目が不自由でも・・・元気いっぱい!ハンディキャップのある子猫が教えてくれること | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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みなさん、

 

秋に開催された補助犬普及イベントに、

 

子猫も参加していたのを覚えていらっしゃるでしょうか?

 

 

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子猫にミルクを4時間おきにあげなきゃいけないから・・・

 

というわけで、

 

たまたまペットオッケーの場所であったイオンの水の広場に、

 

うちの病院に捨てられていた子猫を連れて行っていたのです。

 

 

 

イベントにいらっしゃっていた一部の方には、

 

「ちっちゃ〜い!可愛い!」

 

と密かに注目の的になっていた子猫o(´v`)o

 

 

ちゃっかり、聴導犬レオンとともに、写真も撮ってもらっちゃった子猫o(´v`)o

 

 

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あれから1ヶ月くらい経ちますが、

 

今日はこの子猫についてお話したいと思います。

 

 

 

名前は、寅次郎(とらじろう)。

 

実は、うちの新入りになりましたハート

 


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寅次郎・・・

 

実は、目が生まれつき見えない子なのです。

 

 

 

 

 

なぜすぐにわからなかったか???

 

 

 

 

 

犬も猫も生まれてすぐは目が開いていません。

 

耳の穴もできていません。

 

 

 

生後1週間〜10日くらいで、目が開きます。

 

この頃、耳の穴も出来上がってきます。

 

ただこの段階では、まだ視力や聴力は出来上がっていません。

 

 

生後2週間過ぎたくらいから、視力や聴力が少しずつ出てきます。

 

動くものに反応したり、音に反応したり・・・

 

 

 

イベントに参加した頃は、生後2週間ほどで、目や耳の穴は開いているものの、

 

まだきちんと機能する前の段階だったのです。

 

 

 

4時間おきにミルクを与えなければならないから・・・というわけで、

 

たまたま一緒にイベントに参加することになったのだけど、

 

今思い返せば、

 

あの時から寅次郎は私たちと一緒にこれから歩んでいく一員だったのだ

 

と思います。

 

 

 

 

 

不思議な運命・・・

 

 

 

障害者をサポートする補助犬を知ってもらうイベントに

 

ともに参加することになった寅次郎自体が、目が不自由という障害を持っていたわけです。

 

 

 

 

 

目が生まれつき見えないなんて

 

ちゃんと生活できるの?

 

ずっと付きっきりじゃないと生活できないんじゃないの?

 

 

そう思う人も多いでしょう。

 

それだからこそ、

 

捨ててしまおうと思う人もいるかもしれません。

 

 

 

 

だけど・・・

 

 

寅次郎は、目が不自由だけれど、全く苦に思ってません。

 

 

 

確かに、目が見える子に比べたら、不自由なことはたくさんあるでしょう。

 

 

でも、彼のペースで、毎日彼なりに楽しく生活しています。

 

 

 

 

猫には、ヒゲがたくさん存在します。

 

元々このヒゲは、センサーやアンテナの働きをしてるもの。

 

 

口周り、目の上、ほっぺた、あごの下にたくさん生えていますよね。

 

 

 

ヒゲで

 

距離をはかったり、

 

風をはかったり、

 

できちゃうんです。

 

 

だから、近くに何かものがあるかどうかは、

 

ヒゲでチェックしてます。

 

 

 

そして、耳。

 

耳は聞こえているので、

 

音がすると反応して、キョロキョロして、情報をキャッチしようと心がけています。

 

 

 

 

そして、鼻。

 

私のことは認識しているようで、

 

顔を近づけると、一生懸命クンクン匂いを嗅いで、

 

ゴロゴロ言い出し、スリスリ顔をすり寄せてきます。

 

 

 

 

そして、手。

 

ヒゲが当たるよりも遠くの距離にあるものに関しては、

 

前足を伸ばして、チョイチョイして、チェックします。

 

 

ご飯のお皿の場所をチェックしたり、

 

お皿のどの位置にご飯があるかチェックしたり、

 

段差がどのあたりにあるかチェックしたり、

 

いろんな場面で前足を使ってチェックしています。

 

 

 

 

目が見えたら助かることはたくさん。

 

 

でも、見えないことをマイナスに捉えることなく、

 

自分の持った能力を最大限に使って、

 

他の子と同じように生きていく姿勢・・・

 

 

 

それは本当に前向きなんです。

 

 

 

 

猫特有の『たまをとる』『じゃれる』行為。

 

これも、目が見えなくても、ちゃ〜んとします。

 

 

 

たまに

 

「見えてるんじゃないか?」

 

と疑いたくなるくらい

 

上手に遊びますo(´v`)o

 

 

 

 

目が不自由でも、

 

それ以外の感覚が鋭くなったり、

 

センサーが過敏になったり、

 

するんでしょうね。

 

 

 

 

ハンディを感じさせないくらい

 

他の感覚を巧みに利用し、上手に生きています。

 

 

 

 

 

目が不自由でも、

 

甘やかすことなく、

 

とりわけ手をかけるわけもなく、

 

他の子と同じように育てる。

 

 

それがうちの方針。

 

 

 

 

スパルタだわ

 

と非難する人もいるかもしれませんが、

 

最初から可能性を潰すことはしたくないんです。

 

 

できることを一つでも多く見つけてあげたいから・・・

 

 

 

だから、

 

うちの愛犬とも普通に遊ばせていますし、

 

高いところからジャンプしようとしてるところを無理に止めたりもしません。

 

 

彼なりにできることできないことを見つけているんだと思うから。

 

 

 

彼は彼なりに

 

危ない目にあったら、次はこうしよう!

 

ときちんと学んでいるんです。

 

 

 

犬も猫も、

 

生後4、5ヶ月くらいまでは社会化の時期で、

 

いろんなことを学び吸収する時期なのです。

 

 

今この時期に、こうやっていろんなことを経験することで

 

彼のペースで彼なりに自立して生きていけるすべを学ぶのだ

 

と思っています。

 

 

 

ちなみに、愛犬レインは、寅次郎のことが大好き。

 

 

 

お世話したくてたまらなくって、

 

どこかに行ってしまったら行方を探すほど

 

寅次郎好きなんです笑

 

 

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二人でともに暮らすことで、

 

レインは寅次郎の目となり、パートナーとなるのだろうな

 

と見守っているところです。

 

 

 

なれるのか?笑

 

 

 

 

そして・・・

 

 

目の不自由なわんちゃんやねこちゃんを手にした飼い主さんに

 

少しでも不安を取り除き勇気をあげれるように

 

むやみに手放したりしなくてもいいのだと思えるように

 

これからも寅次郎についてもお伝えしていこうと思っています。