病院を選ぶって大事なこと。 | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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自分の病院を持っておきながら、

病院を選ぶって大事

と書いてしまうわたし…

自ら体験してるからこそ、声を大にして言うのであります

アラフォー獣医師 浜崎菜央です。


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前に書いたことがありましたが、

私は病院に恵まれてなかったと思うことがありました。


毎年子宮がん検診にきちんと行っていた私。

検診から1週間後に病院に結果を聞きに行くと、

「検査結果がまだ出てないんだよね。何か異常があったら連絡しますね。」

と先生から言われ、

20代の私は、検査にひっかかるなんて思ってもいなかったので
(そもそも検診の意味がわかってなくて行っていた節もあり・・・)

連絡がこないのは当たり前と思っていたのです。


それから数ヶ月後、

大量出血があり、検診にいった産婦人科に行くと、

「前の検査でひっかかってたよね?精密検査しなきゃいけなかったんだけど、検査聞きにこなかったんだよね?」

と言われ、

「いやいや、検査の結果を聞きにきたら、まだ結果が出ていないから、異常があったら連絡しますと言われていましたけど?」



「あ!連絡し忘れていたんだ・・・」

と言われてしまったのです。


しかも、その後内診したのですが、

内診後の先生の顔は青ざめて、焦っていました。


なぜなら、相当ひどい状態になっていたから・・・



コレ訴えていいレベルのお話。



それから慌てて大学に回されたのだけど、

これまた対応がすごく悪くって・・・


二次診療だから、事務的な診察になってしまうもんなのでしょうか?

学生が実習にきていて、

その状態で診察を受け、

その後、私と同世代の学生が数名いる目の前で

私は、がん宣告を受けたのであります。


まだ20代で、結婚もしていなければ、子供もいない私に、

同世代の学生が数名いる目の前で

「子宮がんだね。全摘するしかないね。」

とサラッと言ってのける大学の先生。


なんというデリカシーのなさ。


大学に精密検査に行くまでに、私もある程度インターネットで調べていたので、

『全摘』=子宮と卵巣を全部摘出ということは理解できていたものの、

やっぱりショックで・・・


「全摘以外に方法ってないんですよね?」

と聞くと、

「命と引き換えやね」

とこれまたサラッと言われる始末。



病気のことよりも、

デリカシーの無さにびっくり、

ひどい物言いに何だか呆れかえってしまって、

放心状態で帰ったのを覚えてる。




おまけに、大学で、治療方針を話されたのだけど、

抗がん剤治療 → 手術 → 放射線治療

とのことだった・・・



でも、大学の対応の悪さから、

どうしてもここで治療したくない

という気持ちが大きくって、

他の人に相談にのってもらって、

愛知のがんセンターに移動することになったのです。


がんセンターで説明をされたのだけど、

手術 → 必要であれば放射線治療

抗がん剤は適応外

とのこと。


大学の説明と全然違う。


もし大学にお願いしていたら、

子宮がんには効かない抗がん剤をセレクトされ、

効きもしない抗がん剤の副作用で苦しめられて、

どんどん弱り、

しかも転移してしまっていたかもしれない。
(ちょっと極端な物言いだけども・・・)



私は、最初の産婦人科で医療ミスに近いことをされて、

その後大学の対応の悪さに愕然として、

しかも、治療方針がまるっきり違うことを言われていたのだけど・・・


もしも、自分が最初の病院を選んでいなかったら、

もっと早くに気づいて、全摘しないで済んだかもしれない。

もしも、大学から他の病院にうつる!と決めなかったら、

今の自分はいなかったかもしれない。



病院を選ぶのは、患者さん自身。

病院が正しいかどうかわからない。

先生が正しいかどうかわからない。

病院の対応も、先生の対応も、ベストかどうかわからない。



結局は、患者さんにとって納得できるものかどうか?

居心地がいいかどうか?

そこなのだと思う。



今はインターネットなど情報源がたくさんあるから、

時に調べてみることも必要かもしれない。

だって、私みたいに全然違う治療方針を言われることもあるんだから。



私がなぜこのことを書いたか?



高いお金を払って治療しているのに、

間違った治療をしていて、

全く逆の結果になってしまっていることがあるから。


高いお金を払って病院に行っているのに、

先生からありえない対応されていることがあるから。



これは私が以前受けた対応から書いているだけで、

必ずあることではないのだけども。。。


でも、人だけでなく、動物でも、

こういうことってあると思うんです。



飼い主さんがおかしいな?

と気づけたらいいけれど、

「先生が言うのだから、正しいのだ」

とか

「先生に怒られるから・・・」

とか

「先生が言うのは絶対だから・・・」

とか

「どこの病院に行っても一緒だから・・・」

とか思い込んでいることもあるんですよね。




権力的なもので押さえ込んでいることもあって、

飼い主さんが疑問点があって質問すると、

ものすごい勢いで怒鳴りつけることがあったり・・・

「もう治療はやめた」

と放棄してしまうことがあったり・・・
(本当に理不尽なことがあったら、そりゃイラっとすることがあるでしょうけどね)


高いお金を払って治療をするのだから、

やっぱり少しでもよくなってほしいし、

良くならないにしても、一緒に模索しながら歩んでいくことが大事だと思っています。



かくいう私も、なんでもできる獣医師ではありません。

そんなに優れた人でもないし・・・

でも、その分、

わからないことがあったら、その都度調べているし、

大学病院にまわすこともするし、

大学病院で出された結果を元に、再度飼い主さんと一緒に相談しながら治療方針を決めることもしています。



大事なことは、

一緒に歩んでいくということ。




一緒に歩んでいくためには、

お互い信頼している必要があると思うし、

信頼するためにはいろんなものが関わってくると思います。



何より動物病院は、

動物のための病院。



動物に治療をすることを伝えること、理解してもらうことも

一緒に歩んでいくために必要なこと。


そのためには、飼い主さんに理解してもらうこと、信頼してもらうこと。

飼い主さんが不信感をもっていれば、

動物にもその気持ちは伝わってしまうもの。


動物がやりたくないことをはがいじめにしてやれば、

次から動物が協力してくれなくなることは当たり前。



先生がやりたい治療があったとしても、

それは先生がやりたいことなだけで、

必ずしも、動物や飼い主さんが望んでいるわけではない。



もし動物や飼い主さんどちらかが望んでいなければ、

一緒に歩んでいくとは言えないんですよね。



動物が望んでいなければ、

飼い主さんが望んでいなければ、

ハッピーになることはできないんです。



だから、私は自分が提案する治療方針はたくさんあったほうがいいと思うし、

飼い主さんがどれを選んだとしても、一緒に歩んでいこう

といつも思っています。
(時に理不尽なことがあると、モヤモヤしますけどね・・・)



動物病院もいっぱいあります。

自分がちゃんと行きたいところを決めるべきだし、

時に発想の変換は必要だと思っています。


そして、得意不得意は誰しもあるのだから、

必要なことをするために、必要なところを選ぶ

ということも大事なことだと思っています。




私は自分が身をもって実感したので、

声を大にして言いたい。


自分のことは自分で守るしかない。

先生が絶対正しいとは限らない。

そして、先生や病院によって、平気で運命は変わる。


もし私は転院してなかったら、生きていなかったかもしれないから。