10代の私の前で
額に、金色の髪を斜めに下ろした少女
(18,9才ぐらい タチアナと同い年)
が、にこにこと笑っていた。
仮に名を
ローラ
としておこう。
(名前が、この国らしくないので
違う可能性があるが、今のところ
確かな名前が見えない)
大柄で、男の子っぽいローラは
洋服も構わない。
マフラーを無造作に巻いている姿を見て
女の子らしくないなあなんて思いながらも
頼りがいがあって、さっぱりした性格の
ローラが好きだった。
ローラが、河に船を出そうとしている。
小さな船だったので、危ないからと
止める私を無視して漕いで出たーー
が、岸に戻ってきた時は
緊張して疲れ果てている。
岸に上がった少女を待っていたのは
黒い軍服に身を包んだ
若い男だった。
ーーー同志愛から、恋愛に発展していった
二人のことを知っている私は
この男性に惹かれながらも
付いていけば、のっぴきならない
結果になるだろうと判っているローラは
この恋を諦めようとしていた。
しかし男は違った・・・
見つめ合い、睨みあう二人ーーー
それを私は、はらはらしながら見守っていた・・・