◆マタニティマークが作られた理由
マタニティマークは厚生労働省が2006年に制定したものです。妊婦さんが交通機関などを利用する際にこのマークを身につけ、周囲に妊婦であることを示しやすくするため、というのがもともとの目的です。また、職場や飲食店などでも、妊婦さんにやさしい環境づくりを進めるという狙いもありました。
お腹が大きくなってきてからは周囲に妊婦さんであることが伝わりますが、まだお腹が大きくない妊娠初期だとそうはいきません。その点、マタニティマークを付けていれば、周囲に妊娠中であることを伝えることができます。
妊娠初期は、つわりを含め、体調を崩しやすい時期です。妊婦さんにとって電車内で立っているというのはとてもつらいこと。妊婦さんであることが分かれば、周囲の自然な配慮を期待でき、また、万が一救急搬送されるようなことになっても、救急隊員がマタニティマークを見ることによって、適切に産婦人科医のいる病気を選ぶことができるでしょう。
◆マークに対する誤解とは?
番組では、マタニティマークを「できるだけ人目につかないところにつけた方がいい」とアドバイスされたエピソードも語られています。妊娠を望んでいるのにかなわない人に、優越感にひたっていると誤解されるのを心配してのことでしょう。
また、交通機関を利用する人の中には妊婦さん以外にも、疲労や病気、長時間の通勤などでつらい思いをしている人も少なくありませn。そうした中でマタニティマークをつけていると、「席をゆずってマーク」のように受け取られ、「自分だけ特別なのか?」といった反感を生むことも考えられます。
そういう人は少ないとは思いますが、マタニティマークを特権のように振りかざして、席を譲ってもらって当然という態度をとったり、または、そのように振舞っていると誤解されるようなことがないように注意したいものです。席をゆずってもらったらお礼をいう、つらい時は自分から周囲の助けを求めるようにし、感謝の気持ちを伝える、というように丁寧なコミュニケーションを心がけたいですね。
なお、番組の中でダウンタウンの松本人志さんは、マタニティマークのデザインに対して、「もうちょっとシリアスな方がいいのかも」と述べています。幸せのアピールと受け取られるものではなく、切実さを訴えるものの方が適しているということなのでしょう。デザインを見直すかどうかはさておき、ある意味で核心をついた意見といえるかもしれません。妊娠中であることを知っても、それが切実な状態であることを理解できる人は少ないからです。妊娠を経験したことのある女性の方が妊婦さんに優しいといわれるのも、その切実さを知っており、共感できるためです。多くの人が、妊娠とはどのような状態なのかを、もっとよく知っておくべきなのは間違いないでしょう。
<参考>
マタニティマークについて(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/maternity_mark.html
松本人志 マタニティマークのデザインにダメ出し「ちょっと幸せ過ぎる」
http://news.livedoor.com/article/detail/10749093/