『 トレマーズ4 』 | 横浜紅葉坂シネマ倶楽部

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映画・音楽の感想を中心に・・・(注:ネタバレあり)


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【 制作 】 2004年

【 監督 】 ロン・アンダーウッド

【 出演 】 マイケル・グロス、サラ・ボッツフォード、

        ビリー・ドラゴ 他

【 時間 】 101分


【 内容 】

舞台は1889年、西部開拓時代の田舎町、ネバダ州リジェクション。

リジェクションの人々は鉱山での銀採掘による賑わいに頼っていたが、

鉱山で鉱夫達が次々と何者かに襲われる事件が発生。

1日で17人もの作業員が死に、山は閉鎖を余儀なくされる。


鉱山の閉鎖により「お客」である鉱夫が次々と町を去ってしまい、

銀行も鍛冶屋も閉店、その他の店も開店休業状態に・・・

困り果てる町の人々。


そんなある日、鉱山の収益を上げることを目的に、

フィラデルフィアから鉱山のオーナーであり、

バートの曾祖父にあたるハイラム・ガンマーが町にやってくる。


ハイラムは町民から事件のことや鉱山が閉鎖になったこと、

銀は依然埋蔵量が多いが、

事件後7人が鉱山に入り、誰一人戻ってこないことを聞かされる。


ハイラムは町の作業員フアンに、残っている作業員を集めさせ、

原因追及のため鉱山へと向かうのだが・・・


【 感想 】

トレマーズの続編、第4作目。

本作では西部開拓時代に遡り、

トレマーズ1と3で舞台になったパーフェクション・バレーの前身、

リジェクション(拒絶)という町が舞台。

バートの祖先であるハイラムとグラボイズとの闘いを通して、

グラボイズとバートがどのように「誕生した」のかが描かれている。


1・2・3作目のバートと言えば、

グラボイズ相手にガンガン銃をぶっぱなす、

男の中の男というイメージだが、

今作の曽祖父ハイラムは射撃が全くの苦手。

この時代に自転車に乗っていたり、

どちらかと言えば知的で裕福な文明人といった佇まいである。


しかし実際は、ハイラムの全財産は金貨1枚とダイヤのカフス、

そして金時計の3つだけであった。

というのも、資産家だったハイラムの父が認知症がかなり進んだ頃、

全財産を売り払って買ったのが、鉱山だったのだ。

だからこそ、ハイラムにとっても鉱山を再開させる必要があった。


グラボイズの幼虫に襲われ何とか逃げ延びたハイラムは、

金貨とダイヤのカフスを前金にして、

凄腕のガンマン、ケリーを雇うのだが、

脱皮して成体になったグラボイズに襲われ、

頼みの綱のケリーも食べられてしまう。


危機を知って荷馬車でかけつけたロードに命を救われたハイラムは、

鉱山を諦め、町から逃げ出そうとする。

町人はそれでも町に残ることを決心するが、

ハイラムが逃げ帰ってしまうことに落胆する。


しかし、駅でグラボイズがリジェクションに向かっていることを知り、

ハイラムは最後の財産である金時計を売り払い、

その金でありったけの武器を購入し、再びリジェクションへと戻る。


そして、町の住民と力を合わせてグラボイズを迎え撃ち、

死闘の末に勝利。

ついに町を守ることに成功したハイラムは、

町の名をリジェクションからパーフェクションに変えて、

これからも町に残ることを決心するのだった。


ラストシーンで、射撃練習をするが全く的に当てられないハイラム。

「全然だめだ」と苦笑いを浮かべるが、

見かねたロードが連射式のガトリング銃を買ってきて、

ハイラムは恐る恐るハンドルを回す。

次々に的が破壊され、笑いの止まらないハイラム。

こうして、その後も一族に伝わる「原型」が作られたのだった。


射撃も下手で、一時はグラボイズから逃げ出そうともするが、

最後は自分の全財産を投げ打ってでも町の人を救おうと闘うハイラム。

やはり、本当に苦しい時にどういう決断・行動をするかで、

その人自身の価値が決まってくる。

テキトーさが売りのグラボイズ・シリーズの中にあって、

意外にまともな作品だった。


トレマーズという1本のB級映画によって、

バートというキャラクターを確立し、

その後の続編を引っ張り続けたマイケル・グロスに心から拍手を贈りたくなる、

シリーズラスト(?)作品。


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