さっき、実家の母から昨日送った菓子が届いたと電話があった。
「あれ、あれが前に食べたやつやっけ?あんな味やっけ?」
こう言ったのは、本人が思っていたほど美味しくなかったらしい。
(記憶なんてそんなもんだ)
せっかく送るんやし、日保ちのする菓子なので少し大きめのを送った。
「あんなようけ送ってきて!私一人で無理やんか。」
「は?おやぢはおらんようになったん?」
「違うけど…(苦笑)
おとーさん、最近近所の知り合いの畑手伝いに行って、帰って来て
暑いからビール飲んで終わりやし。」
「冷やしてもいいって書いてるんやし、日保ちもするし、
せっかく行ったんやからどうせやったら大きいの送りたいやんか。」
そのあと。
「あれ高いやろう!無職の娘からもらう気ないわ。
今度帰って来たらお金払うし。」
「いや、いい。6月は帰るつもりないから送った。」
「あんた、仕事はどうなってるん?」
「こないだ受けたけど落ちた。
今は失業保険の手続きして、学校受けるの申し込んでる。」
「! それでまた3ヶ月ほど遊ぶ気か?もう半年やろ。
ようまあお金も入ってこんのに、のん気にいてられるな。」
「とにかく無職の人間からこういうのを受け取れん。」
送るときに手紙を添えなかった。
前もって送るというメールもしてなかった。
私の言葉が足りないのはわかってる。
いつもバシバシ言われたり言い返したり、それが結構
本気で繰り返されてきたから、うまく言えなかったんだよ。
「母の日もしてないし、今回の父の日も帰らへんからね…って
なぎがそう言って半分出してくれたんよ。」
「あ、そうなん?そんならなぎちゃんによろしく伝えといて。
今度帰って来たときにまたお返しするから。」
なぎの名前を出したことで納得した様子だった。
その後も仕事について突っ込んできそうやったから…
「こっちはこっちで別で生活して迷惑かけてないんやから、
いちいち細かいことまで口出しせんといてよ!」
「いま忙しいねん!」と母の言葉を押し込めて電話を切った。
結局こうだ。
いつまでたっても親は親で、手に職を持ち、それを武器に生きた
母にはかなうはずもない。追い越せないのかもしれない。
ずいぶん離れたところにいるはずなのに、母が追ってくる。
それが親心だと頭ではわかっていても、いままでに充分過ぎるほど
期待を裏切ってきた私には、もう重い。
なぎに荷物が届いた事と、母が礼を言っていたことを
伝えなければならないけど、私は泣かずに言えるだろうか。