わんちゃんねこちゃんだって自信をつけさせてあげるって大事なこと | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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自分に自信をもつということ、周りから褒められることって、

大事なことですよね。

自信がなくなると、何もやる気が起こらなくなると思うんです。

人だけでなく、わんちゃんねこちゃんたちも一緒。

自信をつけさせてあげるお手伝いをしたいと思っているアラフォー獣医師 浜崎菜央です。


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(先日まで入院してた子。立てなかった後ろ足が何秒間も踏ん張れるようになったのです)




当たり前のことって、なかなか褒めたり、感謝したりすることってないと思うんです。



例えば、生きてることに感謝することってないですよね?


何か病気をしたり、特別な経験をしたことがある人であれば別ですが、

生きていることが当たり前のことで、

毎日生きていることに感謝をしている人って少ないと思うんです。



ご飯を食べることだってそう。


ご飯を食べるために必要なお金を得ることも、

ご飯の材料となっている植物や動物たちの命も、

当たり前のことだけど、それぞれ全部のものに感謝なのです。


でも、当たり前のことすぎて、なかなか感謝することってないんですよね。





それと一緒で、

できて当たり前と思っていると、褒めることってできないんですよね。




感謝されたり、褒められたりすることが少なければ少ないほど、

自信って失っていくものだと思うんです。


自信を失ってしまうと、やる気がなくなってしまうから、

当然、もっと感謝されたり、褒められたりする機会って減ってしまうもの。


そうすると、どんどん『負の連鎖』が生まれてしまうんです。



最終的に、

「自分なんて・・・」

って投げやりになってしまう。




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(このラブちゃんも13歳だったかな?でも、飼い主さんの接し方がパーフェクトだから、元気なのです)




シニア期を迎えると、

耳が聞こえなくなったり、目が不自由になったりして、

今までと同じように生活できなくなってくるんですよね。

不安材料は増えるし、自分に自信もなくなってくるし・・・



おまけに、シニア期の子にもなれば、長いこと一緒に過ごしてきているわけで、

『いるのが当たり前』

『いつもの生活スタイルを過ごしていることは当たり前』

『お手やおかわりができて当たり前』

『トイレができて当たり前』

『当たり前』のことがたくさんになっていて、

飼い主さんが感謝したり、褒めたりすることが減ってきてるんです。



そうすると、

ただでさえ、シニアのサインで、自分に自信がなくなってきているのに、

同時に感謝されたり、褒められたりすることがなくなってしまうと、

「自分なんて・・・」とやる気を失ってしまう負の連鎖が生まれるわけです。




これは、シニア期のわんちゃんねこちゃんに限らず、

後ろ脚が麻痺してしまったり、体が不自由になってしまったりしたわんちゃんねこちゃんでも言えること。
 

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(この子ももう今は足が動くし、おしっこも自分で出せるようにまでになってます)




「もう歩けないんだ・・・」

と感じているうちに、

「歩けないのは仕方がない。」

諦めるようになっていくんです。


同時に、飼い主さん側も、

「歩けないのは仕方がない。」

と受け止めて、

介護ケアを始める。


そうすると、『歩けない』という負の連鎖を生み出してしまうんです。




この『負の連鎖』を打破することで、

問題は大きく変化します
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どうすればいいのか?





簡単なことです。





シニア期のわんちゃんねこちゃんたちに対して、

飼い主さんが当たり前のことを当たり前だと思わず、感謝したり褒めてあげること。



それだけですビックリマーク




「いつもお留守番してくれてありがとう」

「トイレができるなんてすごいじゃない!」

「お手できたの?おりこうさん」


そう言ってあげるだけで、

シニアのサインを感じて、自信を失ってきている子たちは、自信を取り戻すことになるのです。


そうすると、やる気が出てきて、別人になります。


衰えていたはずの動きも、機敏になることもあるし、

あまり喜怒哀楽がなくなってきていたのも、改善してきたりもします。





後ろ脚の麻痺があって、歩けなかったわんちゃんねこちゃんにも、

リハビリを試みて、

1秒でも立てることができたら、

「すごい!」

と褒めてあげることで、

「あ!私、まだまだイケるかも!」

「がんばってリハビリして立てるようになったら、褒められるんだ」


やる気を出すようになるんです。


そうすると、リハビリの効果はペースアップして、みるみるうちに歩けるようになるんです。





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(かかとの位置に注目!)



これは、先日リハビリの集中治療のため入院してた猫ちゃんの後ろ足の写真。



たくさんのリハビリはしてません。

ほんの少しのサポートで、

わずか2日で引きずっていた足で踏ん張れるようになったのです。



1と2は、引きずって来院された当日のもの。
午前のリハビリ後と午後のリハビリ後のもの。

3は、預かった翌日のもの。

4は、預かって3日目のもの。

かかとの位置が変わってますよね?



来たときは動かない後ろ足を前足で踏ん張って歩こうとしていたので、

前足もくの字に固まった状態でした。


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(前足がまっすぐ伸びてなくて、折れ曲がった状態なのです)


でも、数日で後ろ足に力を入れて使うと再認識したことで、

肩の力が少しずつほぐれ、

前足の緊張もなくなりました。


なんと!

普通の猫ちゃんみたいに、

横になって寝れるようになったのです


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(横になってスリスリするくらいにまでに)



そして、箱座りして寝ることもできるようになったのです


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(箱座りにきゅん



横になって寝ることも、

箱座りすることも、

普通の猫ちゃんでは当たり前のことだけど、

この子にとっては、すごいことなんです。




私は

「すごいじゃなーいっ!」

って飛び跳ねて喜んだくらい





大事なことは、当たり前のことを当たり前と思わないこと。

当たり前のことでも、感謝する気持ち。




人もそうだけれど、わんちゃんねこちゃんたちも、

感謝されたり、褒められたりしたいものなのです。



どんなに問題行動がある子でも、

どんなに悪さばっかりする子でも、

必ずいいところが1つ以上はあるはず。



それに目を向けず、

「ダメな子」

というのではなく、


みんなができて当たり前のことだとしても、

「すごいじゃん!」

って褒めてあげることで、

「えっへん!」

となって、いいところを増やそうと思うようになるものなのです。



ともに生きるということは、

ともに学ぶということでもあると思います。

そして、ともに生き、ともに学ぶパートナーとなれたことを感謝すべきだと思っています。


必ず出会いには意味がある。


その気持ちを忘れずに、みんなと接して欲しいなと思っています。