四十八茶百鼠
この言葉を偶然知ったのは、松五郎の前世
を見て、しばらく経った頃だった。
江戸時代後期、庶民は贅沢を禁じられ
着物の色まで制限された。
許されたのは
茶色、鼠色、紺色のみ。
三色しかない色彩の中で、最大限のおしゃれ
をしようと工夫した結果、それぞれ
微妙な色合いを生み、それを楽しんだそうだ。
四十八色の茶色と百種類の鼠色・・・
実際はもっとあったそうだが。
決して華やかではないが
粋で洗練された色文化が生まれたーー
松五郎を、前世の映像で初めて見た瞬間
地味極まりない着物(グレーと黒、紺?)
にも拘らず
なんてスタイリッシューー
と、目から鱗が落ちたような
一種、驚きと感激があった。
だが、何故そう感じたのかは
自分でもわからなかった。
この言葉を知ってからは
合点がいったような気がしている・・・
