全部の病院で同じような避妊去勢手術が実現できるわけじゃない | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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避妊去勢手術は、基本の手術として習いました。

 

 

基本の手術として習うにしても、

 

基本が統一されているか?

 

というと、それは別の話。

 

 

獣医学生の段階でも、確かに避妊去勢手術は習いますが、

 

何度も何度も繰り返し自分が執刀できるわけではなかったし、

 

いろんなコツを学ぶ前に卒業することになるし、

 

結局勤務医になって学ぶことが多かったと思います。

 

 

今になって思うことは、

 

自分が働くところによって、

 

基本の手術と言われる避妊去勢手術は異なる手技

 

ということ。

 

 

避妊去勢手術を行える時期、サイズ

 

避妊去勢手術のやり方

 

傷口のサイズ

 

いろんなことが病院によって異なる

 

ということ。

 

 

私が勤めていた病院、そして院長は、

 

今思い返しても本当に優れていたなぁと思っていますし、

 

その病院に勤められたから、今の私がいると思っています。

 

 

手技をしっかり教えてもらい、

 

オペにかかる時間を少しずつ短縮できるように

 

傷口が少しでも小さくなるように

 

と常に目標をもたせてくれ成長させてくれました。

 

 

私のベースは勤務時代にできたと思っています。

 

 

その後も、私のことをサポートしてくださった方々のおかげで

 

さらにステップアップさせてもらい、

 

今の私ができたと思っています。

 

 

基本の手術ほど大事だと思うから、

 

基本がしっかりできるようになれば、

 

全体的な技術は向上する

 

と思って、日々勉強し努力してきました。

 


 

 





 

 

よく飼い主さんや保護活動している方から、

 

「どうして、傷口のサイズが違うんですか?」

 

「どうして手術できる月齢やサイズが違うんですか?」

 

「先生のところでできるなら、他もできますよね?」

 

「どうして他ではしないんでしょうか?」

 

とか聞かれるのですが、

 

冒頭で、基本の手術であっても病院によって異なるとお伝えしたように、

 

育ってきた環境が違うことで差ができてしまうのが日本なのです。

 

 

学生の段階で、基本が揃えられていればいいのでしょうが、

 

そうではなく、

 

勤務医になってからそれぞれ学んでいくから・・・

 

そして、学ぶ場所によっても、教えてくれる人によっても、異なるから・・・

 

 

単純に

 

「誰かができているからできる」

 

というわけではない部分があります。

 

 

なぜなら、基本が一律ではないから。

 

 

 

 

きっと

 

「できているんだから、できるやろ」

 

ではできない部分もあると思います。

 

 

 

保護活動をしている方の一人は、他の病院で

 

「ルオーナではできるんだから、やりましょう」

 

とおっしゃったらしいのですが・・・

 

何も勉強もしないでトライするのは、危険すぎる!

 

それをやりましょう!というのも危険すぎる!

 

と思うのです。

 

 

 

 

一か八かですることではないし、

 

麻酔や手術のリスクを考えて発言してもらいたいんです。

 

 

 

だって、リスクを負うのは、わんちゃんねこちゃんなのですから・・・

 

 

 

 

私ができるようになっているのも、

 

そのためにたくさん勉強し、たくさん経験させてもらったからで、

 

「やりましょう!」

 

といってすぐにできることがすべてではないと思うのです。

 

 

 

例えば・・・

 

 

猫の避妊手術に関してだけでも、

 

病院によっては、

 

傷口が5センチ近く要するところもあったり、

 

手術にかかる時間が1時間近く必要なところもあったり

 

野良猫に関しては傷口の処理の仕方も異なっていたり

 

するのです。

 

 

 

手技の見直しをせずに、

 

いきなり

 

傷口が5センチ未満になることも

 

手術にかかる時間が10分以下になることも

 

野良猫が手術後も安全に過ごせるようにすることも

 

有り得ないと思うのです。

 




 

特に…


野良猫の避妊去勢手術に関しては、


すぐに放すことを考えると、


飼い猫以上に傷口の管理を気をつけなきゃいけない


と思うのです。





 


少しずつ少しずつ学び、

 

常にトライし、

 

そして実になる

 

のだと思うのです。






 

 

 

「避妊去勢手術なんて基本の手術なんだから、今更学ぶことなんてないだろ」

 

とか

 

「別に普通にできているんだから、不便なことはない」

 

とか

 

思っている人は今もたくさんいると思います。

 

 

だから、ステップアップすることって、そんなにないのだと思うのです。

 

 

 

私の野良猫の避妊去勢術の方針では、

 

野良猫の場合はいつ捕まるかわからないから、

 

捕まったとき避妊去勢手術を受けさせてあげる

 

というのがあります。

 

 

だから、

 

「捕まりました!」

 

と連絡をもらったら、全部受け入れちゃうのです。

 

 

待機させる時間も負担になるから、

 

その日のうちに手術をして返してあげる

 

というのも絶対。

 

 

 

「今までは、1日1頭しか手術できないから・・・と断られてたんですが、

 

 ここは全部受け入れてくれて手術してくれるので助かってます」

 

 

 

「1日1頭だと、やってもやっても追いつかなくて・・・」

 

 

 

「野良猫も予約してもらわないと無理と言われて・・・捕まらないから大変だったけど、

 

 当日飛び込みオッケーだから助かってます」

 

 

という言葉をもらうこともよくあります。

 

 

 

幸い

 

私たちの成長と野良猫の手術のオファーが同じように伸びていったので、

 

そんなに大変な思いをせずに今に至っています。

 

 

 

最近、スタッフと話していて、

 

「昔はこうしてたよね〜」

 

ということがたくさんあります。

 

 

今は、

 

昼休み中に、20頭近く避妊去勢手術をこなすようになっていたり・・・

 

1日で30頭以上の避妊去勢手術をこなすようになっていたり・・・

 

 

私たち成長したね〜

 

 

ということがたくさんあります。

 

 

 

 

 

そうなれたのは、

 

私たちを成長させてくれた人たち

 

私たちから手術を受けてくれた犬猫たち

 

がいてくれたから・・・

 

 

常に感謝を忘れず、

 

常に成長しつつげることを忘れず、

 

これからも向上していきたいと思っています。