方向転換
7-9月期GDPが0.5%の伸び。
中身は、輸出が2.7%の伸びて、
個人消費は0.7%マイナス。
新聞各紙、ニュースでも取り上げていて、
一時的だとか中身が悪いとか色々論評がありますが、
踊り場と言うか、転換期ではあるんでしょうね。
世界の中の日本と考えれば、
常に日本も世界景気の影響を受けてきたわけで、
今回もその渦の中にいるのは当然でしょう。
中国とインドを中心としてアジア経済は以前好調で、
まだしばらくその好景気は続くでしょうから、
そこに支えられて日本も成長するのは、
ある意味自然と言える。
成長しても豊かさを実感しないのは、
その成長の牽引役が自国ではなく、
日本より一人当たりGDPが遥かに低い国々が牽引しているからで、
そこに合わた成長なのだから、日本人としてはあまり実感できないのかもしれない。
単純に計算すると、
中国の一人当たりGDPを1500US$と仮定し、
日本の一人当たりGDPを37000US$と仮定する。
中国の年率GDP成長率が10%とすると、
一人当たりGDPは150US$毎年伸びる。
これは率としては凄い伸びである。
しかし、この毎年150US$の一人当たりGDPの伸びの額を、
日本の37000US$をベースにした伸び率としてみると、
0.41%に過ぎない。
インド経済も年率8%程度の成長率だから、
影響は同程度である。
単純計算であるが、
中国とインドををエンジンとした経済成長の恩恵に日本が預かるなら、
輸出の年率0.4%程度の伸びと言うのが妥当で、
四半期ベースで0.4%の輸出の伸びは大きくいと見える。
そのギャップはどこにあるのか。
輸出の伸びた主因は中身は電子機器や部品と言う事なので、
中国成長の内訳と比較する。
先四半期で輸出、設備投資が年率約30%の伸び、
内需が約10%伸びだった。
これを単純に成長率だけ入れ替えて計算すると、
四半期ベースで0.3%、通期で1.2%。
中国だけでこれだけの数値となる。
従って、中国の輸出増加のペースに合わせて
日本の輸出も増えた分が成長に繋がった、と言える。
中国をベースにした成長に乗っかっていると言うことは、
中国のレベルをベースにした成長と言う事で、
それは日本人にとってはあまり変化の無いレベル、
つまり豊かさの変化があまり生じない程度、と言うことに成る。
これを経済の専門家は、
中国やインドに豊富な労働力があるために起こる
労働賃金の下方圧力、上方硬直性と言い、
実態として起こるのは、
労働分配率の低下である。
労働分配率低下の実態は、
正社員の比率を下げ、派遣パート社員の比率を上げる事である。
ここで注目すべき点は、
正社員の給料も上がっていて、派遣パート社員の給料も上がっていることである。
初めから正社員、初めから派遣パート社員と言う人は、
それぞれ給料は上がっているのだが、
全体としての給料は下がっている。
つまり給料が下がると言うのは、
正社員から派遣パート社員になる事なのである。
これが、企業にとってはアジア市場向けで利益を上げ、
社員にとっては給料が下がると言うギャップである。
企業の利益が上がっているから設備投資が行われ、
その分景気が良くなると言う部分はあるが、
内需の比率が高かった成長から輸出の比率が高まったと言うことは、
そのギャップが景気に顕在化したということである。
ボーナスは増額する企業もあるようだが、どの程度の企業だろうか。
そもそも、派遣パート社員にボーナスを出す企業は少ない。
労働分配率を著しくない範囲で上げる事で、
それが消費を生み、内需を拡大し、
結果、企業自らも成長できる。
と言う方向転換が今必要ではないだろうか。