白い、ローマ時代のチュニック風衣装ーー
ある瞬間が見えた。
背後から一撃を受け、硬い石畳の地面に
がくっと膝が折れる・・・
意識が遠のく前の一瞬、ある言葉が
男の口から漏れたーー
ーーこれで、やっと楽になれる・・・!
命が消えるその瞬間、死への恐怖は一切感じられず
喜びと幸福感さえ抱いていることを知った。
生き続けるより 死 を望んだ人生とは
いったいどれほど苛酷なものだったのだろうかーー
奴隷であったのか、剣闘士だったのかーー
前世の男性のこの言葉を耳にした時
同情という言葉では計れないほど
心を動かされた・・
この人物の名前の頭文字が
X で始まるものだということが判った時
何か、ローマというよりは、衣装も共通点があることから
古代ギリシャではなかったかと勝手に想像している。
