ホンダは、第44回東京モーターショーに出展する高級スポーツカーの2代目「NSX」の実車走行を報道公開した。バブル景気に沸いた1990年に登場し、あこがれのクルマとなった初代NSXが生産停止となってから10年。購入者が一部の富裕層に限定されるバブルカーの復活は、アベノミクスによる「日本の経済回復の象徴」となるのか。その売れ行きが注目される。

【写真特集】2代目NSXのリアビュー

 24日の報道公開では、栃木県芳賀町にある本田技術研究所のオーバルコースで、体験試乗も行われた。モーター3機を搭載して左右の前輪にそれぞれ独立したモーターが付いたハイブリッド車としたことにより、静粛性を確保。電動発進することで騒音をまき散らすことなく、スポーツカーとは思えないほど滑らかに走り出すことができる。

 一方で、メインの新開発ガソリンエンジン(3.5リットルツインターボ)は初代モデルと同様に車体中央のミッドシップに配置。背中から響いてくる「エモーショナルサウンド」(技術担当者)を心地よく、体感することもできる。

 先行発売する北米での価格は約15万ドル(約1800万円)。ましてや、2人乗りだ。購入の選択肢の一つにさえ、気軽に挙げられる類いの車ではないだろう。

 ただし、ホンダにとっては象徴的な一台となる。報道公開ではほかに今年4月に発売した軽スポーツ「S660」も登場。こちらは200万円前後の「庶民派」スポーツカーで、初代NSXと同時期の91年に登場した「ビート」をほうふつとさせる。新世代を象徴する2車種を眺めつつ、ホンダのある技術担当者はしみじみとつぶやいた。「NSXとS660。これで、ホンダらしいラインアップが戻ってきた」【高橋昌紀/デジタル報道センター】