2月14日に、沢井箏曲院のStudio Esにて、私の新作曲、 琵琶と十七絃のための「六花」を初演いたしました。
コロナ禍ということで、無観客で行われ、演奏は収録、オンライン配信となりました。
演奏は、筑前琵琶が伊藤純子さん、十七絃箏は吉澤延隆さんです。
初顔合わせにもかかわらず、とても素晴らしいアンサンブルを収録できました。
まずは、是非ともお二人の熱演を聴いてください。
「六花」というのは、雪の異称です。
6になぞらえ、北海道の6つの雪の情景を表現すべく、6拍子の6つのパーツから構成されています。
動画には6つのパーツの副題が字幕で出ていますので、曲想理解がしやすいと思います。
動画の演奏は筑前琵琶ですが、薩摩琵琶で演奏する際には腹板を打つ技法もあり、また違った味わいが出てくると思います。
琵琶という楽器は、演奏人口が全国で1000人足らずと言われています。
さらに生産者が非常に少ないという危機に瀕している上、演奏会で演奏する楽曲もほとんどが語りものの古典だということ。
琵琶人口を少しでも増やして琵琶の魅力を伝えていくというのが喫緊の課題だと言われています。
そんな琵琶の楽器環境に、一石を投じるべく、演奏会向けの親しみやすい現代音楽を書いてみようと思いました。
「コロナ終息後に新しいレパートリーになっていくと良いな」と思っています。
ただ、琵琶は奏法が特殊で制約が多く、私も3ヶ月ほど入門させていただき、楽器を学びました。
ただ座学で作曲するだけでなく、実践することで、長く演奏されていくような、演奏できる作品としての完成度を高めたつもりでいます。
書き始めた当初はコロナが起きるなどと思ってもみなかったのですが、結果的にこのようなことになり、
コロナ終息後に長く演奏されていく作品をオンラインで初演する。
という流れに自ずとなっていったため、今回、文化庁の文化芸術活動の継続支援事業に応募させていただき、支援金をいただくこととなりました。
この支援事業は、コロナの影響を受けた芸術家への国税を使ったサポートですから、様々な活動を手がけていた中で、回り回って日本の伝統文化につながっていくような活動につなげていくべき、だと思い、ちょうど手がけていたこの琵琶の楽曲の企画で応募することにしました。
結果的に良かったと思っています。
今後、プロ、アマチュア問わず、多くの邦楽演奏家に演奏されていくように、楽譜も同時にダウンロードで配信することにしました。
ぜひ購入して、演奏してみてくださいね!
楽譜の購入はこちらです。
琵琶と十七絃箏のための「六花」 中村彩子作曲
演奏時間:約7分
楽譜ダウンロードサイズ:PDF 2.1MB
ページ数:総計11ページ(7ページ五線譜スコア、解説と表紙4ページ)
価格:1,666円 偶然ですが、値段も6並び!!!おそるべし六花!
この初演にあたり、本当に多くの関係者にご協力いただきました。感謝申し上げます。
また、オンラインではなく、観客を入れるホールでの初演は11月に東京で、同じく伊藤さんと吉澤さんの演奏で行われる予定となっています。
その頃には、コロナが落ち着いているといいですねー。