating Booms Again ①
ロシアで、突然、トップレベルの女子スケーターが不在となって10年余ーー
地方の、寂れたスケートリンクで見出され、国の最高クラスのコーチによる入念な指導を受けた
幾人かのスケーター達ーー頭角を現したのは、新ヨーロッパチャンピオン、ユリア・リプニツカヤ
だった。
若干15歳。共にオリンピックで闘うことになった アデリーナ・ソトニコワ より2才若いが、世界の
メダル候補と比べれば、はるかに年若いことになる。
ロシアにおける1年余続いた激烈な競技会を勝ち上がってきたリプニツカヤとソトニコワは、
エリザベータ・トゥクタミシェワ(17才)、アンナ・ポゴリラヤやエレーナ・ラジオノワ(共に15才)
等を含む、実力も才能も兼ね備えた多くのアスリート群を退け、ロシアに与えられた2つのオリン
ピック代表枠を射止めた。
地元開催であることで、全ての種目におけるロシア人アスリート達に懸かる重圧も、相当なもの
であるには違いない、が、女子スケーター達の急激な進歩 は、国家的なある期待を大きく
膨らませるものであったーーそれは
女子シングルにおける ロシア史上初の金メダル
ロシアが、冬季五輪史上、そのカテゴリーにおいて 一度も手にしたことのない色 だった。
『最初は2人だけだったライバルが、3人に増えて・・今では数え切れない程のライバルが
ひしめいている・・・ロシアの女子フィギュアは大盛況よ。』
モスクワ市内を走るバスの中、トレーニングを終えたばかりのトゥクタミシェワが話してくれた。
『(オリンピック)代表に選ばれるためには、より難しい動きが要求されるわ。なので、プログラム
の最初から、自分を鼓舞しないといけないの』
12歳でロシア選手権を制したソトニコワは言う。
『全ての年代で非常に厳しい、ということが言えるわ。どの子も互いを凄く観察し合ってる。』
各地で催される独自の競技会が女子のレベルを上げ、ロシアにメダル獲得のチャンスを生んだ。
勿論、金メダル候補である韓国の キム・ヨナ や、日本の 浅田真央 (共に24才)を破るのは
無理としても、少なくとも、銅メダルなら確実に獲れる実力はあるはず。
ロシアの女子がオリンピックで獲ったメダルは、過去、金以外のメダル2つのみ。
『リプニツカヤは、ソチでサプライズな存在になるでしょう。』
長野五輪(1998)で、リプニツカヤと同じ当時15歳で出場、金メダリストとなった タラ・りピン
スキー は、前述の5人の若手スケーター達の中に、かつての自分を見る、と言う。
『彼女達の誰もに等しく才能があり、長所がある。あとは、五輪出場者としての自覚をいかに
持つかといった問題よ。』
2010-2011シーズン、ジュニアの国際大会において、突然、表彰台をロシア女子が独占した
事実により、この 『神童』軍団 は注目を集めるようになる。
以来、彼女達は、ジュニアの大会でことごとく表彰台のメダルに絡んでくるようになった。
シニアの舞台に上ると、ソトニコワ、リプニツカヤ、トゥクタミシュワの3人全員が、ヨーロッパ
選手権初出場でのメダルを手にすることになる。
中でも、リプニツカヤの優勝(1月 ブダペスト)は、この選手権で7度優勝しているイリーナ・
スルツカヤ以来、8年ぶりの快挙である。
2010年のバンクーバーオリンピックーーフィギュアスケート部門で金メダルゼロに終わり、
危機的状況が続いていたことを思えば、これほどまでに多くのエリート達が出現したことは、
特筆に値する。
中略
半年前、リプニツカヤが五輪出場枠を獲得するだろうなどと予想した人は、ほとんどいなかった。
ましてや、メダル候補なんて・・ありえない話だった。
ロシアの希望の星はずっと、グランプリシリーズ後半、顕著な成長を見せたソトニコワだった。
8歳からCSKAスケーティングスクールでトレーニングを積んだソトニコワは、早い時期に
オリンピック候補として見出された。ロシアで最も評価されているフィギュアのコーチが付き、
彼女のプログラムも、ボリショイバレエ団の元バレリーナが振付けるというものだった。
リプニツカヤより背も高く、パワフルなソトニコワーー彼女の演技は、他の選手達と比べても
洗練されていて、完成度も高かった。
『彼女は、まるでプロのスケーターの如く滑り始めるわーー子供のレベルじゃないのよ。』
スルツカヤは言う。
To be continued
