父島の月桃
【父島の植物】ゲットウ(ハナソウカ) - リフレッシュ (fc2.com)
日本付近の月桃の生息域は2系統あります。
狭義の月桃(シマゲットウ)は台湾、沖縄から鹿児島県佐多岬を北限として分布しています。
野生の状態の分布域です。
人為的に移植されたものはさらに広く日本各地で栽培されていたり野生化したりしています。
もう一つの系統はタイリン月桃で、沖縄県の大東諸島と小笠原諸島から伊豆八丈島にかけて分布しています。
それから、商業的に持ち込まれた例が沖縄県各地にあります。
上記画像は父島の月桃の花
父島在住の方のブログに掲載されていた父島の月桃の花です。
リンク先は冒頭に張り付けてあります。
ご参照ください。
月桃のご当地名
月桃は標準語です。
沖縄本島ではサンニン、奄美地方ではサネン、石垣島や八重山地方ではサミンと呼ばれています。
いずれも狭義の月桃(シマゲットウ)です。
タイリン月桃のご当地名
タイリン月桃は大東諸島ではソーカ、小笠原から伊豆八丈島ではソウカと呼ばれています。
植物学者の船越英伸氏によって狭義の月桃に対してタイリン月桃をハナソウカと命名しました。
薬草の草果(ソウカ)と花が大きくて美しいことからハナソウカと命名されました。
ハナソウカに漢字を花草荷と表記されている事例を見かけますが命名の経緯からは花草果とするべきだと思います。
上記画像は草果の実です。月桃の実と同様に果皮にしわがある点が印象的です。
ハナソウカと命名された経緯
タイリン月桃は台湾北部に分布している月桃の名前です。この月桃には別名として烏来月桃(ウライゲットウ)共言われています。
錯誤による慣例として沖縄県では大東島の月桃をタイリン月桃と呼ぶようになりました。
紛らわしいのでこれを解消するために船越氏がハナソウカと命名されたことが経緯だと聞いています。
月桃の通称名と学名の関係
学名で表示すると誤解が少なくなると思います。
狭義の月桃(シマゲットウ) ・・・・・・・・・Alpinia zerumbet var. zerumbet
タイリン月桃(ハナソウカ)・・・・・・・・・・Alpinia zerumbet var. excelsa
烏来月桃(ウライゲットウ)・・・・・・・・・・Alpinia uraiensis
となります。
3種類の月桃の関係
船越英伸氏によると狭義の月桃と烏来月桃の交配種としてハナソウカが生まれたとのことです。
月桃については今後研究が進むと思います。
ショウガ科の植物は種類が非常に多いので分類学的にも変化があるかもしれません。
最新情報についてアンテナを張り続けたいと思います。
標準語の月桃の由来
台湾の先住民の言葉で月桃を「ゲイタオ」と発音します。
これが日本人にはゲットウと聞こえ、月桃と当て字しました。
これがルーツではないかと思います。
諸説ある中の別の一つとして、月桃の房状の花が三日月のようであり、花の一粒が桃のように見えるから月桃と名付けたとの説があります。
イメージとして美しいルーツです。
私見としては月桃商品、特にコスメ商品を販売するために作られた物語ではないかと思っています。
月桃の分布域の図
上記の地図は船越英伸氏による月桃の分布図です。
緑が狭義の月桃(シマゲットウ)、赤がタイリン月桃(ハナソウカ)です。
大東諸島でソーカといわれている事例
大東諸島でソーカとしている事例は下記のサイトで月桃を原材料に使った御菓子の名前でわかります。
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