亡くなるまでにできること 死と向き合う大切さ | 【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

【鹿児島⭐︎動物病院から】飼い主さんとペットの絆を深める心の持ち方接し方を提案 獣医師 浜崎菜央

鹿児島で動物病院を経営しつつ、飼い主さんがペットに1つでも多くできることを提案できる場として、ペット関連のイベントや講演をしています。
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こんばんは。

亡くなることは悲しいことだし、できることなら離れたくない。

いくつもの生死を目にする場で仕事をしていても、この気持ちは変わらずあります。

アラフォー獣医師 浜崎菜央です。

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(末っ子ちゃんの最期の頃。大好きでたまらなくって、離れたくなくってさ…)



わんちゃんねこちゃんとずっと一緒に連れ添っていたい。

できることなら離れたくない。

愛していれば、必ず一度は思うはず。


でも、残念なことに、命あるものは終わりがあるし、

わんちゃんねこちゃんたちは、私たちよりも寿命が短いんですよね。


分かっていても、心を整理するのは簡単ではありません。


これは、人でも動物でも同じだと思います。




私のおばを看取るとき、毎日葛藤していました。
(Facebookでも葛藤していることを書いたことあったっけ・・・)


闘病生活はとてもキツイもので、

でも、一生懸命生きていました。


「これは体にすごくいいんだよ」と言って、いろんなことを教えてくれたり、

「今度の治療は見送りって言われたんだ。どうしたらいいかな」と落ち込んだり、

「生かされているということに感謝している」と先祖から守られていることを話してくれたり、

「私が亡くなったらさ・・・」と亡くなってからのことも話してくれたり、

闘病生活とともに、たくさんのことを私に教えてくれました。



私が病院を建てるときも、本当に喜んでくれたし、

私の病院のカウンターに書きたい文面を見て、その英訳をどうするか、心を込めて考えてくれました。

私にとって、おばから書いてもらった英文は宝物なんです。


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(カウンター下の英文はおばが生きた証なのであります。)


カウンターの英文をみるたびに、

おばから守られているハート

といつも感謝しています。




そんなおばが最期病状が悪化し、ずっと寝込んでいたとき、

「キツイのがずっと続くのは見ていても辛い。早く亡くなったほうが楽なのかも」

と思う気持ちと、

「亡くなるのは嫌だ。ずっと生きていてほしい。」

と思う気持ちで入り乱れていました。



もし生きていたとしても、もう話をすることはできない。

もし息をしていたとしても、意識はない。


そんな状態でずっと生きていても、おばは幸せなのだろうか



でも、心臓は変わらずリズムをとって動いている。

心臓はまだここにありたいと動いている。



精一杯生きたという証を残そうとしてるんだ。


最期まで精一杯見守ってあげよう。


そこに行き着きました・・・

死と向き合うことを覚悟した瞬間でした。



そして

「息を引き取る瞬間、逝かないでは禁句。頑張ったねと見送って」

とおばの担当の先生から言われていました。


私も引き止めるべきではないし、後戻りしてもキツイ思いが続くだけ・・・

だから引き止めることなく、見守ろうと決心していました。


ただ・・・息を引き取る瞬間、

「いやだ!逝かないで!」

と引き止めてしまいました。


ダメだ!と我に返り、そのあとは冷静に看取れたものの、

今でも一度引きとめようとしたことを今も後悔しています。



この看取るまでの私の心の動きは、

どんな場合も必要なことだと思っています。



病状を把握すること。

それを元に、相手がどう望んでいるか考えること。

自分がどうあるべきか考えること。

そして、死と向き合うこと。




難しいことだけど、

その人が亡くなるまでの間、周りの人がこのことをするかしないかで

その人の死を受け入れれるかどうか変わってくると思うから。



おばの死は、私にとって、とてもとても大きなものでした。

おじいちゃんやおばあちゃんの死とはまた違う形で、

大人として体験した一番深い死との向き合い方でした。


それを機に、

わんちゃんねこちゃんと飼い主さんとの死の向き合い方をサポートすることも、

私の大事な役割だと改めて認識しました。



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(うちでは神的存在だった16歳のラム。ラムは亡くなる最期まで神的でした。)

シニアの子が病気になることは仕方がないことかもしれない。

そして、それを機に亡くなることもやむを得ないことかもしれない。

でも、それを飼い主さんが理解して、死を受け入れることが大事だと思っています。




ちゃんと死を受け入れられるように病状を伝えることも、

今その子がどうしたいと思っているかを飼い主さんと相談することも、

飼い主さん自身が自分と向き合ってどうしていくか答えを出せるようにすることも、

死と向き合えるようになるまでとことん付き合うことも、

私たちがすべきだと思っています。




人と違って言葉でやりとりすることができないからこそ、

もっともっと葛藤するシーンがあるはず。

私も、末っ子が亡くなるまでの間、たくさん葛藤することがありました。

言葉が話せたらどれだけ救われるだろう・・・

と思ったこともありました。

だからこそ、アニマルコミュニケーションの大切さを実感したのです。


アニマルコミュニケーションを獣医師が語ることはどうなんだろうと思う人もいらっしゃるでしょうが、

それをきっかけに、心の整理がつけば、それはそれでいいのだと思うんです。



死と向き合うのに、正しい答えなんてない。

その人その人が出した答えが正しいのだと思うんです。




ただ、答えを出さずして死を目の当たりにすると、きっと受け入れられない。


だから予期せぬ突然の死は、受け入れがたいものになるのだと思うんです。



わんちゃんやねこちゃんは、飼い主さんの性格や心をちゃんと理解しています。

どういうタイプの人間か、

自分が亡くなったらどうなってしまうか、

全部分かっている。



飼い主さんに合わせて、死と向き合おうとする。


ちゃんと覚悟ができていないなと感じたら・・・

飼い主さんが死を受け入れる状態になるまで、

なるべく命を落とさないように、頑張り続けるものです。



飼い主さんがもう大丈夫と思ったら、

そっと亡くなるもの・・・


シニアの子が亡くなるのは仕方がないことではなくて、

どんな時でも、亡くなること、死と向き合うことが大事だと思っています。

これからも、向き合えるようになるよう、サポートできたらいいなと思います。