シェリーの町、ヘレス④ ~ボデガス・レイ・フェルナンド・デ・カスティージャ (前編)~ | ¡Viva ワイン!

¡Viva ワイン!

ワインを飲みながら、気になったことを書いていきたいと思います。

スペイン2日目は、ヘレスにあるボデガ、レイ・フェルナンド・デ・カスティージャの訪問です。こちらは、以前にも訪問記を書いたことがあります(こちら矢印 )。


初日から結構シェリーを飲んだけれど、目覚めはスッキリ。シェリーって体に残らないですよね(飲みすぎは除く)。ボデガに行く前にカテドラルまで散歩しました。


¡Viva ワイン! 何度も来ているのですが、一度も扉が開いている時に来たことがありません(笑) 結構下がって撮影したのですが、でかすぎて入りません。毎年、9月初めにある収穫祭では、鋲の打ってある靴でブドウを潰す儀式が行われ、この階段で着飾った人たちが並んで写真を撮っています。


¡Viva ワイン! でかい、というか、他の都市にあるカテドラルはカテドラル前の広場が大きいんですが、ヘレスの場合、広場があまり大きくないので、全体が入る場所をみつけられません。


¡Viva ワイン! 彫刻は見事ですよね。17世紀の建造物だそうです。


¡Viva ワイン! 朝の日差しを浴びて建つカテドラル。暑くなりそうな予感。


¡Viva ワイン! 何度来ても、きれいなボデガだな~って思います。


¡Viva ワイン! 訪問の予約を入れたのは12時。日本の感覚だと、お昼時に悪いなぁ~って感じなのですが、スペインで12時はまだ午前中です。そうですね…、感覚的には日本の朝10時くらいの流れかなぁ~。日差しも真昼って感じしないですよね?


こちらのボデガのオーナーさんは、ノルゥエー出身のジャンさん。スペイン人の奥様がいらして、ずっとスペインにお住まいなので私とは違和感なくスペイン語で会話して下さいますが、外国人同士がお互いの国のどちらの言葉でなく、英語でない言語でコミュニュケーションするって考えると、面白いといえば面白い。今回、オーナーの写真を撮り損ねてしまいましたが(前回の訪問記には載っています)、とっても素敵な紳士です。


¡Viva ワイン! 何かテーマパークのような雰囲気です。


¡Viva ワイン! 最初に案内していただいた場所で、いきなり飛びこんできたのが「エキポ・ナバソス」の樽。いやあ、しょっぱなからハードル高いですね。どうやって説明しよう…。


最初に分かりやすく言ってしまうと、これ、シェリーのボトラーズなんですよ。と書いて分かっていただけるか…。モルトなどのウイスキーで良くあるのですが、蒸留所から原酒を樽ごと買って瓶詰め(ボトリング)して売る業者のことで、小ロットでしか抜かなかったり、エチケット(ラベル)に希少価値を持たせたりして消費者の心をくすぐるのですが、それをシェリーでもやってしまったのがこちらです。


エキポ・ナバソスは、2005年にアンダルシアワインの熱狂的な愛好家たちによって作られたプロジェクトです。古いボデガに質の良いシェリーが全く手をつけられずに置いてあることを発見した彼らが、自分たちのプライベート用にボトリングしたのがきっかけで、その後、ボデガに眠るお宝シェリーと巡り合って発掘し、樽買いをしてボトリング&販売をしています。これまでにいろいろなボデガのシェリーやシェリーブランディー、アンダルシアの内陸部にあるコルドバという町の周辺でつくられる、シェリーにとても良く似たモンティーリャ・モリレスというワインなどもボトリングして販売しています。


少量しか流通しないのと、本当に質の良いものばかりを選んでいるので、自ずと価格も高くなります。最初、2005年に何種類かボトリングされたものは、現在は入手困難になっていると思います。


このシリーズは、『La Bota de…』と名前がついているのですが、例えば最初にリリースされたのは、

No.1, La Bota de Amontillado "NAVAZOS" 2005年12月にボトリング、ボデガス・サンチェス・アヤラ、ボトリング数 600本(750ml)で、

レイ・フェルナンド・デ・カスティージャのボデガから抜かれたのは、No.17, La Bota de Palo Cortado BOTA PUNTA(ソレラの左端にある樽はこう呼ばれ、端にあることによりサンプルを取ることが多く、変化を受けやすい要因を持っているといわれる樽) 2009年1月にボトリング、ボトリング数660本(375ml)

2013年もボトリングの企画が決まっていて、シリーズも46番までになるようです。


なんか、ナバソスを語るだけで膨大な時間がかかりそうですが、もう少しお付き合い下さい。


¡Viva ワイン! これ、私が訪問した時にはまだ市場に出ていませんでした。手作業でエチケット(ラベル)を貼っている最中でした

No.43, La Bota de Brandy "Envejecido en bota de fino"で、4月にボトリングしたばかりです。ボトリング本数は不明ですが、500mlです。


¡Viva ワイン! お酒に興味ない方、つまらないと思いますが、こちらがフロールと呼ばれる酵母です。あ、ここからナバソスとは関係ありません。


ハイメのボデガのところで、フィノはフロールと呼ばれる酵母をつけて、フロールの下で熟成されると書いたのを覚えていらっしゃいますでしょうか?


樽にアクリルを張って、実際のフロールを見せてくれるのですが、いつも明るくされのはストレスなので、見学者が来た時だけライトをつけて見せて下さいます。樽の底にはマードレと呼ばれるフロールが死滅したものが沈んでいます。


¡Viva ワイン! ボデガの中は独特の湿気があって、何世紀にも渡ってそのボデガ特有のフロールがつくのです。


実は、最初にフロールのサンプルの右にある5つのソレラを見ちゃったもので…。


¡Viva ワイン! これは、もしかしてエチソの樽?なんて聞いちゃったもんだから、2日目最初に試飲させていただいたのは、ペドロ・ヒメネスになりました。


あー、私が何書いているかお分かりになっていただけないと思いますが、今回の旅行記はFacebookにもリンクさせておりまして、Facebookでは仕事関係の方が読んで下さっているので、若干詳しくなってしまうこと、お許し下さい。でも、なるべく分かりやすく書くつもりです。


ハイメのボデガのところで、シェリーは大きく3つに分けられると書いたのですが…。1つ目はフロールの下で(生物学的)熟成されるフィノ(又はマンサニージャ)と呼ばれる透明なシェリー。2つ目は後回しにしますが、3つ目はペドロ・ヒメネス(ブドウの種類及びシェリーの種類)やモスカテル(ブドウの種類及びシェリーの種類)の甘口シェリーです。これらの甘口シェリーは、ブドウを収穫してから天日干しにして、いわばレーズン状態にしてから絞るので、ぶどうそのものの甘さや香りを思う存分に感じることの出来るシェリーです。皆さんがご存知の食べ物で言うと、信玄餅(商品名を出してしまってごめんなさい)についてくる黒蜜を思っていただければぴったりです。


¡Viva ワイン!
この、ペドロ・ヒメネス・エチソは、ペタペタな甘さはなく、とっても上品な甘さです。前に来た時はこの商品は販売されていなかったので、今回のこソレラを見ることが出来たのはとても良かった。


ここから本格的にボデガの中を案内していただくのですが、同じ日に違う事を書くとごちゃになってしまうといけないので、後半は次回に持ち越しますね。