大砲の砲丸のようなものが見えた。
地面に茶色の玉が重ねて置かれている。
ーーまさか、この時代(大砲の歴史は、13~14世紀が始まりではあるらしいが・・)
にありえないーー!?
見間違いだと思った。
後に調べてみたら、モンゴル帝国軍は
火炎兵器の投擲機、カタパルト式投石機 など
当時では最新鋭の武器を使用していたとあったので、その石が見えたのかもしれないーー
軍隊の武器としては他に、三日月形の太刀、槍などが見えた。
平原で敵と衝突ーー騎馬兵の数で圧倒的優位を誇るモンゴル軍は、見る間に敵(歩兵)を壊滅状態に追い込んだ。
闘いの初期で、敵は背を見せて敗走し始めたため、ほとんど闘いらしい闘いをすることもなく勝利を納めた帝国軍は、敵の要塞へと乗り込んだ。
しかし要塞はもぬけの殻ーー人っ子一人居ない要塞の中を悠然と歩き回る兵士達。
一人が、笑いながら何かを拾った。
ほかの兵士達もそれを見て笑っているのだが、いったい何を拾ったのかまでは見えなかった。
モンゴル軍を恐れ、もしくは戦う前からビビってしまったのか、すでに敵は要塞から逃げ出していたーー

