その少女は、14才。
金色の髪は、痩せた肩の辺りでカットされている。
ヨーロッパの古い時代(中世~近世にかけて)と思われる街角で、哀しそうな表情を
浮かべたその少女は、4,5才に見える弟をひとり連れていた。
ーー両親は、いないのだろうか・・・一軒一軒、弟に分けてもらえる食糧がないかどうか、
訊ねて回っている。
扉が冷たく閉じられると、少女の胸は悲しみでいっぱいになった・・・
空腹で堪らない弟がむずかって泣き出すと、弟の目線までしゃがみこみ、諭すように
言い聞かせるーー
たったひとつだけ小さなパンを貰えば、躊躇なく、弟にそれを全て与えてしまった。
ーー彼らが、どうして孤児になってしまったのか・・理由まではわからなかったが、
以前の生活を想像させる映像は視えてきた・・

