シニア期のわんちゃんねこちゃんが思い悩んでいることを理解してますか? | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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こんばんは

年末年始、風邪をひいていた私・・・

良くなったものの、何だかタンが出きっていないような違和感があって

耳鼻科へGOしましたアラフォー獣医師 浜崎菜央です。


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耳鼻科の中待合で待っている間、診察室でのやりとりが聞こえてきました。

老夫婦が診察に来ていて、先生とやりとりしているのですが、

耳が遠くなっているので、み~んな大きな声で話をしていたこともあって、

所々の会話が聞こえちゃうんです



耳が遠くなってきている旦那さんに対して、

大きな声で話しかけなければならない奥さん。


すぐ隣で話したり、大きな声で話しかければ聞こえるのだけど、

自分も歳をとってきているから、大きな声を出して話すのもしんどいとのこと。


そして・・・


旦那さんは、耳が聞こえなくなってきていることや歩き始めにふらつきがあることに対して

不安で仕方がないとのこと。


それに対して、奥さんは、

「歳をとってきているのだから、仕方がないことよ」

となぐさめているのだという。



二人の言い分を聞きつつ、診察を進めていった先生が、


これは老齢性のもの。

いつかはみんなこんなふうになっていく


ということを伝えていらっしゃいました。



旦那さんは、

「老齢性のもの以外に、どこか悪いのかもしれないから、大きな病院に行ってみようか」

と奥さんによく話しているらしく、

そのことを奥さんが先生に伝えると、

「もし本当に必要であれば、大きな病院に私が紹介しますよ。

 今はその必要はないですよ。」

と先生はおっしゃっていました。



このやりとりを聞きながら、

年老いて体が不自由になっていくことに対して

「そんなはずはない。何か病気なのかも」

と受け入れ難く思ったり、

それを目の当たりにして、

不安に思ったり、歯がゆく思ったりするものだよなぁ

と思いました。




どうして、こんなふうにしみじみ思ったか?




このやりとりを聞いて、

まるでシニア犬と飼い主さんの会話を聞いているように感じた

のであります。


中には、飼い主さんが私に話をしているのを見て、

「そういうことじゃないんだよなぁ・・・」

と思っている子もいるんです。


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(わんちゃんねこちゃんたちは、思っている以上に飼い主さんの気持ちを汲み取っています。だから飼い主さんのために耐えぬく子もいるのです。)


この老夫婦のケースは、シニア期のわんちゃんねこちゃんたちにも言えること。

でも、飼い主さんはこのことを理解できずにいることが多いんです。



この老夫婦でさえも、

こんなに会話をしていても、

お互いの意見を受け入れることができずにいるのです。



大きな声で話しさえすれば、聞こえるし、コミュニケーションが取れる。

でも、大きな声で話すのもしんどい。



「歳をとってきているのだから、体が老いていくのは仕方がないことなのよ」

と慰められても、

そんなはずはないと受け入れることができずにいる。



言葉を交わすことができる人間同士

ましては長年連れ添った老夫婦でさえも、

こんなふうにそれぞれ気持ちを切り替えることが困難な状態になっているのです。




言葉を交わすことができないわんちゃんねこちゃんと私たち人間なら、

なおさらすれ違いが起きますよね。




私は、シニア犬を抱えている飼い主さんから、いろんな相談を受けます。


どんな症状で悩んでいたにしても、

だいたいのお家で、すれ違いが起きてしまっているんです



症状を改善するにあたって、

まずは、シニア犬の気持ちを理解してもらう

ということをお伝えしています。



目が見えにくくなっている

耳が遠くなってきている

足が思うように動かなくなってきている


どの変化にしても、わんちゃんはわんちゃんで葛藤してるんです。



そのことを、


あまりにも可哀想に・・・と取り過ぎてもよくないし、


逆に


気づかないで元気なときのように接していることもよくないんです。



どうしてあげることが気持ちの支えになるか、

どうしてあげることが不安を取り除くことになるか、


その子の性格や症状、そして飼い主さんの対応に合わせて、

ベストな接し方をお伝えするようにしています。



すれ違った気持ちが、また通い合うようになるためには時間がかかります。

いろんな気持ちが交差しているから余計に・・・



でも、そんなときに役立つのがペットマッサージでもあるのです。



飼い主さんが穏やかな気持ちで・・・

そして

不安を取り除いてあげるように温かく包み込むように・・・

マッサージをしてあげることで、

気持ちが通い合うことに繋がるんです。 



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(こんなふうに目を閉じてウットリなるくらい心を許してくれるのが理想


ただ単にマッサージだけをするだけでは通い合いません。

必ずシニアの子の気持ちを汲み取ってあげた上で行うこと。



これが必要不可欠です。



例えばどんな風に気持ちを汲み取ればいいのか?

これについてはまた後日お伝えしたいと思います



今日は本当に

シニアの子の気持ちを理解してあげること、

そしてその気持ちを理解した上で、してあげることとさせてあげることを見極めること、

それを改めて考えさせられました。


そして、私はもっとこのことについてお手伝いしたいなと思いましたし、

これからもっともっと広めていきたいなと感じました。