舞台「変わり咲きジュリアン」を観劇しました。劇場は池袋のあうるすぽっと。脚本・演出は役者としても活躍されている堀越涼さん。
▲パンフレット表紙。キャストの「忘れられない夏休み」についてのコメントや座談会が載っています。
▼物販はメインキャスト5名のブロマイド。田上真里奈さんのをもらいました。なお、DVDの先行申込用紙が配布されていました。
ロビーにはお花。
(以降、ストーリー展開に触れます)
このお芝居は、余命半年を宣告された男・誠一(演:小澤亮太さん)が、ドキュメンタリー作家・榎本(演:藤原祐規さん)の勧めで「終活」のエンディングノートを綴る。人生の振り返りにおいて一つだけどうしても外せないのは、20年前、子供の頃に行った広島で出会った踊り子・ジュリアン(演:田上真里奈さん)と過ごした思い出。その甘く刺激的な、そしてどこかあやふやな思い出を確かめるために、再び広島を訪れる。広島の地で待つのは果たして・・・というお話。
淡々としている小澤さんの誠一に対して、榎本が思い出探しを煽る煽る(笑)。藤原さんの張りのあるテンションがぴったりです。
ジュリアンの働くストリップ劇場、そこに関わる人々を交えながら、現在の誠一から見た当時の思い出が描かれます。やがて誠一とジュリアンの間のやりとりを踏まえて、お互いがどんな存在であったかを思い出していきます。
ジュリアンと誠一がよく遊んだ「すごろく」は実はジュリアンの過去と深い関係があることが分かります。詳しくは省きますがなかなかつらいお話。
田上さんのジュリアンは子供時代の誠一に対してはあくまで大人の女性。貫禄と無邪気さが同居していて、時折見せる寂しげな表情は背負った過去を伺わせます。また、派手なダンスシーンが数回ありますがこれは見事のひと言。身体の動きがすごかったです。
演出では、舞台セットはストリップ劇場内が基本で、小道具の移動によってさまざまなシチュエーションを表現。特に、新幹線の
移動ではスクリーンに車窓の風景を流し、上手く表現していました。この新幹線による「旅」は並んだ座席での会話がとても情緒的で、このお芝居の魅力の一つだと思います。
このお芝居には永瀬千裕さんも出演しています。ジュリアンの後輩で歌うことが好き、でもどうしても脱ぐことが出来ず、歌を歌わせてほしいと願う子、という役どころ。
この役、感情の振れ幅がものすごくて、自信なさげで消え入りそうな声をしたかと思えば、荒ぶる感情をぶちまけて叫ぶといった極端さ。これをまた難なくこなせるのは、大学時代から演じてきた役の積み重ねだろうなと思いました。(もっとも、どの役とも異なるテンションでしたが。) 最高潮はジュリアンとサシでやり合うシーン。見応えがありました。
結局、歌は歌わせてもらえたものの結果は・・・。歌そのものは切ない感情が込められててとてもよかったんですけど。
物語のクライマックスで、ジュリアンの幼少期が描かれます。ここのジュリアンの迫力がすごい。ステージ上の高台に上がり凄まじいテンション。つらい経験の重さを凝縮するとこんな感じかなと思いました。
脚本の堀越さんはジュリアンを田上さんの当て書き(あらかじめ役者を決めてから書くこと)にしたそうで、しかもこれまでの田上さんの枠に収まらないところを狙ったとか。それに応える田上さんもすごい役者だなと、あらためて。
ラストは誠一が20年前と同じジュリアンのアパートを訪ね、そこで誠一が取った行動は・・・・というところが、型にはまらない結末で、加えて終活というのが何とも言えぬ余韻を。しかもそのまま観客に跳ね返ってきます。
最近は一から十まで説明して終わり、みたいな作品も多い中で、終わった後の余韻で考えさせられるお芝居は、良い映画を観て映画館を出たときのような印象でした。
「変わり咲きジュリアン」というタイトルは堀越さんがふと入ったホームセンターに置いてあった花の名前からで、ジュリアンが「変わり咲き」な人に見えるといいということで付けたそうです。でも実は誰でも似たり寄ったりなわけで、そういう意味ではみんな一人一人が変わり咲きなんだよなーと思いました。
個人的には広島に何年か住んでいたこともあり、方言や地名を含めて懐かしさを感じるものでした。方言はまったく違和感なかったです。終活については何もしていませんが、振り返ると他人様に迷惑を掛けたことばかりなので(汗)、ノートを書く勇気は今のところなさそうです。
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