「#1# 」、「#2# 」、「#3# 」 更にここから続きます。
ケイとは友達同士に戻ったけどそれは表現の問題だけで、
私の気持ちは変わらんままやった。
でもやっぱり遠慮はするようになったかな。
精神科に通いつつ仕事は行ってたけど、あまり芳しくなく。
今思えば選んだ病院が悪かった。
それで2ヶ月近く過ごしたけど最後は会社に行けなくなった。
彼女とも別れてたし、どうしようか考えて母に電話して
とりあえず実家に戻った。
調べて今のクリニックを見つけて通う事にして。
今年で5年目になる。
クリニックに通ってしばらくして大分落ち着いた。
実家に戻ってたからケイとは携帯のメールがほとんど。
それも週に数回あるかどうか。
そんな時、ケイから急な提案があった。
「東京に遊びに来ない?」
話を聞くと、ケイの彼女が「東京レズビアン&ゲイパレード」の
実行委員で、プレイベントみたいなやつのチケットがあるから
あるもちゃんも誘ってみたら?と言ってくれたらしい。
彼女にはまだバレていないのだ。
彼女が誘ってくれたと言うし、大っぴらにケイと会える、
それだけで嬉しかったからその日のうちに飛行機の
チケットを取った。
約束した日、東京のとある地下鉄の入口でケイを待ってた。
2ヶ月ぶりの再会。
向かいの道路からタンクトップに半ズボンという軽装で
長身の女性が手を振って走ってくる。
それがケイとわかった時、棒みたいに突っ立って見てた。
ケイは京都で会った時と同じように「待った~、ごめんね!」と
言って、(またしても)人目を気にせず抱きついてきた。
友達にはこういう事をしない、という私は少し戸惑った。
そして手を繋いでアパートまで連れて行ってくれた。
アパートは7畳一間とユニットバスと申し訳程度のキッチン。
日光も入らなくて昼間でも暗い。
ケイと彼女が寝るベッドを置いていて、あとはテレビと
PCとちょっとした物入れ、小さなテーブル。
あまりの狭さにかなりの圧迫感を感じる。
その部屋で彼女が待ってた。
名前は…マチ。
マチは前に画像で見せてもらった時はロングヘアーやったけど、
会ったときはベリーショートでボーイッシュやった。
ケ:「あるもちゃん、疲れたでしょう?これが彼女のマチ。」
私:「はじめまして。ケイさんからお名前は伺ってます。
今夜はよろしくお願いします。」
マ:「こんちは。まだ時間あるからゆっくりしなよ。」
ケ:「マチ、出るまでもう少し時間あるんでしょう?
うち狭いし、ちょっと外に3人でお茶しに行かない?」
ケイが提案して、3人で近くの喫茶店に行くことにした。
商店街の中にあって歩いて行ったんやけど、
私の片方の手をケイ、もう片方の手をマチが繋いで
3人で横一列に「はないちもんめ」をしてるみたいに歩いた。
ケイの彼女への態度を注視しつつお茶をして。
少し緊張したけど普通に話して。
「ああ、この人がケイの彼女なのだ。」と思い直したりして。
夜のイベントの準備に行くよと彼女が言い、出掛けて行った。
アパートに戻ったケイと私。
イベントは夕方からだし、出かけるまで昼寝した方が
いいよとケイが言って、二人とも少し寝ることにした。
もちろんこの時は何もない。
起きてケイに連れられて新宿2丁目へ。
まだ日が沈んでないから周りがよく見えた。
決して綺麗とは言えん街。落ち着かん。
目的のイベント会場へ着いた。
薄暗い階段を下りて地下へ。
何やら催しが始まったけど、私にはただうるさくて。
ケイの友達のカップルさんが来て挨拶してくれたけど、
その片方の人がいきなり挨拶代わりだと胸を触ってきたりして、
びびりまくってしまった。
(その彼女さんが謝ってくれたけど)
中にはストレートやけど女装趣味の男性もいて。
「私は同性愛者じゃないんですよ。」と言って挨拶しに来る。
そんなら来るなよ、興味本位だけか?と思った。
イベントの内容はどうだったかというと、多分、
「ゲイで何が悪い!」とか「権利を勝ち取れ!」みたいな事を
叫んだり、団体で歌ってたりしてた気がする。
薄暗い会場の至る所で、男×男、女×女の組み合わせが
抱き合ったり、キスしたり、カルチャーショック。
夜も12時くらいになってきて、ケイが
「メインは終わったからもう出ようか。」と。
何がメインかさっぱりわからんかったけど、
その場所から出られてほっとした。
夜更けの2丁目は昼とは様子が打って変わってて、
おずおずと歩く私の腕を掴んだ黒人さんが
「オネーチャン、イイモノアルヨ。」と声を掛けてきたのを
ケイが「いらない。」と言って振り払って、手を繋いで
歩いてくれた。
そして(今もあるか知らんが)有名なカフェに入った。
周りを見ると、男×男、女×女の方々が見つめ合って
微笑みなど浮かべてる。
テーブルの上で手を触りながら話してるカップルも。
ここでも軽いカルチャーショック。
ケイと私は普通に食事してタクシーでアパートへ戻った。
「疲れたね。汗かいたでしょ?シャワー浴びておいで。
シャンプーと石鹸はあるやつ使って。」
二人が生活してる場所なんやからあって当然やけど、
シャンプーや歯ブラシを見ると嫉妬心が湧いた。
ケイもシャワーを済ませて部屋に戻ってきた。
「あるもちゃん、マチは今夜は夜中までイベントあるし、
それが終わっても片付けがあるから、マチが
帰って来るのは早くて明け方。」
「今夜しか二人きりになれないよ?どうする?」
どうする?…って?