音楽おしごと日記
2021年4月発売「こどもたちへ メッセージ 2021 ピアノの調べ」(カワイ出版)に新作ピアノ連弾曲「月夜の森」が掲載されています。弾いてみてくださいね!




琵琶と十七絃箏のための「六花」。YouTube初演しました。楽譜も販売しています。


  • 14May
    • 「月夜の森」動画配信!

      2021年3月14日に紀尾井ホールで行われた、「第36回こどもたちへ」の初演動画が日本作曲家協議会のYouTubeチャンネルで配信開始されました。1985年から毎年開催されているという歴史あるコンサートですが、今回はピアノだけでなく、初の試みであるヴァイオリンの楽曲もあり、全24曲全ての初演の様子の動画がアップされています。私は、いつものようにピアノ連弾曲での発表です。楽曲の解説はこちらです。今回はコロナ禍で緊急事態宣言中のコンサートであったため、朝岡聡さんのインタビューもなく、ただ演奏のみの動画ですが、解説諸々はこちらのblogに書かせていただきました。ぜひ、演奏の参考にしてくださいね。また、楽譜はカワイ出版より出版されれています。14人の作曲家による小品集 こどもたちへ メッセージ2021 ピアノの調べ (0595)アマゾンジャパン合同会社1,870円初心者向けですので、ぜひコンサートや発表会などで、アトラクション的に取り組んでいただけたら嬉しいです。しかし。毎回この「こどもたちへ」の初演コンサートは緊張しますね。動画でも緊張している様子が伝わってくると思います。というのも、ただのコンサートではなく、当日楽譜が発売されるため、楽譜を見ながら演奏を聴く観客の方もいますし、このように後日楽譜とセットで模範演奏として動画が配信されるので、間違うとすぐにわかってしまうんです。だから、絶対に間違うわけにはいかないという強いプレッシャーがあります初級ピアノの曲とはいえ、このプレッシャーに負けないで演奏するというのが、このコンサートの醍醐味だと思います。(笑)幸い、今回私は間違いはないです。連弾のパートナーの私の生徒、佐々木優花さんも間違いなく完璧に演奏できています。動画を見るまではドキドキでした。でも本当に今、ホッと胸を撫で下ろしています。優花ちゃんと、特訓に特訓を重ねた数ヶ月でした。本当に素晴らしい演奏になったこと、関係者の皆様にも感謝いたします。また緊急事態下において、何事もなく演奏会を遂行できた、スタッフの皆様にも感謝いたします。

  • 14Apr
    • ちいさなちいさなホームコンサート14の画像

      ちいさなちいさなホームコンサート14

      11日(日)札幌市にある渡辺淳一文学館にて、私の教室主催のコンサート「ちいさなちいさなホームコンサート14」を行いました。コロナ禍におけるコンサートということで、コロナ対策はやれることは全てやったつもりです。前半は生徒たちのピアノソロ演奏発表。とても緊張感あふれる雰囲気で、みなさんほとんどがとても緊張していたように感じられました。「失敗しちゃった....」と嘆いている生徒も多かったですが、その原因は練習不足などではなく緊張によるものだと思いました。みんなよく頑張っていましたよ。こう言った緊張の体験が成長に繋がるんですよね。そして、中盤は今年はコロナでアンサンブルの練習ができなかったので、オリンピックイヤーにちなんでクイズ「勝手に作曲家オリンピック〜金メダルはどの国に!?」をアトラクションとして行いました。前半の緊張感とは違い、リラックスしたムードでした。ルールは、簡単。クラシックの各ジャンルの名曲の金メダルを私や教室の生徒で事前に(勝手に)決め、生徒一人一人がピアノで演奏します。そして、観客がその曲を作曲した作曲家の出身国を当てるクイズです。テレビやBGMなどでよく聞く、誰もが知っているクラシックの名曲。けれども普段は誰が作曲した曲なのかって知らない人も多いんですよね。そしてその作曲家がどこの国の人かを当てる....って、結構クイズの内容としては難しいのですが、出題者が国旗をあげて最後に正解を発表すると、観客からもどよめきが....。結構盛り上がって楽しめたみたいで、企画し甲斐がありました。そして、後半は講師演奏。私の作品演奏発表として、3月に「こどもたちへ」で初演、楽譜が発売されたばかりの自作連弾曲「月夜の森」を演奏しました。そして最後は今回のゲスト、ヴァイオリニストの山本聖子さんとのミニコンサートです。山本さんには、クイズにちなんで、ヴァイオリンの名曲の金メダルも演奏していただきました。山本さんはバッハの「G線上のアリア」を金メダルに選んでくださいましたよ。(バッハはドイツの出身です!ということで、ドイツが一番金メダルが多かったです)そして、みんな大好きな「ホール・ニュー・ワールド」、最後は「チャールダーシュ」の迫力ある演奏で無事コンサートを終えることが出来ました。美しいヴァイオリンの音色にうっとりした時間でしたね。今回コロナで出演を見合わせた方や、出演を迷った方もいたのですが、出演者からは「コロナでもやってよかった」「こういう時期に演奏会ができて幸せだ」という声をいただき、本当に嬉しく思いました。そして、何事もなく演奏会を終えることができ、心から安堵しています。教室や関係者の皆様のご協力とご理解に心より感謝しています。次の主催コンサートの時は、コロナが終息していることを願って止みません。

  • 04Apr
    • ピアノ発表会でのコロナ対策の画像

      ピアノ発表会でのコロナ対策

      「感染状況を見て...」と言いつつ、半年以上も経過してしまい、実に2年ぶりの発表会となってしまいましたが、4月11日に札幌教室の発表会「ちいさなちいさなホームコンサート14」を開催いたします。いつものように、前半は生徒の発表、後半は講師演奏とゲスト演奏です。ゲストは、ヴァイオリニストの山本聖子さんをお迎えします。先日の山本聖子さんとの合わせ練習の様子です。ピアノ伴奏は私が演奏します。札幌市では外出自粛要請が出ている中で、また様々な意見がある中で、イベント主催者として、できる限りのことはやらせていただきますが、普段とは違った緊張感でいっぱいです。今後、ピアノ発表会をコロナ禍で行おう、という音楽教室も多々あると思います。その一助になればと思い、私の行っている対策を以下ご紹介させていただきます。アンサンブル曲目をクイズに普段はソロ曲とアンサンブルを行なっていましたが、今回はアンサンブルの練習が難しいということを踏まえ、クイズコーナーを準備しました。クイズ「勝手に作曲家オリンピック 〜金メダルはどの国に!?」と、題しまして、ちょうどオリンピックイヤーの今年、1人1人が出題者となり、各クラシック曲の名曲の金メダルを決めていき演奏。観客がその作曲家の出身国を当てるといった内容になっています。(結構難しい問題もありますよー)リハーサルを省略本番前に行うリハーサルを省略、各々自宅で練習の上、ギリギリに来場してもらいます。観客の連絡先を提出万が一に備え、保健所に提出する資料として観客と出演者の全員の連絡先を把握。北海道コロナ通知システムを導入北海道庁が行う北海道コロナ通知システム。登録できるQRコードを作成。観客は出演者1人につき2人まで会場の座席に対し50%の入場者数に抑える関係で、観客人数を制限させていただきました。残念ですが致し方ありません。ライブ配信観客数を制限した関係で、また聴きに来れない医療従事者のご家族のために、YouTubeLive配信を行います。色々設定が上手くいかないこともあって....すっごーく不安なんですが、配信できなかったらごめんなさい!その時はDVDも撮影していますのでそれでご容赦くださいでも、出演者の遠方のご友人や親戚の方も楽しみにしていてくださっているとのことです。配信後72時間はアーカイブを残しておきますので、出演者もチェックできます。ピアノを弾く前に手を消毒本番中、出番になったらピアノを弾く前に手を消毒することをルールにしています。なるべく短時間で終わらせる曲間のMCを省略し、極力コンサート時間を短縮します。終わった後の記念撮影も省略、舞台花も省略です。本番が終わった人は希望があれば帰って良い、という形にしました。体調不良で休んだ人への返金コロナ対策として当日体調が悪い人は必ずおやすみするという形を取らせていただきました。全額ではありませんが、そういったケースの場合は会費の一部返金も検討する、としています。こんな感じで....思いつくできる限りの事はやらせていただく所存です。あとは、私自身、発表会が終わるまでは怖いので外出しないようにしていることでしょうか。色々省略事項も多く、今までできたことができず、残念なことも多いのですが、こういう時だからこそ、音楽の楽しさを伝えられたらと思っています。実際、コロナが心配で参加を見合わせた生徒もいます。でも、その中でも「やりたい」と声をあげてくれた生徒たちが、「やってよかった!」と思えるよう、安全に催行するためできる限りの努力をしていきたいと思っています。コロナ対策として、一般の方のご来場はご遠慮いただきますが、ぜひYouTubeでライブ配信を覗いてみてください。

  • 24Mar
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      「月夜の森」カワイより4月に楽譜出版!

      2021年もカワイ出版より出版される日本作曲家協議会編の「こどもたちへ」楽譜集にピアノ連弾曲を選んでいただきました。既に楽器店の店頭に並んでいるという話も伺っておりますが、今月末にはみなさまのお手に取ることができるようになることと思います。14人の作曲家による小品集 こどもたちへ メッセージ2021 ピアノの調べ (0595)Amazon(アマゾン)1,870円今回掲載されている曲は、「月夜の森」という曲です。組曲「月夜の森のダンスパーティーより」という副題がついているので、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、2017年に出版した「ウサギのタンゴ」と同じ組曲の楽曲です。(「ウサギのタンゴ」の楽譜集はこちら)27人の作曲家によるピアノ小品集 こどもたちへ メッセージ2017 世界のおどり編(2) (0575)Amazon(アマゾン)1,870〜3,979円この組曲は、私が小学4年生の時に作曲した楽曲で、様々な動物たちが集まって夜ダンスパーティーを催すというストーリーになっています。今回の「月夜の森」は、そのダンスパーティーのオープニング。神秘的な月が昇るのを合図に動物たちが集い、森がざわめく様子を表現しています。思うのは、こどもの時に作曲した作品って、メロディーのひらめきが素晴らしくて、敵わないんですよね。ただ、表現法はやはり子供っぽいので、大人になった今の私が色々と大人っぽい味付けをしています。そんなリメイクをして連弾曲として仕上げていますので、月の表現など独特な和声を使用しています。ドビュッシーの「月の光」やベートーヴェンの「月光ソナタ」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、メロディの陽旋法は、実は小学生の時に作曲したもの。当時は旋法などという言葉も知りませんでしたが、旋法がエキゾチックな月を表現するというイメージは教えられずとも無意識にあったのかもしれません。(当時ドビュッシーの「月の光」みたいな感じをイメージしていました)こども向けの曲ですが、ちょっと大人っぽい神秘的なイメージで演奏してみてくださいね。連弾「月夜の森」は、3月14日に紀尾井ホールで初演されました。連弾の共演は私の札幌教室に通う、佐々木優花さんです。偶然にも小学4年生で、私がこの曲を作曲した時と同い年の女の子です。今年はコロナでどうなるのかと不安でしたが、結局緊急事態宣言が明けぬまま、コンサートは厳戒態勢で行われました。例年のようなサイン会や観客との交流もなく、出演者ももちろん観客もピリピリした様子でしたが、多くの方々に来ていただき、「こんな時だからこそ、音楽に癒された」「本当に久々にクラシックコンサートに行けて嬉しい」という声を多くいただき、感激しています。このお話が来た時に、私自身、まさか緊急事態になるなどとは予想できておりませんでした。そのような時に、北海道から東京へ仕事とはいえ子どもを連れて移動するのはいかがなものだろうかとも思ったのですが、皆さんからこのような温かい応援の言葉を多くいただき、優花さんも一生忘れ得ない自信に繋がったことと思います。とにかく、無事に終わって本当にホッとしています。優花さんもとても頑張ってくれ、大舞台をやり遂げました。諸々、支えていただいた皆さまにはとても感謝しています。「神秘的なイメージで」とレッスンの時に私が指導していたのを聞いて、優花さんのお母様がちょっと大人っぽい紺色のダンスパーティーっぽいドレスを調達してくださいました。史上初の緊急事態下の初演....。ある意味、歴史的な演奏かもしれません。当日の演奏は、後日、日本作曲家協議会のYouTubeチャンネルにアップされますので、ぜひ聴いてみてください。ぜひ楽譜お買い求めくださいね。そして演奏の動画はもうしばらくお待ちくださいね

  • 25Feb
    • 無観客オンライン初演の画像

      無観客オンライン初演

      2月14日に、沢井箏曲院のStudio Esにて、私の新作曲、 琵琶と十七絃のための「六花」を初演いたしました。コロナ禍ということで、無観客で行われ、演奏は収録、オンライン配信となりました。演奏は、筑前琵琶が伊藤純子さん、十七絃箏は吉澤延隆さんです。初顔合わせにもかかわらず、とても素晴らしいアンサンブルを収録できました。まずは、是非ともお二人の熱演を聴いてください。「六花」というのは、雪の異称です。6になぞらえ、北海道の6つの雪の情景を表現すべく、6拍子の6つのパーツから構成されています。動画には6つのパーツの副題が字幕で出ていますので、曲想理解がしやすいと思います。動画の演奏は筑前琵琶ですが、薩摩琵琶で演奏する際には腹板を打つ技法もあり、また違った味わいが出てくると思います。琵琶という楽器は、演奏人口が全国で1000人足らずと言われています。さらに生産者が非常に少ないという危機に瀕している上、演奏会で演奏する楽曲もほとんどが語りものの古典だということ。琵琶人口を少しでも増やして琵琶の魅力を伝えていくというのが喫緊の課題だと言われています。そんな琵琶の楽器環境に、一石を投じるべく、演奏会向けの親しみやすい現代音楽を書いてみようと思いました。「コロナ終息後に新しいレパートリーになっていくと良いな」と思っています。ただ、琵琶は奏法が特殊で制約が多く、私も3ヶ月ほど入門させていただき、楽器を学びました。ただ座学で作曲するだけでなく、実践することで、長く演奏されていくような、演奏できる作品としての完成度を高めたつもりでいます。書き始めた当初はコロナが起きるなどと思ってもみなかったのですが、結果的にこのようなことになり、コロナ終息後に長く演奏されていく作品をオンラインで初演する。という流れに自ずとなっていったため、今回、文化庁の文化芸術活動の継続支援事業に応募させていただき、支援金をいただくこととなりました。この支援事業は、コロナの影響を受けた芸術家への国税を使ったサポートですから、様々な活動を手がけていた中で、回り回って日本の伝統文化につながっていくような活動につなげていくべき、だと思い、ちょうど手がけていたこの琵琶の楽曲の企画で応募することにしました。結果的に良かったと思っています。今後、プロ、アマチュア問わず、多くの邦楽演奏家に演奏されていくように、楽譜も同時にダウンロードで配信することにしました。ぜひ購入して、演奏してみてくださいね!楽譜の購入はこちらです。琵琶と十七絃箏のための「六花」 中村彩子作曲演奏時間:約7分楽譜ダウンロードサイズ:PDF 2.1MBページ数:総計11ページ(7ページ五線譜スコア、解説と表紙4ページ)価格:1,666円  偶然ですが、値段も6並び!!!おそるべし六花!この初演にあたり、本当に多くの関係者にご協力いただきました。感謝申し上げます。また、オンラインではなく、観客を入れるホールでの初演は11月に東京で、同じく伊藤さんと吉澤さんの演奏で行われる予定となっています。その頃には、コロナが落ち着いているといいですねー。

  • 26Jan
    • 演奏会のお知らせの画像

      演奏会のお知らせ

      コロナのせいで、本当に久しぶりになってしまったのですが、2月と3月にコンサートのおしごとがあります。まず、こちら日時:2021年3月14日(日)14:00開演 13:15開場場所:紀尾井ホール (東京都千代田区紀尾井町6-5/JR・東京メトロ「四ツ谷」駅より徒歩6分、東京メトロ「赤坂見附」駅より徒歩8分)入場料:一般全席指定 2500円出演:朝岡聡(司会)ほか主催・問い合わせ:(一社)日本作曲家協議会3月14日に、紀尾井ホールで行われる「こどもたちへ」に出演します。今回は24人の作曲家がこどもむけのピアノやヴァイオリンの楽曲を発表します。私は、2017年の「こどもたちへ」で、発表した「ウサギのタンゴ」と同じ組曲から、「月夜の森」というピアノ連弾を発表します。ウサギのタンゴはこちらこの組曲は、私が小学4年生の時にヤマハのJOCで発表した曲です。今回の曲は、神秘的でちょっと大人びた曲なのですが、(ウサギのタンゴもちょっと大人っぽかったですね)こどもの時に作曲した、とってもシンプルなメロディを大人の今の私が手を加えてリメイクしました。ドビュッシーやベートーヴェンがなどがよく使う和声を順次進行させる「月の表現」や、ラヴェルなどで出てくる同じメロディを繰り返しているけれど和声を変えて伴奏が出てくるとか....そんなクラシックの作曲手法を取り入れつつ連弾にしてみました。また、これは小学生の時のオリジナルがそうなのですが、メロディに日本音階の陽旋法が出てくるので(小学生だった当時は旋法なんて知りませんでしたが....)、そのアイディアを存分に生かした伴奏をつけています。新型コロナ感染予防のため、コンサートのチケット一般販売はありませんが、私の方でチケットは若干枚数手元にありますので、入場ご希望の方はご連絡ください。感染予防対策は徹底して行い、検温などのほか、楽屋と客席の出入りも無しで、全席指定、収容率50%以下で入場制限を行います。来られる方はどうか、安心してお越しください。また、紀尾井ホールにお越しになれない方も、この日の演奏の様子は、YouTubeにアップされる予定です。例年3ヶ月ほどでJFC(日本作曲家協議会)のチャンネルにアップされていますので、お楽しみにしていてください。加えて、いつも通り、3月にカワイ出版より楽譜も出版されますので、こちらも書店楽譜店でぜひ購入して弾いていただけたら嬉しいです。そして、2月には、別の新作曲の初演を初の無観客で行います琵琶と十七絃箏のための「六花」という作品です。こちらは、コロナ禍における、文化芸術活動の継続支援事業として文化庁に助成を採択いただいたものです。元来、委嘱があり琵琶の曲を書いていたのですが、コロナで初演の見通しが立たなくなっていました。そこで、あえてオンラインを使って初演を行う企画を立て、文化庁にコロナ禍での芸術継続事業として申請したのです。支援金は演奏家への出演料や経費、感染予防対策に充てるプランとなっています。六花(ろっか)と聞くと北海道の人ならば、六花亭というお菓子屋さんを思い出すと思うのですが、実は六花というのは、雪の異称です。雪の結晶は六方晶形の形をしていることから、そのように呼ばれます。私の楽曲では、北海道で見られる6つの雪の情景を琵琶と十七絃箏で表現しています。秋の終わりに雪がちらつく場面から始まり、最後は春の訪れで残雪が残る景色....というように、北海道で見られる一冬の雪の景色を時系列に追っているというわけです。楽曲の詳細は初演後の映像が出ましたら、blogにも改めて書きますが、初演の映像は撮影、編集を経て2月末までにはYouTubeで公開します。演奏は、琵琶が伊藤純子さん、十七絃箏は吉澤延隆さんです。ちなみに、伊藤純子さんは、筑前琵琶の方ですが、薩摩でも他の琵琶でも演奏は可能なように書いています。薩摩の場合は腹板を打つ奏法などもありますので、筑前の初演とはまた違った味わいがあるかと推測しています。楽譜は、初演の映像の公開と同時に五線譜をダウンロード販売します。琵琶という楽器は、レパートリーが少ない楽器だそうです。アマチュアでも演奏できますので、ぜひ楽譜をお求めいただいて、コロナ後の邦楽演奏会で多くの方に演奏していただけたらなあと思っています。どちらの演奏会も、詳細につきましては、近くなりましたらblogに改めて掲載します。

  • 31Dec
    • 今年の年越しの風景は....の画像

      今年の年越しの風景は....

      お久しぶりのblogになってしまいましたが、気がつくと今年もあと何時間かということになってしまいました。毎年恒例になっていますが、今年を振り返って、今年の総括を書きたいと思います。2020年はコロナで、音楽をはじめとした文化業界は大打撃の年でした。私ももちろん、コロナの影響を受け、仕事の多くがキャンセルされる事態となってしまいました。最初のうちは、どうしたらよいかわからなくて、不安だらけでしたが、人に会わない時間が増えたからでしょうか、自分と向き合う時間が増え、心のあり方を考える1年になったと思っています。今年はこのblog記事の少なさでもわかるように(笑)目立った活動はほとんどありませんでした。でも、こういう時期は、今の私にとって必要だったのかもしれないな、と最近思い始めています。病気になった時もそう思ったことがあるのですが、強制的に休まされる時って、うまくいっていたり、外側の事項に気を取られている時には、見えないものが見えてくるものなんですね。ただ、幸いにも、このコロナ渦中でも、私はまだ音楽で生き残っていますし(諦めた方も多いと聞きます)、生き残った者ができる限りで業界を回していかなければ、日本の文化芸術の灯は消えてしまいます。そんな社会的責務も感じつつ、今年の後半から恐る恐る少しずつ動き始めました。そうすると、各方面から反響が少しずつ返ってきまして、今は、いくつかのプロジェクトを並行して行なっています。どれもコロナの感染状況が微妙に絡んでいて、まだ正式にアナウンスできる段階ではないのですが、作曲本の著書出版、カワイ出版より新作ピアノ連弾曲の楽譜出版、こどもたちへ(紀尾井ホール)出演、琵琶の新作のYouTube初演、今年中止した札幌教室の発表会、今年延期になった相模原邦楽アンサンブルの定期演奏会での初演、作曲家仲間グループでの作品展....などなど。が、来年は今のところ予定されています。そして、年の瀬も押し迫る頃、久々に劇伴系の仕事をいただきました!年明けが締め切りということで、今年、私に年末年始はありません。でも、コロナで仕事がなかったし、声をかけてもらえただけで、すごく感謝しているので、とても嬉しいです。今年の年越しの風景は...このようなDPのDTMの画面になりそうです。注※ このblogには何度も書いていますが、私はDigital Performerのことを「デジパフォ」と略するのは気恥ずかしいので、私はDPと略すのをポリシーとしています。少なくともアメリカではDPとみなさん言ってますし...(笑)こちらも、アナウンスできる結果が出ることを楽しみに....。ということで、来年はみなさんにお知らせできるニュースが多いといいなと思っています。頻繁に更新しないにもかかわらず、多くの皆さんがこのblogに来てくださったことに感謝。どうか、2021年もよろしくお願い致します。追伸:仕事だけでなく、最後に先日届いたお正月らしい風景を。こちらは、ふるさと納税させていただいた神奈川県山北町の返礼品のおせち料理です。私は、ふるさと納税は、芸術、文化、教育のいずれかに使い道を指定できる自治体にすることにしています。山北町では、町にある古城の修復と研究に使用される、とのことでしたが、後で知ったのですが、なんと、その古城は私の母方の先祖が居城していたお城なのだそうで驚きました。(母方の苗字はすごく珍しいので先祖がすぐわかります)「こりゃ....先祖に導かれちゃったな」、って思いました。1月1日だけはお休みにして、先祖の地のおせち料理をいただこうと思っています。(北海道は31日におせちを食べるのだが....)では、よいお年をお迎えください。

  • 10Oct
    • 夢を叶えるピアノレッスンの画像

      夢を叶えるピアノレッスン

      現在、札幌教室に通っている中学生が、ドビュッシーの「月の光」を弾いてみたいと言い出しました。部活や勉強で忙しい中学生。ついつい習い事はおろそかになることが多い中、クラシック音楽に興味を持ったのは嬉しいことではあるのですが、正直に言うとその生徒はレベルが「ベルガマスク組曲」を演奏するまでには至らないのです。そこで、私が用意したのは全音ライブラリーのこちらの楽譜。ドビュッシーピアノ小品集 全音ピアノライブラリーAmazon(アマゾン)256〜3,869円「月の光」は名曲ですので、数多くの編曲版が出ているのですが、こちらの全音から出ている「ピアノ小品集」の中にある編曲版は、とても緻密に原曲の雰囲気を生かしたアレンジで、ブルグミュラーくらいのレベルで演奏できます。実は、私も小学生の頃にこの編曲版を発表会で弾いたことがあるので、使い捨ての編曲が多い中、かなり古くからあるものだと思います。非常に原曲の芸術性を抑えていて、聞き映えのするアレンジ版だと思っています。ブルグミュラー程度で原曲の奥深さを学べるわけなんですね。特記すべきは、原曲は変ニ長調(Des dur)8分の9拍子なのですが、こちらはハ長調(Cdur)4分の3拍子に変えてあること。8分の9拍子を4分の3拍子にするということは、全て8分音符を3連符に置き換えるということなのですが、そのアイディアに脱帽ですですから、原曲に頻発する2連符や4連符はただの八分音符になります。このように、譜面上では全く別の曲のようなのですが、お見事に原曲を再現していて、「このアレンジャーのTran.A. Richterって何者なんだろう?」と、いつも思っています。(情報求む!ちなみに楽譜には著作情報があり、Editions Jobertというパリの出版社になっているので、フランスでアレンジ、出版されたものではないかと思っているのですが….)このように、私は生徒の「この曲を弾きたい」と言う夢を叶えることには意味があると思っています。通常のレッスンでは、なかなか希望ばかりは聞いてあげられないのですが、発表会があるときはいつも「弾いてみたい曲はある?」と生徒の希望を聞くことにしています。クリスマスじゃないけれど、発表会の時は、いつも教則本をやっている生徒の「弾きたい」を叶えてあげる年に1度(正確に言えば1年半に1度ですが)の機会だと思っているのです。なので、発表会には、その生徒のレベルと楽譜に合わせて、極力その「弾きたい」を叶えてあげる努力をすることにしています。子どもに希望を聞くと、「ええっ?」と言うようなものも出てきますよ。笑時には他のピアノ教室なら「却下」されてしまうような曲もあります。けれど、子どもの言葉を真に受けて(笑)、楽譜を探すことにしています。今まで楽譜を探すのに苦戦した曲も数多くありましたねー。今でこそ楽譜が出ていますが、当時は著作権の問題で出版物がほとんどなかったマイケル・ジャクソンとか、リリースしたばかりの「嵐」の新曲の楽譜とか。先日、高校生になった元生徒に久しぶりに会ったら、「俺、初めての発表会、「水戸黄門」のテーマ演奏したんだぜー。彩子先生じゃなきゃ絶対無理だよねー」って笑っていました。ちなみに、ドラマ「水戸黄門」のテーマ曲は「あゝ人生に涙あり」と言う題名だって知っていましたか?(「人生楽ありゃ苦もあるさ~」です。)笑本番では、客席から爆笑が起こったのをいまだに覚えています。他の教室なら一蹴されてしまう曲かもしれませんが、彼にとってはそれが楽しく、いろんなジャンルの音楽に興味を持つきっかけになり、今は軽音部で活動していると言うのですから、意味があったのだと思っています。先日も「駅の発車メロディをピアノで弾いてみたい」と鉄道ファンの小学生の男の子に言われました。彼はなかなかレッスンのモチベーションが上がらないと言うこともあり、少しでもモチベーションアップになればと思い、副教材的に入れてみようと思って見つけ、楽器店に取り寄せていただいたのがこちらの楽譜。鉄のバイエル―鉄道発車メロディ楽譜集 JR東日本編Amazon(アマゾン)1,798〜6,380円先日Facebookの方で、賛否両論ご意見をいただきましたが…確かに話題騒然な本であることは間違いないようです。「バイエル」と言いながらちょっと難しい楽譜があったり、ピアノで演奏するには微妙な部分があったり…まあ、少々難はありますが、おそらく小学生の生徒は大喜びすることと思います。演奏したい曲を演奏する。とてもシンプルなことだし、私は夢を叶えるお手伝いしかできませんが、近くで見ていて、その夢を叶えたという小さな体験がいかに自信に繋がっていくかと言うことを感じています。残念ながら、今年はコロナの影響で、札幌教室の発表会はなく、東京品川教室も先月4ヶ月遅れで実施しました。来年は、全員の夢を叶えてあげられるといいなあ。先月の発表会での「キューピー3分クッキング」のテーマを台所用品で打楽器アンサンブルした練習風景です。クッキングなので、給食当番みたいな衣装やエプロンで演奏しました。みんな、楽しそうですね....やっぱり演奏したい曲を演奏していると楽しいんですねえ....

  • 05Sep
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      秋だけど...春のピアノコンサート

      新型コロナによる緊急事態宣言で、4月に予定していた東京・品川教室の発表会「春のピアノコンサート」が5ヶ月延期。ついに9月13日(日)に、東京新宿区早稲田にあるトーキョーコンサーツラボで行われます。主催は、早稲田こどもピアノクラブの高橋先生。前回に引き続き、私の教室の生徒はここの発表会に合流させてもらう形で参加します。4月の本番に合わせて練習してきた皆さん。半年近くも延期になり、キャンセルされた方もいて、すごく残念です。また、なかなか同じ曲をさらに5ヶ月練習すると言うモチベーションも続かなくなってしまった人も多かったため、多くのプログラムを変更しました。そして、もう一つ。コロナ対策した上での演奏という点でもプログラムが変更になりました。当初、私の教室では、教室全員での出し物として、1台のピアノをみんなで演奏する企画を立てていましたが、かなり出演者が密着するため、打楽器アンサンブルをすることにしました。曲目はこちらキューピー3分クッキング!!!この番組のメインテーマは、クラシック楽曲で、イエッセルという作曲家の「おもちゃの兵隊の行進曲」という曲なんです。動画を見てもキューピーさんたちはソーシャルディスタンスを保っていると思いませんか?コロナ時代にふさわしいアンサンブルかと思いまして....とっても楽しい、私の教室らしいアンサンブルになると思います。何が出るかは当日のお楽しみコロナ対策として、入場人数を制限していますので、13日に会場に見学にお越しになりたい方は、私の方までご一報ください。コロナの影響で、今年の演奏会のほぼ全てがキャンセルになってしまいましたが、コロナ後初めて行う小さなコンサートです。演奏会の進行や、出演者の指導はもちろんですが、感染対策もしっかりと行い、安全に演奏会を終えたいと思っています。

  • 24Jul
    • 「ボレロ -手軽な楽器で楽しくアンサンブル」の画像

      「ボレロ -手軽な楽器で楽しくアンサンブル」

      2019年4月のコンサートで初演した、「ボレロ」の編曲楽譜をPiascoreでダウンロード販売することになりました。販売サイトはこちら「ボレロ」より -手軽な楽器で楽しく簡単アンサンブル/モーリス・ラヴェル (アンサンブルリコーダー,初級) saikomusic - Piascore 楽譜ストアオーケストラの名曲として名高いラヴェル作曲の「ボレロ」を身近な楽器のためのアンサンブルにしました。 ソプラノとアルトのリコーダーアンサンブルをメインとし、2パートのパーカッションとピアノの伴奏が付いています。 パーカッションはシロフォンとジャンべとなっていますが、シロフォンは使用する音が少ないので小さな卓上木琴でも十分ですし、ジャンベがなければ手で 膝を打ってリズムを刻むことでも代用できます。 誰もが知る名曲を楽しく身近に感じられるよう、原曲の和音や音の重なりを大切に活かしつつ、子どもでも簡単に楽しめるアレンジ。 音楽教室や学校、サークル、音楽イベントなど...あらゆる場所で華のある演目になることでしょう。 スコア11ページ、全パート譜11ページstore.piascore.comクラシックの名曲であり、モーリス・ラヴェルの代表曲である「ボレロ」。コンサートでは、音楽教室の生徒や生徒の保護者が身近な楽器を持ち寄ってアンサンブルしたため、編成はソプラノリコーダー、アルトリコーダー、パーカッション(木琴、ジャンベ)、ピアノとなっています。ジャンべはなければ膝を打つなどのボディパーカッションでも代用可能。日本の一般家庭にある楽器を使って誰でも簡単にクラシックの名曲に親しむことができるアレンジです。また、PiascoreはPDFで楽譜がダウンロードできるだけでなく、タブレットやスマートフォンにも対応可能。首を振ったり、ウィンクすることで譜めくりができると話題になっているアプリです。楽譜の表紙の写真は、今年1月にフランスのモンフォール・ラモリーに行った時に自身が撮影したもの。この少し風変わりな外観の家は、ラヴェルの晩年住んだ家。この家で「ボレロ」も作曲されたということです。参考音源として、YouTubeに音源をアップしています。なぜ参考音源なのかと言いますと、模範になるほど上手な演奏ではないからですというのも、各パート私自身が一人アンサンブルで演奏、多重録音していまして、少々の間違いやら、音程の狂い、ずれなどありますのでお許しくださいーという状態だからです。特にソプラノリコーダーなんて、小学生の時以来じゃないかなあ。教育楽器だと侮るなかれ。きちんと音程を出そうと思うと、ロングトーンやら何やら、基礎練しないと難しいです。とはいえ、曲のアレンジの参考にはなると思います。ぜひ楽譜をお求めの際は、聴いてみてくださいね。でも、久々に楽しかったなあ。一人宅録レコーディング。DTMの機材を買っただけあります。(笑)ところで、この情報をオフィシャルウェブサイトに掲載しようと思ったら、Wordpressのバージョンの関係でしょうか、新しい記事が掲載できなくなっていました。ということで、やむなく、ウェブサイトをリニューアルしました。思えば、ウェブサイトは1年も新しい記事をアップしていませんでした。別に放置していたわけじゃないんですが....今年は新型コロナの影響で、コンサートやら何やら、すべての予定がキャンセルされてしまったんですよね。だから、掲載する新しい情報がなかったわけなんです。なんだかフェミニンな感じになってしまいました。まあ、女流作曲家だからいいのかな。http://www.saikomusic.comではでは。ぜひ、音楽会やレクレーションなどで「ボレロ」演奏してみてくださいね!

  • 24Jun
    • 最近のDTM的お買い物の画像

      最近のDTM的お買い物

      先日、長年使っているヘッドフォンのパッド部分が破れてきてしまい、「新しいのに買い替えなきゃなー」と思って調べていました。主にヘッドフォンはDTMに使うので、単に音が良ければいいというものではなく、あまり色付けがなく、フラットな音に聞こえる商品が絶対条件なのですが、これってなかなか店頭で試聴してみてわかるものではないですよね。店頭だと音楽制作の現場と環境も違うし、同じ曲を同じ環境で聞き比べてみないとなんとも言えないわけで。まあ、だからいつもある程度の品質で探した上で、レビューだけをみてえいや!で購入してしまいます。それで買ったのがこちら。立派な箱!オーディオテクニカATH-M40x早速、自身の作品を制作現場環境で聴いてみます。な、な、なんと全然今まで聞いていた曲のイメージと違います。軽くショックです。高音域がクリアーで透明感がある感じがします。ウィンドチャイムなどはちょっとシャリシャリ感があります。また低音も割とくっきりと自然に聞こえてきます。音の輪郭がくっきりしていて、乱視のメガネをかけた時みたい(...って、わからないか。私は視力が悪く若干乱視が入っているので、近視だけのメガネをかけると少しだけ輪郭がぼやけて見えるんです...)だけど、実はこれって、今まで使用していたヘッドフォンがフラットでなかったのかもしれません。特に輪郭がぼやけていたというのは、エフェクトか何かで低音が強調されていた可能性もあります。たかがヘッドフォンですが、されどヘッドフォン。モニタースピーカーにも同じことが言えますよね。そして、ハンディレコーダーも以前から欲しかったので、この際一緒に購入しようと思い探しました。ピアノの録音をしたいので、やっぱりZOOMのH6Zoom H6 Handy RecorderThe H6 is the ultimate portable recorder. With its advanced preamps and interchangeable capsules, the H6 delivers unmatched versatility and award-winning quality.www.zoom.co.jpかなあと思っています。こちらは取り寄せ商品のようなので、実際に現物を触ってから購入しようかと思い、結局一緒には買えなかったのですが、音の広がりや柔らかさがいいなあと今の所気に入っています。この手の機材は、レビューだけでネットで購入するのも悪くはないのですが、最終的にはやはり現物を見て触ってみるかみないかで、その商品を気に入って長く使えるかどうかを決定づける気がしています。なので、コロナ自粛が明け、お店が再開された今、DTMのお買い物を着々と進めているところです。DTMのお買い物といえば、先月筝の音源も購入しました。音源ソフトはネットで購入するのが標準なので、自粛中でも便利ですよね。筝姫かぐやというKONTAKT playerベースのもの。名前が可愛いというか、ちょっと恥ずかしい....でも結構便利に使っています。DTMは私の得意分野では決してないのですが、仕事柄避けて通れない部分だと思っています。ずっと独学してきたので、わからないことが出てくると、楽器店やバンドマンのお兄さんをとっ捕まえて聞いたりしています....大切なのは、日々勉強と情報収集、経験なんだろうなあと思いつつ、進化しています。

  • 31May
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      「新北海道スタイル」導入

      4月23日から約1ヶ月半に渡り、札幌も東京品川も音楽教室業務を全て休業してきましたが、緊急事態宣言の解除に伴い、6月から業務を再開します。ところで、今、北海道では、鈴木直道知事が「新北海道スタイル」という提言をしていて、道内各地でこの言葉をよく聞くようになりました。このようなピクトグラムを見かけたことのある北海道民も多いのではないでしょうか。実は、1ヶ月半の音楽教室業務休業で、少なくとも1ヶ月間は教室業務の収入がゼロになったということもあり、私はメインの教室が札幌市にあるということから、北海道庁より休業協力支援金をいただきました。そんなわけで、私も鈴木知事の「新北海道スタイル」を札幌の音楽教室に6月以降導入して行きたいと思っています。生徒の保護者の方からは「先生!レッスンなくても月謝払います。だって先生悪くないから」なんて、ご心配の声もいただきましたが(笑)大丈夫です、北海道庁の支援のおかげで少なくとも1ヶ月半の音楽教室分の金銭的損失は補填できたと思っています。もちろん、私の収入は音楽教室だけではなく、作曲活動もかなり影響を受けたのが実情ですが....。けれども、休業協力金をいただき、新北海道スタイルを導入する、というのは生徒の皆さんにも安心してもらえる最善の解だと思っています。北海道庁は各事業者に「7つの習慣化」を呼びかけています。私もこれを自身の音楽教室に当てはめて、このように方針を掲げてみました。講師はマスクをしたままレッスンを行い、生徒の交代ごとに手指を消毒します。講師が体調が優れない場合は休講にするほか、生徒の体調不良の場合は日程の許す限り無償で振替を行います。生徒の交代ごとに5分間の換気をします。手が触れる部分はレッスン前に消毒を行うほか、ピアノの鍵盤などはマメに清掃を行います。1対1の完全個人レッスンとし、付き添いは極力遠慮していただきます。当面の新規入会の面談はご遠慮いただきます。生徒はレッスン前に必ず手を洗うこととし、マスクの着用をお願いします。この取り組みを広く教室関係者に知っていただきます。この宣言は北海道庁にもお送りさせていただきました。また、東京・品川教室も、北海道ではないですが、これに準じた方針でレッスンを行いたいと思います。ちなみに。ピアノの鍵盤はアルコールで消毒してはいけません私はあまりにピアノがかわいそうだろうと思い、やっていませんでしたが、コロナ以降、かなりこれでピアノの修理が必要になるケースが増えているそうです。手を洗うこと、こまめに拭き掃除をすること...が一番ではないかなと思っています。こちら、すごく参考になりますよ今年7月に予定されていた相模原邦楽アンサンブルの定期演奏会や、発表会など、委嘱などを受けたコンサート系のお仕事はほとんど中止、もしくは延期となってしまいました。しかし、この1ヶ月半、休業中にコツコツと作曲作品をハイペースで進めてきましたので、コロナ収束次第、この1ヶ月半の活動の成果を皆さんにもお知らせできる日も近いのではないかなと思っています。明日からは6月。気持ちを新たに音楽おしごとをリスタートさせたいと思っています!

  • 24Apr
    • 臨時休業いたします

      臨時休業なんて、飲食店やデパートのお話かと思っていましたが、北海道知事による休業要請の会見を受けまして、私の札幌の音楽教室でも2020年4月23日(木)〜5月6日(水)の期間、臨時休業することを決めました。実は、最近は、コロナウィルスが自身の近くまで迫ってきていることを肌身で感じるようになってきています。完全個人レッスンとはいえ、消毒などの細心の注意を払っても、音楽教室を続けていくことに私自身も大変なプレッシャーを感じてきていました。4月29日に予定されていた、東京品川教室の発表会も延期になりました。そして、4月は東京にレッスンに行くことも自粛することにしました。それでも、札幌は徒歩圏で通える生徒が多いため「ぜひやってほしい」という声が多く、通常どおり続けていたのですが、状況を見て安全にレッスンできる保証がないと判断したため、音楽教師として、そして事業者の責任として休業を決めさせていただきました。というわけで、当面の間、品川も、札幌も音楽教室の業務は休業します。緊急事態宣言が延長された場合は、その後も状況を見て判断いたします。ところで、昨日、衝撃的なニュースが飛び込んできました。女優の岡江久美子さん死去のニュースです。私は、15年ほど前に岡江さんが司会を務める「はなまるマーケット」にVTR出演したことがあります。音楽が苦手な子でもカスタネットでアンサンブルを楽しめる、という趣旨で番組に拙作「スペインのカスタネット」を取り上げていただきました。その時に、岡江さんが、庶民的なお母さんの立場で曲についてコメントをしてくださったことを今でも覚えています。直接面識はありませんでしたが、それ以来、非常に親近感を抱いていた女優さんでしたので、まさかコロナで亡くなるとはおもわず、本当にショックでした。ご冥福をお祈り致します。そんな、岡江さんのコメントを思い出したりしていたのですが、ふと思ったのです。私はやはり作曲家なんですよね!(何を当たり前のことを言っているのでしょう?と思いましたか?)教室業務が休業になった今、曲を書かなくてどうするのでしょう!?今こそ、後回しになっている作曲に取り掛かる時なのです。もちろん、作曲業界もコンサートや劇伴関係は壊滅的な被害を受けています。しかし、曲を書くこと自体は、1人で家でできることなのです。なんだ、コロナ禍でも最強じゃないか、作曲活動!ということで、音楽教室休業の間、私は色々今までできなかった曲を書きますよ!今与えられた環境で、今できることを、精一杯やる。収束した頃にはそのアイディアが芽生え、花が咲くことをイメージしながら。ついつい、コロナの衝撃に打ちのめされそうになっていましたが、岡江さんのニュースで、はたと大切なことに立ち返ることができました。

  • 02Apr
    • 新型コロナの影響について

      おひさしぶりの更新になってしまいました。皆様、お元気にしておられるでしょうか?最後に書いた記事はミラノのスカラ座と楽器博物館についてでしたが、まさかあのミラノがそのすぐ後に封鎖状態になるとは思ってもみませんでした。フランスにも絶妙なタイミングで訪れることができ、あともう少し遅れていたら...と思うと、本当にラッキーなタイミングだったなと思っています。あっという間に世界の景色を変えた新型コロナ。多かれ少なかれ、新型コロナの影響を受けている方がほとんどかと思います。中には辛い思いをされている方もいるかもしれません。私は?、と言いますと、大きな変化はなく、元気にしています。ただ、私が活動する文化芸術業界は本当に厳しくなっています。特に私のようなフリーランスは。あまりにblogを更新しなかったら「元気で生きてますか?」と問い合わせをいただいてしまったので(苦笑)、少し私ごとの近況をこちらのblogに書かせていただきますね。まず、経営している音楽教室ですが、私は個人レッスンだということもあり、細心の注意を払って通常レッスンを続けています。消毒液の設置、教室やピアノの消毒、換気、手洗いの遂行、マスクの着用など徹底した上で、通常レッスンを遂行しています。しかしながら、特に札幌教室は判断に迷った時期がありました。北海道が緊急事態宣言を受けたということで、札幌では商業施設や習い事のほとんどが休校になる中、全く休みを設けなかった教室は稀だったかもしれません。通常どおり、という言葉に反発するような反応もありました。それでも、そんな中で、あえて楽しくいつも通り続けるということが、とても大切な気が私はしたのです。最近、少し北海道が落ち着きを取り戻してきていますので、ようやく今「やっぱり続けていてよかったな」と思えてきました。学校が休校になり、北海道はまだ雪の季節のため外に出る機会もない子どもたちにとって、いつも通りの音楽教室と先生は、安心の場であり、心の支えになったようです。また、東京の品川教室では、スタジオ側で消毒液を用意していただけたので、ご協力本当に感謝しています。イベントやコンサートの自粛については、私は作曲家であることから、演奏家ほど深刻な影響を受けていませんが、それでもこれが長く続くと影響は必至であると覚悟はしています。今のところ、2月の末に出演予定だった、横浜市立大学でのイベントが中止になった以外は、直接の中止や延期はありませんでしたが、今後出てくる可能性もあります。現在調整しているのが、4月末の発表会を兼ねたコンサート。合同開催なので、主催の先生とともに、開催か否か、流行の状況を見つつ、難しい判断を迫られています。このような緊急時に、改めて思うのは、やはり日本社会にとって文化芸術に関する事項は二の次、三の次であるということです。私は作曲家であり、幸い教える仕事も通常どおり遂行できているので、このような状況でも最低限の収入は今の所なんとかなっていますが、同業の演奏家などはほぼ月収がゼロという方が珍しくありません。ドイツ政府が7500億ユーロの財政支援を行い、文化芸術に携わる人に助成すると発表しましたが、残念ながら日本の文化支援はこのレベルには至っておらず、音楽や芸術を重要視する人はまだまだ少ないのが現状なのかなあと思わざるを得ないです。さらに、先日、文化庁長官が「文化芸術に関わる全ての皆様へ」というメッセージを出しましたが、一体なんなのでしょう?これは。要は「みんな、がんばろーね!」くらいの内容でしかないのです。普段は感じないのですが、こういう非常時にわかること。それは、普段あまり表面に出て来ていない日本社会の課題です。そのために普段からどう行動していかなければならないのかということを、私たちはこの非常時にこそ学ぶべきなのだと思います。私個人の仕事に関してもそうです。こういう非常時こそ、普段できない作曲や仕事、勉強、設備充実などにじっくり取り組むチャンスなのですよね。物事には良い面と悪い面があるとはよく言いますが、ある人がこのコロナの問題は世界がより平和に生まれ変わるきっかけだと言っていました。確かに、コロナは人類の共通の敵となっていて、私たちは戦争などしている場合ではないし、国同士でもめている場合でもないのです!コロナが終息した時、世界は平和になっている!そんなハッピーな願いを抱きながら、この1日でも早い終息を願ってやまない今日この頃です。

  • 11Feb
    • スカラ座と楽器博物館の画像

      スカラ座と楽器博物館

      こちらの記事とこちらの記事の続きです。パリを離れプロヴァンス地方に数日滞在した後、列車で国境を越えて、ミラノに立ち寄りました。そう、ここはイタリア!国境を越えてくると全然フランスとは文化が違うなと感じます。日本にいると、その違いなんて大きくおもわないのにね。当然音楽も違います。なんだろう、フランスから来ると、イタリアの音楽は明快でわかりやすく、軽やかですね。前回ミラノに来た時に、閉館の時間までに間に合わなくて、中には入れなかったスカラ座にリベンジ。やっぱり、彼がいたか。ジャコモ・プッチーニ。以前こちらの記事で書きましたが、オペラ「蝶々夫人」はこのミラノのスカラ座で初演されています。その他、「トゥーラン・ドット」もスカラ座で初演されています。トスカーナ州ルッカ出身のプッチーニはミラノ音楽院で学び、ミラノを活動の本拠地としていたようですので、スカラ座とプッチーニは切っても切れない関係なんだと思います。どこかでみたようなおじさん....誰かに似ていますが(笑)ロッシーニもいました。数多くのオペラがミラノで初演されたロッシーニ。スカラ座初演のものでよく再演されているものは「泥棒かささぎ」などです。やはりホールは桟敷席があって、パリのオペラ座同様豪華な装飾がなされています。舞台では、リハーサルが行われていました。スカラ座の一部は博物館になっていて、楽譜や公演の資料、衣装などが展示されています。「トゥーランドット」の直筆楽譜もありました。ここにこんな面白いデジタル展示もありました。「トスカ」の直筆楽譜なのですが、ヘッドフォンから録音が流れ、演奏箇所が赤くマークされ、それが動いていくことでまるでカラオケのように今どこを演奏しているかが一目でわかる仕組みになっています。直筆の楽譜ってなかなか読みにくいものが多いし、そもそも楽譜を読んで音を想像できる人は多くはないので、とても面白くわかりやすい展示だと思いました。その後、スフォルツァ城に観光に行きました。行くまで知らなかったのですが、スフォルツァ城の中にある博物館の2-3階には楽器博物館があるんですね。とにかく広いので、装飾や家具の展示などはすっ飛ばして、楽器博物館を見に行くことにしました。700点以上あるということで、ローマの楽器博物館より、充実した展示でしたね。かなり見ごたえがありました。弦楽器、管楽器、鍵盤楽器、民族楽器などのコレクションがありました。グラスハーモニカ発見。その中でちょっと面白かったのが、電子楽器のコーナー。クラシックの楽器が多く展示される中、現代の展示は異色さが際立っていました。1950年代、60年代にミラノで電子音楽を作ろうとした試みがあったようです。ラジオで放送できるようにと考えられていたとのこと、スタジオにあった機材がそのまま展示されていました。ただ観光のためにお城に立ち寄ったのですが、こんなに大きな楽器博物館があったとは。思いがけずの音楽探訪になりました。そして、一般の観光地などはほとんど行かず、ただひたすら一人で音楽探訪三昧で過ごしたフランス、ミラノでのたくさんの思い出を胸に、翌日チューリッヒ経由で無事帰国しました。ずいぶん長くなってしまいましたが、1月に訪れたフランス、イタリアでの音楽探訪記はこれでおしまいです。旅先で体験した素敵な思い出を、ぜひ曲作りに活かして行きたいなと今気持ちを新たにしているところです。

  • 06Feb
    • パリ音楽探訪記の画像

      パリ音楽探訪記

      こちらの記事の続きです。パリは芸術の都ですから、当然のごとく、音楽のスポットも多くあります。フランスの作曲家や音楽家だけでなく、他の国の作曲家や音楽家もパリに住んでいたなどというケースも多く、パリ市内はあらゆるところに音楽ゆかりの地があります。調べればいっぱいあるとは思うのですが、せっかくパリに滞在しているのですから、パッと思いついたいくつかで市内で時間が許す限り訪ねてみました。まずは、パリのオペラ座。現在はバスティーユにあるものがオペラ座と言われていますが、こちらの「パレガルニエ」と言われる旧オペラ座はとにかく豪華絢爛。見ごたえがあります。劇場の天井画はシャガールが描いたものです。ホワイエは豪華すぎて、目がクラクラします〜ベルリオーズ発見。ベルリオーズは「幻想交響曲」で有名なフランスの作曲家ですが、こちらのオペラ座でいくつかオペラを初演しているようです。グルック発見。グルックはドイツの作曲家ですが、フランス語でフランスオペラを書いていて、パリで初演しています。「オルフェオとエウリディーチェ」などが有名です。さて、オペラ座から歩いてその次に訪れたのは、マドレーヌ寺院です。神殿のような外観が特徴的。この教会にあるパイプオルガンの奏者には代々世界的な作曲家や音楽家が就任しています。その中でも、一番有名なのが、ガブリエル・フォーレ。かのフォーレの「レクイエム」はこのマドレーヌ寺院で自身の指揮により初演されました。そして散歩がてら(とは言っても寒かった!)9区にあるトリニテまで歩きました。トリニテの中心部にはサントリニテ教会があります。現在外装工事中で、工事用のカバーがかけられていて見られませんでしたが、内部はこんな感じ。この教会で1992年まで、オリヴィエ・メシアンはオルガニストを務めていました。私は、メシアンの音楽は、本当に学生の時聴きまくりました。(というか、大学の授業で聴かざるをえませんでした)いまだにメシアンといえば「世の終わりのための四重奏曲」が頭の中でぐるぐるします(笑)そしてメシアンといえば鳥。鳥の声にこだわって作曲していることで知られていますが、サントリニテ(sainte-Trinite)って、三位一体という意味なんだけど、やっぱりトリ(tri)が入ってる。なーんてダジャレのようなことを考えてしまいました....。せっかくパリに来たので、音楽スポットばかりではなく、午後は観光地やショッピングを楽しもうと思い、あとはパリの名所を巡ったわけなのですが、14区のモンパルナスに寄った際、ふと思い出したことがありました。モンパルナス墓地には、サン=サーンスが埋葬されている、と以前何かで読んだんですよね。私はフランスの作曲家の中でも、ちょっと保守的なサン=サーンスは好きで、編曲なども多くしています。これは行ってみよう!と思いまして、人もいない寂しい墓地を訪ねましたちなみに、モンパルナス墓地にはフランクやシャブリエなどの作曲家も埋葬されています。ただ、有名人のお墓がどこにあるのかという大まかな地図は墓地の入り口にあったのですが、区画がわかっても多くの墓石が乱立していて、その区画まで行ったにもかかわらず、どれかわからず、人もいないし、途方に暮れていました。諦めて帰ろうかな...と思った時、どこからともなくアフリカ系の清掃員が現れまして、何かと思ったら、「Hey, Cute girl, look so nice.」と英語で言われまして、なんだよ、墓地でナンパかよーって呆れたのですが悪い人でもなさそうなので、少しおしゃべりをしてみたんですね。それで「サン=サーンスという作曲家のお墓を探してる」と言ったところ、なんとそのお兄さんが見つけてくれたんです!家のような形をしたサンサーンス一族のお墓でしたが、他のお墓を乗り越えていかなければいけないようなところにあって、これは自分一人ではわからなかったわーと思いました。そして、サン=サーンスのお墓を見つけたら、そのお兄さんは「bye」って言っていなくなってしまいました。ナンパとはいえ、なんという絶妙なタイミングで現れたお兄さんなんでしょう。よく考えれば、本当に清掃員だったんでしょうか?清掃員風だったけど、仕事をしていたような形跡もないし....。これは、実はサン=サーンスに呼ばれたのかなあ?そんなふうに思える、思わず笑っちゃう不思議な出来事でした。この翌日、パリを離れプロヴァンスに移動しましたので、これでフランスの音楽探訪記はおしまいです。次回はおまけで帰国直前に立ち寄ったミラノでの音楽探訪記をご紹介します。

  • 01Feb
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      ラヴェルとドビュッシーの家に行く

      以前こちらのblogに予告したようにフランスに行ってきました。フランスの作曲家は数多くいるけれど、真っ先に上がる名前といえばラヴェルとドビュッシーではないでしょうか。私も大好きな作曲家です。その、ほぼ同時期にフランスに実在した、偉大な作曲家の住んだ家を訪ねてみることにしました。実は、私が行ったタイミングでは、パリでは史上最長と言われる大規模ストが行われていまして、郊外のラヴェルの家があるモンフォル・ラモーリーへの列車が通常通り運行していませんでした。ただ、すでにラヴェルの家には予約を入れていましたし、この旅で何としても訪れたいところでしたので、そんなことで諦めるのはどうかと思い、国際免許を取得し、レンタカーをパリで借りることにしたのです。1人旅で初めてのフランスで運転するなんて、ちょっとドキドキしましたが、基本的には高速道路を走行するので、まあ、大丈夫かと....。そんなハプニングがありつつ、ついにやってきたモンフォール・ラモーリーはこんな田舎町。そしてこの日の私のパートナー、レンタルした車はこちら思っていたより大きなシトロエンでびっくりでしたが、これに乗ってはるばるやってきましたよ。このシトロエンの後ろに映り込んでいますが、後方の公園のような場所は、小高い丘になっていて、古城があります。そんな風情ある古城の向かいにモーリス・ラヴェルが晩年過ごした家があります。他の建物とは違う、斬新なデザインの駅舎のようなおうち。ラヴェルはこの三角形のデザインが気に入って買ったということです。外側もそうなのですが、お家の中が素晴らしく素敵!諸先輩方によると、家の中は写真撮影も自由で、なんとラヴェル所有のピアノも弾かせてもらえるということだったのですが、最近管理者が変わったらしく、内部の撮影は禁止、ピアノも弾かせてもらうことはできませんでした。なので、残念ながら家の中の写真はありません。(ピアノも練習して行ったのになー)こちらは、ラヴェルの家で購入した絵葉書を撮影したもの。かろうじて内部の様子が少しわかるかもしれません。これは作曲していた書斎部屋です。客間や寝室、応接間、キッチン、バスルームまで全て、学芸員の方の説明を受けながら全てを見学させていただきました。この日予約していたのは私だけだったらしく、2時間以上も学芸員の説明を受け、ラヴェルの家を独り占めでしたよこの絵葉書からもわかるように、印象的なのは、壁の模様。それぞれの部屋が独特なデザインの壁なのですが、柱の絵や装飾、フェイクの大理石などもリアルに描かれていて、それが味わいがあるんです。そしてこれらは全てラヴェル本人が描いたものだということなんです。音楽だけでなく、美術やデザインにも精通していたとは!本物のアーティストなんですよね。ピアノはフランスの名器エラールでした。しかし、88鍵ではなかったです。85鍵なのかな?本当はどんな音がするのか弾いてみたかったんですけれど....そのほか、当時出始めの大きなラジオも置いてありました。ラジオでジャズを聴くのが好きだったというラヴェル。エッフェル塔ができて、パリではすでにラジオ放送が始まっていたわけですね。ガーシュウィンともこの家で交流を深めたとのこと、きっとガーシュインもあのラジオを聴いたのでしょう。(年齢は違いますが、ラヴェルとガーシュインは同じ年に亡くなっています!)そして、ラヴェルの趣味である浮世絵コレクションもすごかった!富士山はもちろん、日本橋、石川五右衛門、横浜駅などの絵があり、日本好きだったことが伺えます。学芸員の方が見せてくれたのですが、ラヴェルは日本語の辞典や本も持っていました。当時、こんな日本語の本が販売されていたことは驚きですが、パリ万博が19世紀末に行われ、ジャポニズムが起きていた時代だけに頷けます。お庭もあります。日本庭園を真似たものだったそう。庭でパーティーをしている写真があって、その写真でラヴェルが立っていた同じ場所で撮影してもらいました。全て紹介しきれないですが、作曲家の息遣いまでリアルに感じられる家で、本当に貴重な経験をさせていただきました。その家にある品々から、小柄で、オシャレで、ユーモアがあって....。そんなラヴェルの人柄を感じることができ、ますます大好きになりました。日本から長い時間をかけて、そしてストにもメゲずレンタカーで行った甲斐がありました!さて、ストが原因でレンタカーを借りたのですが、ラッキーなこともありました。それは、ドビュッシーが生まれた家にも同日に行くことができたことです。ドビュッシーはサン=ジェルマン=アン=レーというパリ郊外の街で生まれています。郊外といっても、モンフォール・ラモリーとは全然違った雰囲気で、もともとルイ14世がヴェルサイユに居住を移すまで歴代フランス王が住んでいたお城があったこともあり、観光客も多いエリアです。こんな商店街にあるおうちが、ドビュッシーの生まれた家です。両親がここで陶器のお店を営んでいたそうなのです。ここは係員の説明もフランス語だけだったので、私はなんとなくしか理解できてないのですが、2歳までこの地でドビュッシーは暮らした、というような説明を受けました(と思う)彼の所持品などの展示があり、デスマスクなども展示されていました。でも、私的にとても興味を引いたのがこれ。"Children's Corner"というのは、「子供の領分」です。「ゴリウォーグのケークウォーク」のイメージがついた可愛い表紙が初版本だったんですね!これはドビュッシー 本人が描いた絵とのこと。うーん、ラヴェル もドビュッシー も才能は音楽だけじゃなかったんだなあ。3階部分はホールになっていて、演奏会や講演会などが行われているようです。ラヴェルが晩年に過ごした家と2歳までドビュッシーが住んでいた家。同日に訪ねた家は対照的な感じがしました。そして、サンジェルマン=アン=レーのお城、カフェに寄って、パリへと帰路を急ぎました。なぜなら、夕方のパリは大渋滞なのです!!ヴェルサイユ宮殿のすぐそばを通ったのですが、見る時間なし。でも、大渋滞や道に迷いながらも、なんとか無事シトロエン君とパリに帰りました!観光地らしい観光地は全然行けませんでしたけど(笑)。でもきっとまた戻って来ますよ!Musee Maurice Ravel5 Rue Maurice Ravel, 78490 Montfort-l'Amaury, France※火曜日〜日曜日の完全予約制です。Musee Claude Debussy38 Rue au Pain, 78100 Saint-Germain-en-Laye※水曜〜金曜日14:00-18:00、土曜日15:00-19:00、日曜日15:00-18:00月曜日、火曜日、祝日閉館開館時間が短いので注意してくださいね。次はパリ市内の音楽探訪記に続きます。

  • 11Jan
    • 2ヶ月チャレンジの結果の画像

      2ヶ月チャレンジの結果

      気がつくとあっという間に2019年も終わり、お正月も過ぎてしまいましたが、昨年は本当にお世話になりました。今年も何卒よろしくお願いいたします。年末年始はいたって平穏でした。年始は2日から仕事だったのもあって、どこにも出かけずでした。なので、「2ヶ月チャレンジ」に専念できたお正月でした。実は、私、昨年11月より、「2ヶ月チャレンジ」なるものに挑戦していたのです。それは、2ヶ月で薩摩琵琶を演奏できるようになる、というものです。もちろん、琵琶の演奏経験はありません。でも、楽器について学んで、自在に琵琶の曲を作曲できるようになりたいなと思ったのです。琵琶という楽器は、西洋楽器とは違い、座学で勉強していても理解しにくいところがあり、実際に楽器を触って少し演奏できるようになれば、楽器の仕組みや構造も深く理解できるかなと思ったのです。首振り三年ころ八年じゃないけど、伝統楽器を2ヶ月程度で演奏しようだなんて、図々しく無理なお願いだとはわかっているのですが、事情を聞いてくださり、それ用のお稽古をしていただくということで了承いただき、錦心流薩摩琵琶の山西雅水先生に2ヶ月限定で入門させていただきました。それで早速先生が私に課題として出してくださったのが、「金剛石」という楽曲です。初心者はこの曲から始めるということですが、一通り琵琶の基本の型が網羅されているだけでなく、短く分かりやすい楽曲で、とても良い曲だと思いました。謡の部分の歌詞は昭憲皇后(明治天皇妃)が書かれたもので、「金剛石も磨かずば、玉の光も添わざらん」、つまり「ダイアモンドも磨かなければ輝くこともない」という意味の歌い出しで、習い事を始めた女性にぴったりな楽曲だと思います。ちなみにこの「金剛石」は当時女子学習院(女学校)の学校歌のために書かれた歌詞とのこと。奥好義作曲の校歌は今でも歌い継がれています。基本的なお稽古をすっ飛ばして、琵琶曲の全体像を把握するために、この「金剛石」を演奏することを目標としてきた2ヶ月間でしたが、ついに期限の2ヶ月を迎え、なんとなく先生のモノマネはできるようになってきました。とても人に聴かせられるようなものではないし、技術はひどいものですが、「ここはこうなっている。今は私の技術が足りなくて演奏できないだけ」という箇所を挟みつつも、最初から最後まで通せるようになりました。ただ、やっぱり弦を見ないと演奏できません。(苦笑)なので、少々不自然な姿勢で演奏しています。西洋音楽とは違い、また他の邦楽とも違い、琵琶音楽は曲の構造が「型」で成り立っています。語り物なので、語りと弾法があるわけですが、いずれも決まった型があり、西洋音楽のドレミに相当する音階があるわけではありません。また、即興的な側面が大きく、型はあるものの、その人その人によって表現は違います。その表現の自由さが認められているのです。さらに、琵琶と一言に言っても楽琵琶、盲僧琵琶、筑前琵琶、平家琵琶、薩摩琵琶など、種類が違うとまるで奏法が違い、私が入門した薩摩琵琶の中でも流派によって相当演奏法が異なります。薩摩琵琶は薩摩藩の武士の琵琶ということもあり、非常に男性的で戦記物が多いです。藩内の武士の教養として身につけられてきたとのこと、どちらかというと音楽を嗜むというよりは、武士道精神を学ぶ一環として楽器があったような感じがします。まあ、とにかく、演奏できる、とまでは言えないかもしれませんが、2ヶ月でここまで勉強することができました。楽器まで貸し出してくださり、2ヶ月チャレンジにご協力いただき、琵琶音楽の基本のキを学ばせていただいた山西先生に感謝です。これからは、素敵な琵琶の曲を作曲できるよう、精進します!

  • 11Dec
    • モンフォール・ラモーリーへの道の画像

      モンフォール・ラモーリーへの道

      フランス、パリから45kmほど離れた郊外に、モンフォール・ラモーリーという小さな町(というか、人口3000人程度なので村レベル)があります。フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルは、晩年をこの小さな町で過ごしたそうで、日本では代表作と扱われるあの「ボレロ」も、このモンフォール・ラモーリーの家で書いたと言われています。ある雑誌の記事で、その家がラヴェルが過ごした時のまま保存されていて、予約すれば中を観ることができるということを知りました。ネット検索してみると「ラヴェル博物館」として出てきました。訪問した日本人も多々いるみたい。しかもすっごい可愛くて素敵なおうち!!これは行ってみたい!!!Photo by Trip Advisorトリップアドバイザーより写真をお借りしています。ただ、小さな個人宅なので、入場は6人までという制限があったり、直接連絡を取らなければいけないということもあり、少々ハードルは高め。まあどうかなと思いつつ、フランス語は全くできないので、英語で半信半疑で問い合わせ先に連絡してみたところ、「ぜひいらしてください」と案外すぐに予約が取れました!(英語は通じた!)観光シーズンオフだったからかもしれません。もう乗りかかった船です。これは行かないとね。というわけで、来月フランスに行ってきます。それでフランスについて色々調べていたのですが、なんで今まで行かなかったんだろうと思うほど、音楽家にとっては魅力的なものがいっぱいありますね!調べてみるとラヴェルだけではありません。ドビュッシーのお家、サンサーンスのお墓、ショパンがパリ時代に暮らした家、フォーレのレクイエムが初演された教会、メシアンが勤めていた教会....などなど。やはりパリは芸術の都。暮らしていた音楽家はフランスの音楽家ばかりではありません。これは一般の観光名所など回っている場合ではありません(笑)さて、そのモンフォール・ラモーリーにあるラヴェルのお家。公共交通機関ではかなり不便な場所にあるらしい。どうやっていくか。それが現在のもっぱらの私の悩み。やっぱりUberかなあ。まあ、1人旅なので、一番安全で安価でいける方法を考えてみます。初フランスで1人で田舎に行くという...かなりの冒険になりそうですが、ラヴェルに導かれたと思って、楽しんできます。このblogにも報告しますね。来月まで、フランスについて様々なリサーチを重ねつつ....まずは大学の時にピアノの試験で演奏した「クープランの墓」を再び練習してみますか。

  • 18Nov
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      私がメトードローズを選ぶ訳

      子どもがピアノを習い始めよう、という導入時に、どの教則本を使うかというのは大きな問題です。かつて私が子どもだった時代はバイエルから...という教室が多かったと思いますが、今はたくさんの種類の教則本が楽譜店に並んでいます。私の教室では、その生徒の状況に合わせて選んではいますが、特に希望がない場合で小学校低学年くらいまでの初めて習い始める子の場合は、極力メトードローズを選ぶようにしています。この赤オレンジ色の本です。 メトードローズ ピアノ教則本(幼児用・上) 1,430円 Amazon メトードローズを使っているピアノ教室というのは全国的には少ないようで、今はぴあのどりーむや、バーナム、バスティンなどが人気があるようです。※こんなデータもあります。なので、他の教室から移ってきた生徒の場合、滅多にメトードローズを使っていたという生徒はいません。そういう場合は、その生徒が使っていたという本を使ったりします。なぜなら、メトードローズは、一番初めに教える音が真ん中ではなく、上のド(C3)だったりするので、導入期に他の本からメトードローズに移ることは混乱を招きがちなのです。また、メトードローズに飽きてきたという生徒は途中で他の教本に切り替えたりもします。本自体もレトロ調で、子どもに人気があるという感じでも決してないです。そんなちょっと癖のある教則本なのですが、それでも私はメトードローズを選ぶのです。それは私がピアノ専門ではなく、作曲家だからかもしれません。色々とご意見はあるかもしれません。でも、その生徒にとって、初めてピアノを習った先生がピアニストではなく作曲家だった...。それがご縁だと思って、まずはメトードローズから始めていただいています。メトードローズはフランスで出版された教則本です。本に出てくる楽曲は、フランスの民謡など、フランスの子どもにとってはなじみ深い曲を使用しています。日本の子供はフランス民謡はあまり知らないので、「ガスコーニュの兵士たち」とか「ブリュターニュの小唄」と言われても「知らなーい!つまんなーい」となってしまい、見た目がキャッチーだったり、カラフルな教則本に目が行きがちなのですが、これ、フランスでは子どもたち(親や祖父母の世代も)にとってはよく知られている曲ばかりなのです。私のオランダ人の友人が言っていたのですが、彼女はピアノはフランス人の先生に習っていたとのこと、やはり「メトードローズ」から始めたそうです。それでメトードローズの練習をしていると、「あら、この曲お母さんもやったわよ」とか「懐かしい曲だねえ」と、両親からおじいさんおばあさんまで、家族がピアノを弾く彼女を囲んで歌ったり団欒したりして、すごくピアノの練習が楽しかったと言っていました。そんな多くの世代に知られる曲ばかりなんですね。私が初めてメトードローズを見たのは中学生くらいで、もう導入期ではありませんでしたが、民謡を教則本に取り入れるなんてすごいアイディアだなあと感動した記憶がいまだに鮮明に残っています。日本ではなかなかそういう全世代に通用する民謡ってないですよね。前述のオランダ人の話もそうですが、親世代も知っている曲を使用することで、本人だけでなく家族もピアノのレッスンに無関心ではいられなくなります。それと、親しみやすく楽しい曲である上に、すべての楽曲にきちんとテーマがあって、基礎練習を踏まえて手の形を矯正したり、指くぐりなどのテクニックを学べるようになっていることが素晴らしいです。さらに、そのテクニックがクラシック音楽の基本的な表現方法につながっています。例えば、「ヴェニスの謝肉祭」という曲ですが、これはクレシェンドの練習なのですが、度重なるクレシェンドとデクレシェンドで、ヴェニス、つまりヴェネチアの水路に浮かぶゴンドラの船が揺れる様子を表現しています。また、8分の6拍子というのはクラシック音楽では舟のリズムですよね。特にイタリア、ヴェネチアといえば8分の6拍子というのはクラシック音楽の表現の定番なのです。そんなクラシック音楽の基礎知識みたいな部分がきちんと教則本にも入れられていて、今後ロマン派の作品を演奏するときの表現に役立ちます。ちなみに、私はレトロ好きなんですが、このヘタウマな絵も味があって好きです。最初、何の絵かよくわからなかったんですが、これはヴェニスのカーニバルの仮面とゴンドラを描いているんですよね!!この挿絵、誰が書いたんだろう?フランス版にも同じ絵があるらしいので、フランスで初版が出版された時に描かれた挿絵なんでしょうね。誰が描いたのかご存知の方がいたら教えてください!(笑)そのほかにも、「風車やさん、ねむっちゃだめよ」とか、名曲ですよねー。ドローン(持続音)の練習をしつつ、眠くて退屈な雰囲気を表現するという趣旨も素晴らしいですが、その時に指が伸びないよう、手の形を矯正するという練習の実践も含まれています。というわけで、私はメトードローズを上回る素晴らしいピアノ教則本を見たことがない、と思っています。ただ、フランス人と日本人では文化も違うし、なかなかこの良さは伝わらず、挫折してしまう子も多い教則本であることも事実。でも、それでもわかる人には必ず通じると信じてメトードローズを選んでいるのです。