中央ユーラシアの前世④ 青年との結婚二人は、位の高い婦人にテントに呼ばれた。 厳格な表情で、何か大切な事を告げている。 跪く二人は、神妙な態度でそれを聞いていた。 ーーー二人は結婚することになった。 伝統的な衣装に身を包み 青く広がる空と、広い大地の中で・・ 赤ん坊を抱えるハンナの頭に 長い三つ編みは無かった。 頭の上でひとつにまとめ、ミルクのようなもの を啜る彼女は、まだ若いけれど 生活に疲れているようだった。 ミハイルも、相変わらず浅黒い肌に しわが刻まれてはいたが、精悍さは 変わらない。