少し前から認知されつつある<ヤングケアラ->という言葉ですが、実態はかなり深刻なものです。

定義としては、通学や仕事をしながら、障害や病気のある家族の介護や世話をする18歳未満の子供のことを言います。

ある調査では25人に1人がヤングケアラ-であるとも言われていますが、若年層を含めると確かに身近な問題です。

障害といっても、身体障害だけでなく、精神疾患や鬱(うつ)などもありますし、認知症や、高齢者の介護もあります。

そして、子供がその介護を担っている場合は学業の妨げ、自分自身の健康や心身に与える影響が大きいばかりか、将来への展望を見出だすことが困難な状況にあります。

また、親一人、子一人の家庭では、まさに孤立状態となっているケ-スが多いようです。

大人でも介護職でない人が、常に家族の介護をすることは心身ともに疲れてしまいます。

先日、人気ミュ-ジカル俳優の山崎育三郎さんが、自分もかつて、ヤングケアラ-だったと語っておられました。

当時は高校生で認知症の祖父と祖母を独りで介護していた体験を語り、一人で抱え込まず、SOSを出すことを提言していらっしゃいました。

山崎さんは子供の頃、可愛がってくれた祖父母が、孫のことがわからなくなり、お手伝いのお兄さんとして認識されていることや、せっかく作った食事を手で払いのけられたり、排せつ物を片付けている時に、乱暴な言葉を浴びせられたことが一番嫌だったと仰っていました。

本当に、一生懸命の介護をしている中、このようなことが毎日続いたら、それはキツイと思います。

でも、これからの少子高齢化社会、離婚率の増加などを考えると、誰にでも起こり得る問題です。

特に、その介護を子供が一人で担うことがどれほど大変なことか、社会が共有すべき問題です。

有名芸能人が自分の体験を語ってくれたことで、ヤングケアラ-の問題がもっと認知されて、みんなで考えていければいいと思います。

 

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