脱線ついでにYouTubeにアップされていた
Death in Venice
の、あまりに画質の良いフルバージョンを、何十年ぶりかに見ていたら
あの時のドキドキ感が蘇ってきた。
ーー冒頭の、タッジオもしくはタッジュウ(Tadzio or Tadziu)少年が登場するシーンまでの
長い思わせぶりな時間を、レ・ハールの心地よいメロディを背景に
ーーーここで目を離したらビョルンのあまりに美しいアップを見損なってしまうためーーー
イライラしながら辛抱強く待っていると、心臓も止まりそうな美しいお顔と対面する・・!
(あくまで個人の感想です・・どこかで聞いたような・・)
ここから、物語の主人公である 『グスタフおじさん』 のタッジオに対する追っかけが始まるのだ・・
今で言うならストーカーだけれど、実は映画を見ている私自身が
グスタフおじさんに完璧に感情移入し、始めから終わりまで一緒になって
ストーキングすることになる・・![]()
ストーリーを簡単に紹介するとーー
地位も名声も得た音楽家である主人公、グスタフアッシェンバッハは
アーティストとして 美 は計算して創造できるものだという確固たる理論を持っていた。
ところが老境に入り、ベニスへの旅に出かけた彼の前にひとりの美少年が現れ
グスタフの信念は、もろくも崩れさることになるーー
少年を前にして、理論も計算も全てが消え
恋に落ちたグスタフ・・・
ーー妻も子もいる、分別もあるはずの初老の男が、14,5歳の、それも
少年に ーー!
そんなグスタフの熱視線に、タッジオも気づくところとなるのだが
そこで彼が、恐怖なり嫌悪感なりを抱いてグスタフから遠ざかろうとしたならば
熱も冷めただろうに、逆に興味を示すような視線、態度を露わにしたため
返って燃え上がってしまう。
ーーーグスタフの視線の先には常にタッジオがいた。
命に関わる伝染病が忍び寄るベニスを、一度は離れようと決心するのだが、
抗しがたい感情が口実を作らせ、結局タッジオのいるリドに舞い戻ってしまう。
覚悟を決めたグスタフは晴れ晴れとしていた。
ーータッジオと心中だ・・・
tobeContinued.....

