猫の不妊手術(避妊手術・去勢手術)疑問点いろいろ・・・ | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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こんばんはおんぷ

最近猫のことで質問されることが増えました

アラフォー獣医師 浜崎菜央です。


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キャットケアレッスンをしていたり、

どうぶつ基金に登録していたり、

ブログで猫のことをいろいろ書いてアップしていたりするせいか、

多くの方から質問を受けることが増えましたアゲアゲ




遠方の方からも、メールやお電話で相談を受けたりすることもしばしば。


こういうときインターネットってすごいなぁと思います。


だって、

ひと昔前だったら、絶対こういうことってないだろうから・・・





猫にまつわる質問の中で、

『不妊手術』についてのものも結構あります。

やっぱり野良猫の繁殖の問題もあるからか、

犬に比べて多い相談の一つです。



猫の『不妊手術』ってどれくらいから可能なのか?



これはいろんな意見がありますよね。


特に、

元々拾った子だと、正確な誕生日もわからないので、

一体いつ不妊手術したらいいんだ?

と悩むこともあるはず。



基本的には、生後5〜6ヶ月くらいに済ませるのが理想。

特に女の子の場合は発情が来る前に避妊手術をすることが大事。



なぜなら、発情が1度以上きてしまうと、

乳腺腫瘍(人で置き換えていうと乳がん)になる確率が上がってしまうから



生後半年くらいまでに済ませておけば、

かなりの確率で予防することができるんです。




猫の場合は、乳腺腫瘍は悪性のことが多く、

肺に転移してしまうと、

最期は呼吸困難などで苦しんで亡くなるケースも多いんです・・・
涙


本当にこのケースは多いので、

早めに手術をしておいたほうがいい!!

ということは広まっていってほしいなと思っています。


おうちの中で飼っているから、妊娠する可能性は全くないし、手術は必要ない

って思っている人も多いのですが、

最期の亡くなり方を診ている私からしたら、

できることなら早めに手術してあげてほしい


と思っています。



もちろん、全部が全部、乳腺腫瘍になるわけではないので、なんとも言えないのですが、

なったときに回避できない問題があるこの病気に関しては、

手術をして回避してもらえたら・・・


と思っています。


このことを知らないで避妊手術をするタイミングを逃してしまっている飼い主さんも多いんですよね。


もっと早く知っていたら、手術していたのに・・・

というお言葉を聞くことがあります。




どうぶつ基金で捕獲器で捕まった子猫たちを手術する機会もあるのですが、

1kgくらいの子でも手術することは可能です。



捕獲器で捕まったものの小さいからリリースする

というわけにいかないだろうし、

そのまま飼い続けるというわけにもいかないと思うので、

極力1kgくらいの子も手術してリリースするようにしています。


ただ・・・


男の子の場合は、

あまり早く手術をすると、

尿道の発育が途中で止まってしまい、尿道が細くなってしまうこともあるそうで、

特別なケースを除いては、生後半年以上で去勢手術することにしています。




さて・・・


手術をするにあたって、気になることの一つに・・・


傷の大きさ

がありますよね。




男の子の場合は、ほとんどわからない程度の傷で済みますし、

皮膚切開だけで、開腹手術(お腹を開けての手術)ではないので、

日帰りでできてしまうのですが、



女の子の場合は開腹手術なので、

飼い主さんも傷のことを気にされることが多いんです。



傷の大きさはどれくらいなのか?

術後気にしたりしないのか?


いろんなことを相談されます。



傷の大きさに関しては、病院によって様々です。



うちの病院の場合は、1〜2センチほどの傷です。


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(傷が痛々しくて見れないという方もいらっしゃるかもしれませんが、傷のサイズのイメージとしてアップしてます。)



「え?こんなに小さい傷で済むんですか?」


と聞かれることもありますが、


もしも、子宮や卵巣が病気を負っていたり、妊娠していたりする場合は、

もっと傷口は大きくなります。



術後気にするかどうか?

に関しては、個体差があります。


基本的には、手術当日から元気な子がほとんどです。


ただし・・・

痛みに弱いタイプの子は、

やっぱりじ〜っとしていたり、

ちょっと触っただけで痛がったりすることもあります。



もちろん、痛くならないように、

痛み止めの注射をしたり、

傷の部分に局所麻酔を利用して、痛みを和らげたり、

そういった思いやりや工夫はしています。




これまた、病院によってやり方が違うので、

痛みのケアもそれぞれだと思いますが・・・涙



さくら猫になる子たちは、

当然慣れていない子たちばかりなので、

術後1週間くらいで抜糸をするのは不可能ですよね。

そのため、抜糸をしないでいい方法で手術を行っています。



「離しても大丈夫なのですか?」

と聞かれることもありますが、

大丈夫です。


術後もちゃんと元気に生活できますから・・・



ねこちゃんの質問あれこれは、

まだまだたくさんあるので、これからちょこちょこアップしていきますねアゲアゲ