マクシミリアン
前世暮らしていた場所が、ある程度特定できるだろう
と思い、とりあえず、どの国で使われる名前かを
調べてみることにした。
検索してみると、トップに
ウィキペディアの『マクシミリアン1世(神聖ローマ皇帝)』
という人物が出てきた。
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前世が、歴史上の人物と関わりがあったなどありえない
と思ったが、時代も似ていたので、歴史考証をしてみよう
ぐらいの軽い気持ちでページを開いた。
ーーーだがすぐに目に飛び込んできたのは
マクシミリアンの没年月日だったーーー
1月12日
それは、私の誕生日と同じだった・・・
偶然の一致にしても、よりによってという感は拭えない。
一気に興味を惹かれ、読み進めていくと
再び、思いもよらぬ偶然がーーー
マクシミリアンの少年時代という項目に至った時だ。
『・・・結婚直前まで妹クニグンデの侍女である
ロジーナ・クライク
に思いを寄せていたとされる。』
ロジーナ・・・愛称をローザと呼ばれていたかもしれない・・?
後に、国内で唯一出版されている伝記
「中世最後の騎士ー皇帝マクシミリアン1世伝」江村洋著
を読んだ時、その中に詳しく書かれていたのだが
マクシミリアンは、18歳の時にブルゴーニュ公国のマリーと
政略結婚をさせられた。
マリーとはとても幸せな結婚生活を送ることになるのだが
この時点では、相手の顔もよく知らぬまま
ブルゴーニュに旅立つことになっている。
マクシミリアンが、父親の決めた結婚を
当時としては、またハプスブルク家の後継ぎとして
拒否することはできない。
マクシミリアンのガールフレンドだった侍女
ロジーナ・クライクは、そのことを知って以来
ずっと塞ぎ込んでいたという記述がある。
・・・このストーリーは、あまりに自分の見た前世と
似通っていたうえ、悲恋の理由まで明らかになってしまった・・・
マクシミリアン1世という人物を、この前世を見ることがなければ
過去にも未来にも決して知ることはなかっただろう。
前世の謎を解きたいが故に得た知識ーーー
偶然の一致に過ぎないかもしれないし
別のマクシミリアンとローザの話かもしれない。
だが私の中では、このストーリーが
もしかしたら自分の物語なのかもしれない
と思わざるを得なくなっていく事柄が
この後も数を重ねることになっていくーーー