ゆらゆら揺れる見慣れた光景を

ガーリックチーズ味のリゾットと飲み込む

酸味のあるそのテイストは

初恋の時のキュンとした気持ちに似る


人間の体調なんてものは

皮を剥いた林檎の色と同じ

どんどん色褪せて見た目が悪くなる

生まれたての新鮮さを失っていく


新しいものが求められる

古いものが切り捨てられる

IT企業が力をつける時代

変動する権力 社会

駅前の噴水でカップルが喧嘩してた

物凄い剣幕で怒る彼女に 男は黙って俯いてた


僕はあんなに誰かに叱ってもらった事がない(気がする)

血の繋がらない二人の人間が 感情を剥き出しにする姿

それは 僕の眼に 深く 深く 刻み込まれた


激情を体現する女と それに耐える男

昼の二時間ドラマのような作り話ではなく

リアルで現在進行形のストーリー

ハッピーエンドかバッドエンドか


無神経かもしれないが 僕はその光景が羨ましかった

ドラマのように人生を演じる二人の背後には

ただならぬ空気を生み出し 観客を物凄い力で引き込んだ


僕の人生の脚本に描かれたストーリーは

一体何処で劇的な展開をもたらすのだろうか

もしかしたら 今までにも大きなイベントがあったろうか

明日もまた 無意識の中で脚本のストーリーを演じるのか

午前九時 張り詰めた空気

オイルライター 乾燥した喉

涕に濡れたみずいろの空

汚れた気持ちを地上に落とす


冷え切った身体を毛布で包んで

虹色の世界が見えたなら

孤独という名の安心を

手に入れることの難しさを知る


埃っぽい倉庫のような部屋で

都会の喧騒を1km先に置いといて

煙の行方にダブらせてみると

自分の小ささを抱きしめたくなる


感情の渦に飲み込まれないように

明確な文字列を不明確に

パズルピースのように散りばめて

煙草の中に隠してしまえばいい